アンダーサーブにまつわる思い出

昔話です。

小さな巨人、ビッグサーバー(自称)だった私も、中学の頃はサーブに悩んでいた。
試合会場に向かうその日、セカンドサーブを上から打つか、アンダーにするか、ずっと考えていた。

今なら、ファーストサーブとセカンドサーブは球種を変えて、と言うのだろうけれど、
当時は、「ファーストの70%くらいの力で打つ」と教えられていた。


いざ、試合開始。
フォルト。
セカンドは・・・アンダーサーブで。


パコーン。ストレートにリターンエースを取られた。


「これは、アンダーで打ってちゃダメだ」


意を決して、すべて上からサーブを打った。
意外にも、ダブルフォルトはほとんどなかった。
この時以来、アンダーサーブは打たなくなった。



2ゲーム目。相手のサーブ。
フォルト。
セカンドは・・・アンダーサーブを打ってきた。
借りは返す!



パコーン。ストレートにリターンエースを取ってやった。


多分、相手も、アンダーを打っちゃダメだ、と思ったのだろう。
その後はすべて、上からのサーブだった。



スゴイ競った。
けど・・・勝ったっけ?負けたっけ?覚えてないや(笑)





アンダーサーブと言えば・・・。
プロの選手もたまに打つすることもある。
野球のチェンジアップみたいで効果が出ることもある。


今まで見たアンダーサーブの中で、一番ブーイングが大きかったのは、ヒンギスvsグラフの試合だろうか。

審判のミスジャッジも多く、集中力を切らし、だんだんテニスが崩れて行ったヒンギスが、
やけっぱちに見えるようなプレイを連発。
その中で、アンダーサーブ。
ブーイングの嵐だった。


ヒンギスが出てきたころは、今までの常識にとらわれない新しい展開のテニスが見れて、
すっげ〜と思った。
その位置で、その角度で、そのコースか? みたいな。
パワーじゃなくて、相手を走らせて追いつめてく、
そういうラリーが何本か、イメージで頭の中に残ってる。

人を食ったようなプレイもあった。
そこからドロップショットか! みたいな。

ヒンギスは。タッチがうまくて「しこり屋」なプレイヤー。

でも、研究されてしまえばなかなか勝てなくなる。
いくらプロでも、キレてしまうこともある。
嫌になってしまうこともある。


それでも許されて、愛されたのは、ヒンギスがヒンギスだからだろうな。
天真爛漫で、人間くさくて。



超人的なグラフも好きだったけど、人間くさいヒンギスも好きだったなぁ、と思う今日この頃。

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