開幕3連戦の感想
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DIME
2009年04月07日 23:23 visibility137
今更ですか、そうですか。いや、ストリーム放送でしか確認していないものでして。
ええっと、初戦は前回書いたのでおいておくとして、2,3戦目も全く問題ないと思います。
むかーしに書いたと思いますが、勝ち試合担当の中継ぎ(含抑え)というのは、戦略的に決められるべきものであって、それがもしダメだったとすれば戦略的なミスなんですよね。で、開幕前までの結果を見る限り、M・中村やクルーンではダメだと判定するべきだとは思わない。
で、戦術的なレベルで言えば、勝ち試合担当の中継ぎが失敗するというのは織り込み済の範囲であって、それが全く無いほうがおかしいのですから。
もうちょっとわかりやすく言えば、勝ち試合担当の中継ぎは事前に誰を起用するかを決めておいて、それにしたがって起用されるべきだという意味です。
もしそれで失敗が続くとすれば、それは「その選手を起用した」事が問題なのではなくて「その選手を起用すると決めた」事が問題。そして、そこに問題があったかどうかに関しては1試合の失敗なんぞで判断できようもありません、という話。
キャンプ・オープン戦を見ている限りでは二人を勝ち試合担当の中継ぎにすえるって結論を見出したことに問題があったとは思いません。
まず、守備陣(私の場合これはほぼ投手とイコールです)の組み立ては中継ぎから考えます。で、第一段階として中継ぎがあるという前提でここを除外すると、それ以外の部分での目的は、その中継ぎを登板するところまで持ち込むこと。
で、2,3戦目に関しては、巨人の勝ちパターンに持ち込めた、これで十分勝利と同じ価値があります。最後のピースだけが問題だっただけで他のピースには問題なし。
他のピースはそういう試合を数多く作ることが目的であって、数多く作ったそれらの試合の中で1割前後が勝ち試合担当の中継ぎによって負け試合になってしまうことは、平均以上の優れた中継ぎ陣を構築していたとしても避け切れないエラーなんですから。
そんな条件下の試合が偶然2試合重なった、と判断するのが妥当です。
まぁ問題点を挙げるとすれば、投手陣ではなく、野手陣の問題。得点が取れていないようではね。特に3戦目はクルーンで負けたんじゃなくて打者で負けた。
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この開幕3連戦に関しては、「どんな優れた先発であっても必ず発生する失敗」で初戦を落として、「優れた中継ぎであっても必ず発生する失敗」で2,3戦目を落とした、という可能性が非常に高い。
このまま、グライシンガー、M・中村、クルーンのそれぞれが失敗を続けるようであれば、そうでない可能性が出てくるわけですけど、これは現時点では全く判断できません。
で、それ以外に「失敗」した部分が無いんですね。強いてあげれば4点以上あげられていない打線がもうひとつの「失敗」。でも上記にあげた1つずつの失敗以外での失点よりは得点を挙げられているわけですから、最低限の仕事は出来てる。
本当は「1ミス」があるぐらいなら勝てる、ぐらいが安心できるチーム力だと思うのですけれど、今年の巨人はけっして強いわけではないので、1ミスがあると勝てるか勝てないかぎりぎりになって当然でしょう。
で、発生した「1ミス」はそれぞれ長いシーズンを考えれば、発生してもしょうがないミスです。これを無理にゼロにする必要はありません。
失敗した3人も本来の実力を発揮してくれれば、ミスが無いほうが多いまま推移するわけですから、同じような展開で今度は勝てます。
ミスが3つも4つも重なるような形で負けてるなら困りますし、発生することを想定していないミスによって負けるなら困るんですけどね、この3連戦のミスはいずれも全く困りません、現時点では。
3人の誰かがずっとダメ、だったとしても、それを開幕前までに見抜けなかったことこそが問題の本質であって、「この試合に登板させるべきではなかった」というミクロの戦術論的批判は結果論に過ぎず的外れです。
3連戦、間違ったことはほぼしていません。ただしい駒の運用をして、それらの駒が潜在的に抱えているエラーがそれぞれ発生しただけ。これを続けていれば普通に勝てます。だから開幕3連戦を見る限りで言えば、「安心した」っていうのが一番感想としてはふさわしいと思います。
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亀井は良くやっています。本来なら、「全くヒットが打てずに悩む」ぐらいの落ち込みがあっても不思議は無いと思っていたのが、曲がりなりにもちゃんとヒットは出てますからね。
四球が選べていないのは大問題ですけれど、今の彼にあっちもこっちもしろなんていうのはまだ無理だと思いますので、「スタメン選手としては並」の打撃成績を残しているだけで、彼のこれまでの実績からすれば褒めるべきでしょう。
野手の起用に関して気になるのは、見切りが早いことです。これだけは非常にいただけません。クルーンのアレも見切りが早いわけですけど、さすがにあれはしょうがないと思いますし。
坂本勇人の見切りの速さは、ある程度他の意図も含めてるんでしょうからわかりますけれど、アルフォンゾを使わないって言うのが理解できない。今日の試合で出ましたから体調面の問題だとは思いませんし。
アルフォンゾをはずすのが正しいのか、はずさないのが正しいのか、という問題ではなく、「開幕前までにペナントレースのことを考え抜いて出した結論を安易に変更する」のが正しいか正しくないかの問題、明らかに正しくない。
いみじくもオープン戦でいろいろ問題点を洗い出して、テストを重ねた結果として開幕スタメンにアルフォンゾを持ってきたという結論を生み出しているはずです。それをたった1試合で代えるというのはどういう了見なのか全く理解できない。
たった1試合で何か致命的な問題が見つかったのだとすれば、それまでのオープン戦で何を見ていたという話になるし、致命的な問題は発生していなかったけれどやっぱり使えないと思ったのだとすればそれは開幕前時点で判断しておくべきことでありやはりおかしい。
キャンプからオープン戦までチェックを続けてきて長期的な視野で一度出した問題への結論を、たったの1試合で簡単にひっくり返すというスタンスだったとすれば、その戦略性には大いに疑問を持たざるを得ません。
今日の試合にしても李承ヨプは確かに悪かったけれど、見切りをつけるに早すぎる、同じ投手と2回打席に立っただけ。それで何を判断できるというのか。
グライシンガーを中5日で投入するっていう報道にしてもそう、何をそんなに急ぐ必要がある。たった2つの負けぐらいで目先を狂わせてるとでもいうの。
去年までの原監督はこんな「焦り」の見える采配はしてこなかった。拙速よりも巧遅を尊んでいた。
確率の揺らぎに左右されることが非常に大きい野球においては、よりサンプル数を増やすことで、正確な数値を見極めようとする巧遅のほうが正しいと私は考えています。
もしこれらの活動が、原監督の意図が「拙速」に傾いている兆候だとすれば、クルーンやM・中村の失敗などよりよっぽど危険な問題点です。
今の巨人を見ていて、私はここが一番怖い。今年の巨人はそもそも「我慢して起用、テスト」が例年よりも必要な年、若手選手の振るい落としが必要な年。
正しい振るい落としをするには、十分なサンプル数を与えてできるだけ現実に近い数字を見極めようとする努力が不可欠、そんな年に、拙速に走っているようでは、長期的展望がぐちゃぐちゃになってしまいます。
裏にどういう意図があるのかわかりませんけれど、現時点で見る限りでは予断を許しません。
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- 事務局に通報しました。
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