濃密な9回の攻防に魅了される
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HiRO
2007年06月13日 04:54 visibility98
前日はあまりの悔しさに、ゲーム終了後バッティングセンターで打ち込み。そして、翌日に備え、関西風お好み焼きを食わんと材料を買って帰り、自ら焼いて食う。
美味い。我ながら美味。
なんか、最近、自分で感じるんやけど、チーム状態が悪いときのほうが観戦に熱が入るっちゅうか、良いときはプロ野球ニュースでチェックして終わりで済むんやけどね、こうなってくると放っとけんというか、ガッツリ観ずにおれんくなる。
未だに、負けが込んで周りがやいのやいの言いよったら、90年代の連続Bクラス時代よかマシやん、って思ってしまう、そんな弱小球団を愛してきた血のなせる業か?(苦笑)
というわけで、最近、観戦に熱がこもってます。(笑)
さて、と。
前日は悪夢の延長サヨナラ負け。その雪辱なるかという、このゲーム。
先発は、対Hawks4連勝中の元鷹戦士下柳、そして今季4連敗中の和田。
そして、田上、遂にサウスポーに解禁。ここまで、打力を優先し田上のスタメンマスクが増えても、何故か和田、杉内といった左腕投手のときには必ず山崎がマスクを被っていた。
昨日同様、緊張感のあるゲーム。どうして鷹と虎の対決は、こうも見応えあるゲームになるのか。
序盤からランナーを出すも決定打の出ないHawks。
初回はヒットと四球で1死1、2塁、2回には、2連打にワイルドピッチで無死2、3塁のチャンスを迎えるも得点できず。
3回以降は、相変わらずのらりくらりと抜いてくる下柳の前にチャンスすら作れない。
一方の和田も初回、2回とランナーは出すが得点を許さず。
思い切りよくインコースを突く攻めの投球を見せる和田。この日の和田は気合いが入っている。
延々とスコアボードに並ぶ「0」。
下柳は6回を投げ終えわずか4安打で、7回から久保田にスイッチ。
これは......久保田、ジェフ、藤川がそれぞれ1イニングずつという相手打線への強烈なプレッシャー。
いやはや、このブルペンの凄まじさ。もうちょっと打線に元気がありゃあね。こんな順位にゃおらんやろ?と思いつつ、互いのチーム状態に関係なく、何故か白熱する鷹虎対決。
和田は、5回まで散発2安打(!)
6回、1死から小久保の悪送球で関本が2塁に。林の1ゴロの間に3進し、2死3塁のピンチで金本を迎えるも、厳しいコースを効果的に突き、2ゴロに抑える。
7回に、今岡にこの日2本目のヒットを許し、送りバントと敬遠で、2死1、2塁として、久保田の代打浅井に三遊間を破られるが、2塁ランナー今岡は3塁ストップ。
この場面、虎ファンの間では、本当に1点を獲りにいく気があるなら、今岡に代走、なんて声もあった。Hawksからすればレフトからの中継が乱れただけに助かった。
2死満塁。ここで、この日2三振の桜井と交代した赤星の初打席。でも、赤星のバットは明らかに振れてない。
内、外へのスライダー2球で簡単に追い込んで、2-1となって、外への真っ直ぐのファールをはさみ、スライダー。ショートフライでチェンジ。
赤星、首、痛いんやろ、きっと。それなら凡退してもいいけん、桜井に、1軍の投手の放る球をいっぱい見せるのも手やと思うけど。
8回には、やっぱりジェフ。
相変わらず左の横手から投じるストレートがキレとるね。
先頭の本多がフルカウントから、明らかに高めのボール球に3球続けて手を出してファール。結果、12球目、外の真っ直ぐをレフトライナーでアウトとなるのだが、この手のキレで勝負するタイプのサイドスローの高めは曲者。自分が打席に立つと初めて判る。
端から見とると、何でそんなクソボールに手を出すの?と思うのだが、打席で観るともの凄く浮き上がってくるのだ。自分のウェスト近辺の高さと思ってスイングすると浮き上がってきて高めのクソボールになるのだ。
右のアダムがライト線への2ベースを放ち、信彦が3塁まで進めるも、右の小久保は敬遠で、2死1、3塁となって、左の大村。その大村も、高めの真っ直ぐを2球振らされて追い込まれ、外へのスライダーで空振り三振。
その裏、金本に四球を与えるも無失点。
迎えた9回表。
マウンドには球児!
前日もそうやけど、リードしていない場面でのとっておきの切り札投入。ベンチの意気込みを感じさせるには最高のカード。やけど、こんな使われ方続いて大丈夫やろか?
って心配しとる場合やない。Hawksとしてはどうしても連敗は避けたい。でなけりゃ、せっかくのCarp戦連勝が水泡に帰す。
先頭は田上。
初球高めのストレートを空振り、2球目は外への真っ直ぐ見逃しで、2球で追い込まれ、3球目、やや高めややインサイドの真っ直ぐをファール。
ここで、もう少し高めのボールゾーンへ真っ直ぐを投げられたら、もう絶対に打てない、空振りする。
そう思って観ていたのだが......
4球目はやや高めからウェスト付近に落ちる高速フォーク。これを上手く合わせバットの先、バットを折りながらレフト前へ運ぶ。
きっと、気付いた人はそう多くはない。田上は3球目ファールのあと、それまでより少しだけ、そう、ホントに少し、指1.5本分程度バットを短く握り直していた。
マスクを被る野口はそれに気付いていたか?
田上が、とにかくコンパクトにミートしようという意識を強くしたところに、投じられたフォークだった。
ここで1塁に代走、松田。
続く柴原。王采配では、ここは間違いなく送りバント。が、柴原のバントは正直いただけない。不安感いっぱいに見守るなか、なんと(笑)、1球で送りバント成功。
ここで、和田に代打、ブキャナン。ローボールヒッターやし、インハイに真っ直ぐを3球放られたら為す術なし。って思ったんやけど、野口の配球は違った。
外への真っ直ぐに続いて、2球目、やや真ん中より低めの真っ直ぐ、これを叩いて2ゴロ。この間にランナーは3塁へ。
2死3塁。スタンドからは「鷹の道」が鳴り響く。
打席には、復帰後3試合でまだ1安打の宗則。初球、高めの真っ直ぐ、空振り。
こんな球、打てんわ!思わず舌を巻く。
こりゃ高めに3つ放られたら手も足も出まい。
2球目。低めにコントロールされた真っ直ぐ、ややインコースより。バットの根っこで詰まりながらも、球児の脇を抜けセンター前へ。打球と、球児の反応が、まるでスローモーションのように見えた。宗則の復帰後2本目のヒットは、均衡を破るタイムリー!
貴重な、貴重な1点を、セ界最高のストッパー、藤川球児から奪い取る!
こうなれば、9回裏のマウンドには、迷う余地なく馬原。
(この日は9回表に和田に代打だしとるしね)
田上に代走を出したため、山崎がマスクを被る。
先頭は鳥谷。その初球。甘い、やや内よりの真っ直ぐ。飛びつく本多のグラブの先を抜けライト前ヒット。
藤原は送りバント。インハイへの真っ直ぐ、最もバントしづらいコース。その球威で打球が死なずマウンド前まで転がり、馬原は迷わず2塁へ。2塁フォースアウト。
1死1塁となって、野口に代打、桧山。
外への変化球を2球続け2ボール。インローへ真っ直ぐ、153km/h、見逃しのストライク。続いて外への真っ直ぐはファール。2-2。5球目は真ん中から低めボールゾーンへのフォーク、空振り三振。
2死1塁。藤本には、初球、インローを狙った真っ直ぐが低めに外れてボール。2球目はアウトローへのフォーク。0-2。3球目はインローに真っ直ぐが決まり、1-2。
4球目、同じくインローの真っ直ぐ、これがこの打席、藤本へ対して投じたインローへのストレート3球で最も甘い。1、2塁間を抜けライト前へ。1塁ランナーは3塁へ。2死1、3塁。
俄然盛り上がる甲子園。
打席には赤星。が、Tigersファンには申し訳ないが、今の赤星なら確実に打ち取れる。そう思った。
この場面、家で中継を観ながら
「初球、理想はインコース。でも、ど真ん中でもいい。フォーク、落とせ!」
と指示する自分。その通り、初球インコースへフォーク、空振り。
「もう1球、フォーク。同じコース。」
空振り。良し!フォーク2つで追い込んだ。赤星は見えていない。
「遊び球は要らん!高めに真っ直ぐ!空振りさせろ!」
山崎が中腰に構える。が、インコース、ベルトの高さの真っ直ぐ。赤星は手が出ず見逃し三振!
試合終了──。
宗を中心に拡がるハイタッチ。
濃密な9回表/裏の攻防。セ・パを代表するリリーバーとの熱い勝負。
あの球児から、最終回に1点。球児は交流戦3年で初の黒星だそうだ。本当によく点が獲れたもの。
これで、この交流戦、虎とは5分で終了。
でも、この両チームのスリリングな試合展開は病みつきになりそう。
続きを観たい──。
そう思えるからには、両チームに頑張ってもらわんとね。
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- 事務局に通報しました。
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