現在の問題点

  • DIME
    2010年05月03日 19:07 visibility135

小笠原道大とラミレスの調子が下降気味というところ、が一番の問題。
もう一つ問題を挙げるとすれば山口鉄也の処遇だろう。具体的に現在問題だと言えるのはこの2つだけと言ってしまっていいと思う。
この問題に比べれば、外国人の不調とかベテラン中継ぎ陣の崩壊とか怪我人の発生は瑣事。

いや、瑣事というのは間違いかもしれない。正確には予め想定されており、それらの条件は発生することまで予見した上でチームが組み立てられていている問題。
けれど、上記2つに関しては、若干違う。ORの不調に関しては、「対処策を講じるのが現実的に不可能に近い問題」で、山口鉄也に関しては完全に首脳陣の問題。

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まず外国人の不調に関してだが、こうなるのは全く不思議ではない。ゴンザレスもオビスポも去年が実質1年目であり、2年目が一番計算しづらいのは小学生でも知っているようなこと。
そもそもそれが想定できているからこそ、グライシンガー、ゴンザレス、クルーン、オビスポ、李承ヨプ、エドガーとあまるような駒数になるわけ。
オフ当時に「外国人枠は4枠しかないのに多すぎるのではないか」という疑念を呈している人に対しては現状が一番反証になるだろう。
まぁそういう事を言っている人に限って喉もと過ぎればなんとやらで、外国人に対する見極めや処遇が甘いのだとか言っているのだろうけれど。2年契約をするからハングリー精神が云々なんていう精神論はもはや反論することすらアホらしい。そんな論理に納得するような人には基本的に何を言ってもせん無い。
怪我(クルーン)はある程度避けられないし、2年目の選手(ゴンザレス、オビスポ)が調子が今ひとつあがらないのは別に外国人に限った話ではない。もちろん1年目(エドガー)はふたを開けてみないとなんともいえない。
もし今年の外国人選手に関して言えば、グライシンガーの手術のタイミング。契約上そうなっていたのだろうと推察はされるが、去年のオフに手術していないだなんて何の為にシーズン終わる前に離脱させたのか理解に苦しむ。
早い時期に手術していれば来季(つまり今シーズン)に余裕を持って望めるから、早めに離脱させたんだと私は思っていたのだが。そんな条件を示した以上、やはり球団としては早期の手術を強く勧めることは出来なかったのか、と感じる。ただもちろん契約上強行はできなかったんだろうとは思うけれど。

ベテラン中継ぎ陣に関しては、全滅のおそれがあるのは十分予測の範囲内って私なら思う。
そもそもベテラン中継ぎという立場に属する選手は急激な下降線を描く可能性が高い。これはもしかしたらベテランに限らず中継ぎ全般に言えることかもしれないけれど。どちらかと言えば豊田清なんて例外の部類に属すると思う。
「当たれば嬉しい」ぐらいのつもりでベテラン中継ぎ陣に関しては積み上げていたはず。それは「戦力として計算はしづらい」ということの裏返しでもある。
かといって、若手への過渡期にある今、先発枠をベテランにまわすのもあまり得策ではない。ベテラン選手で1軍の戦力層を厚くしようとすれば、中継ぎから考えていく方が望ましい。
ただし、私はこう思うのだが、そう考えると山口鉄也の先発転向と言うのは解せない。「登板過多だったから」というのが首脳陣より理由としてあげられているが、それはおかしい。
そもそも登板とは首脳陣の主体的選択による結果である以上「勝ち越していない限り登板させない」などのように徹底的にルールに従えば登板過多を避ける事は100%可能である。登板過多になるぐらいならば当番過少になることを選べばいい、昨年の藤川のように。
藤川を壊さない事を最優先に考えればチーム事情によってあぁなることを織り込みさえすればいい。明らかに藤川は一時のそこの状態からは抜けているように見えるし、それには登板過多の解消が全く影響が無いはずはないだろう。

怪我人は発生するものだ。松本哲也は彼の特性上「ガラス」である可能性は高いし、それは個人の資質の問題でなくてアスリートタイプの選手に関しては「スポーツの進化」に伴った人間の体の悲鳴であることは陸上競技等を見れば推察される。イチローみたいなのが変。赤星にしろ鈴木尚にしろそっちのほうが主流派。
内海哲也や亀井義行の怪我は野球をやっている以上は避け切れない。

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で、小笠原道大とラミレスに関しては、どうしようもない。彼らとは心中するしかない。そのリスクは承知の上で、甘んじて受け入れているのがチーム戦略なのだから。
巨大戦力と言われているけれど、けっして「十全な戦力」ではない。
具体的に十全な戦力と言えるのは、野手で言えば「球界最高の●塁手がレギュラーにいて、球界2番目の●塁手が控えにいることが全てのポジションで達成されている」状態が最低ラインだと個人的には考えるけれど、戦力獲得が自由競争ではなく、ドラフト・FAなど制限が非常に多い中でこなさなければいけない事である以上、非現実的。
そこで「補強策」という限りある資源を効果的に使う為には、ある程度危険を承知の上でリスクを選んでいくしかない。
保険を思い浮かべてもらえるとわかりやすいのかもしれないが、予め支払うことの出来る保険料の上限が決まっているとすれば、分散させるほど保険は薄くなっていき、集中させるほど保険は厚くなっていく。
そしてプロ野球においては中途半端な保険は全部足きりされて0点になるって事も珍しくない。保険を分散させることそのものがリスクになる可能性がある。

そのような視点で考えると、現場レベルでなくて編成レベルにおいても金本を頂点とする「離脱しない選手」というものに価値がある事が説明できるのではないかと思う。
個人的には、「金本がいることによって他の選手も出場する重要性を認識することになり、みんな頑張りました、だから強くなりました」みたいな根性論はキライだし正しいとも思わない。
彼のような選手が1名いるだけで、編成レベルにおいても「レフトの控え」というリスクを予めはずして他に余力を回すことが出来るようになり、チームに良い効果を与える、というのであれば個人的には納得せざるをえない。
もちろんそういう選手がいることの有用性を首脳陣・編成が認識すれば、多少調子の波があろうとも、肉体・体力的に出場可能な選手であればできる限り出場させ続ける方が得策と気付くのも想定される。結果的に出場し続ける選手も増えるだろう。
出場し続けるかどうかっていうのは、最終的には首脳陣の主体的選択であり、毎試合毎に客観的基準に基いて数値化された評価が最も優れている選手を起用した結果として出場し続けているとかいうわけではないのだから。
連続出場している=その間ずっとそのポジションにおいてもっとも優れた選手だった、とは限らない、というのは金本をみれば同時に明らか。

で、小笠原道大にしても、ラミレスにしても巨人においては、その「離脱しない選手」であるということ。
今の「巨大戦力」とやらは彼らと心中する覚悟を決めてレフトやサード、三番と四番に関する対処をある程度目をつぶって他に資源をまわしていることによって、成り立っている。
言葉を変えれば、ことこの部分に関しては「張りぼて」である。ただ全ての中身をつめておくことが出来ない以上、そこを張りぼてにすることは理にかなっているのでしょうがない。
今の巨人は小笠原とラミレスに関しては、代用が利かないという前提で成り立っている。そうなっている以上、この両名がずっと調子が上がらないままというのが一番の問題点となってしまわざるをえない。


そしてこの問題が解決されない限りは、負け続けたとしても巨人はどうしようもないのだ、どうにかできるのは当人達だけ。

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