がむしゃらさを失えば負ける
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HiRO
2007年06月12日 15:51 visibility91
長いゲームだった。
14:00開始予定が、開始前の雨で14:30に遅れる。
5回途中に降雨で中断し、17:00ちょうどにゲーム再開。15:49から1時間11分の中断。
それにしても、ホントに水たまりのできていたグランド。幾ら水はけが良いとはいえ、雨が止んで間もなく、これほどのグランドコンディションに復旧できるとは!
阪神園芸のプロの業に拍手!
5回の1イニングを終えるのに1時間15分(苦笑)
さてゲームは、と。
序盤から、ジャンと虎ハンター杉内の投手戦。
ジャンが3イニングを3人ずつでパーフェクトに抑えれば、杉内も四死球こそ与えるものの3回までノーヒット。
4回、四球で出塁した本多が信彦の打席の初球で2盗、信彦も四球を選び、ノーヒットで2死1、2塁。小久保は前の打席、三振を喫したものの10球近く粘ってボールが見えている。その初球を右中間へ。ライト前ヒットとなり、本多が生還!
1点を先制。チーム初ヒットが小久保のタイムリー!
5回裏2死となったところで降雨中断したため、ジャンは5回までで降板。結局ジャンが許したヒットは小久保のタイムリー1本のみ。
Tigersは6、7回に、ジェフと久保田を投入、8回には橋本健太郎をマウンドへ送り、追加点を許すまいと必死の継投。
杉内は長い中断にも集中力を切らさず、その後もマウンドへ。8回までわずか3安打と好投を続ける。
9回、Tigersは1点のビハインドにも関わらず球児を投入。執念の継投。
逆に、Hawksベンチは1点リードのまま、9回も杉内をマウンドへ送り出す。
が、先頭鳥谷に初球を左中間へ運ばれ2ベース、浅井が送って1死3塁。続く野口が初球スライダーをレフトへ深々と打ち上げる。犠牲フライには充分。
土壇場での同点劇。完封させようとした続投が裏目。
雨で中断し、ただでさえ長くかかったこのゲーム。とうとう延長に突入。
10回表。当然、Tigersマウンドは藤川が続投。杉内の打順に代打ブキャナンを送るも三振に倒れ、この回3者凡退。
その裏、Hawksベンチはマウンドに篠原を送る。
1死から関本に2球目のスライダーをレフトフェンス際まで運ばれ2ベース。そして、林威助。2球目のスライダーがライトスタンドへ吸い込まれていく。決勝のサヨナラ2ラン。
林がダイヤモンドを周りホームでナインに揉みくちゃにされるなか、マウンド上で打球が吸い込まれたライトスタンドをただただ呆然と振り返り、立ちつくす篠原の姿。
なかなか乗れんもんやね。
でも、同点とされた杉内も、サヨナラ弾を浴びた篠原も責められまい。
このゲーム、負けるべくして負けた。
7回のHawksの攻撃。信彦をジェフが打ちとり小久保の場面で久保田。小久保倒れるも柴原、アダムが2連打。2死1、2塁の場面で打順は山崎。何故ここで代打を出さない?
もう1点が欲しくはないのか?
1点でも逃げ切れると考えているのか?
9回、マウンドへ上がった球児に対し、先頭信彦がいきなりその初球を痛烈なレフト前ヒット。小久保、柴原が倒れ、2死からアダムが四球を選び、2死1、2塁。ここでもHawksベンチは山崎に代打を送らない。
負けた場面でも球児を投入してきたTigersベンチとは対照的に、中継ぎ陣の温存と杉内の完封を考えたのだろう、Hawksベンチは9回、杉内続投を選択。
が、杉内は8回、金本に外への真っ直ぐを左中間に運ばれ初の長打を許している。
また、打ちとったとはいえ、林には高めに浮いた真っ直ぐをセンター深いところまで運ばれているし、今岡にも真っ直ぐをライトにいい当たりを打たれていた。
少し球威が落ちてきたか。制球も少しずつだがバラツキが大きくなっているという印象で観ていた。
確かに7回までの内容はいいし、Tigersには杉内への苦手意識もある。が、先のCarp戦だったなら、ここは手堅く石橋を叩いて馬原を投入したに違いない。連勝をして気が緩んだか、ベンチが色気を出してしまった。
客観的に投手の状態をベンチへ伝えるべき正捕手不在の影響もある。
JOHは、自分が受けていて限界だと思えば、それをベンチに伝える、という重要な役割を担っていた。ベンチもそれを頼りにし、迷ったときにはJOHの意見を求めていた。
今のHawksにはそれを任せられるだけの捕手がいない。
8回の状態を山崎はどう見ていたのか。いや、どう見ていたかは問題ではないだろう。まだベンチが意見を求めるだけの存在ではないし、杉内が交代となれば自身も変わる可能性のある捕手に客観的判断は難しい。
終盤のリードにも大いに文句がある。
9回、2ベースと犠牲フライは、いずれも追い込む前、ストライクをとりに来る初球を痛打されている。それに何故気付かない。
10回のリード。
関本には、初球真っ直ぐでストライク。そして2球目にスライダーでストライクをとりにいったところを痛打された。
続く林には2球ストライクゾーンへのスライダーを続けている。
ストライクをきっちり獲れる投手だとしても、この延長の場面、1点を獲られれば負けるという状況で、実に安直にストライクをとりに行き過ぎている。
一向に成長する気配のない今の山崎なら、田上やせっかく上げた高谷を使ったほうが、その成長の伸びしろに期待できるだけマシだ。
和田、杉内という左投手に対しては、何故か山崎を使うのも、よく判らない。田上や高谷に経験を積ませれば良いだけのこと。
たかが2連勝でチームを上向きと判断し、がむしゃらに勝ちに行くことを怠ったベンチワーク、レギュラーすら獲れていないのに昨季のがむしゃらさを失った捕手のリードの未熟さ。
このゲームに勝てれば、3連勝。Carp戦の勝ち方も良かっただけに、チームを勢いづける勝利となったろう。
この負けが、後々想い起こしたときに、大きなターニングポイントにならないことを切に願う。
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- 事務局に通報しました。
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