巨人現有戦力評価 2008 Ver.1 内野手編

  • DIME
    2008年02月21日 16:27 visibility180

遅くなりました、内野手編です。
内容は基本的に2/1時点のつもりで書いていますが、これだけ空いてしまうとその間にあった情報がプラスされている可能性も有ります、ご容赦ください。

■内野手■

○右打:7名
 ・坂本勇人 (20)
 ・寺内崇幸 (25)
 ・岩舘学 (27)
 ・小田嶋正邦 (29)
 ・二岡智宏 (32)
 ・大道典嘉 (39)
 ・(外)ゴンザレス (29)


○左打:8名
 ・(R)藤村大介 (19)
 ・円谷英俊 (24)
 ・脇谷亮太 (27)
 ・古城茂幸 (32)
 ・小坂誠 (35)
 ・小笠原道大 (35)
 ・木村拓也 (36)
 ・(外)李承ヨプ (32)

●異動
離脱
 ・吉川元浩
 ・十川孝富

加入
 ・藤村大介

備考
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巨人の木村、大道は内野手に=プロ野球
セ・リーグは7日、巨人の木村拓也、大道典嘉両選手の登録が外野手から内野手に変更になったと発表した。同球団から届け出があった。
2008/02/07-18:43 時事通信
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備考の関係で名簿上はベテランが増えたことになりますが、実質的な扱いにはほとんど変化が無いのでその影響はここでは無視します。

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おさらいしますと、昨年の9/21時点(つまり高校生ドラフト前)での日記(巨人現有戦力評価 2007 Ver.L 内野手&外野手)では現在の状況を以下のように記しました。
ちょっと長いんですが、抜粋します。

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今年の巨人では外野手登録ですが実質的には内野手だった木村拓也を含めて14名の日本人野手が含まれています。
このうち6名が30歳以上でしかも、1軍での出場実績があるのはそこに属する野手がほとんどを占め、例外は脇谷亮太1名と、1軍だけを見れば昨年の実情からほとんど変化がありません。
しかし2軍ではこの年ドラフトで取った内野手3名のすべてが主力として出場し、うち2名が規定打席を大きく越えるなど、大きな若返りに成功しています。1年目の成果としては十分及第点と言えるでしょう。
しかし、今後30歳以上の選手がどんどん年齢的な限界を迎えていく中、昨年ドラフトで入った3名だけでは将来性は心もとない状態です。この3名がチーム内でのろくな競争も無く1軍のポジションを得る事が無いようにまだまだ有望な若手を数多く獲得して競わせたいところです。
特にポジションで言えば1・3塁手において本来そこにあるべき“大砲”タイプの選手が2軍では欠け、打力では今1つのユーティリティタイプが補っているのが現状です。追加すべき内野手は守備力よりも打力のある選手が求められます。
またもう1つの問題として、主力野手が固定されている1軍と、若手が起用されている2軍、この合間の部分が薄くなっています。今年に限っていえば小笠原道大、李承ヨプ、二岡智宏ら1軍主力はほぼ欠けることがありませんでしたが、来シーズンもそれが期待できるとは限りません。かといってようやく2年目に入る2軍若手選手にその穴埋めを期待するのもまだ早すぎます、強打の1・3塁手にいたっては穴埋めする選手すらほとんど居ないのが実情です。
これらの部分はドラフトで即戦力級をもってあてがうという方策を取るのは実質的には難しいので、トレード、新外国人などでの補強が望まれます。
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異動の欄に書いたとおり、新たに入ったのは高校生ドラフトで指名した藤村大介のみ(中井大介に関しては後述)、トレードや新外国人での補強がまったく無かったのは大きな不安材料です。
外国人枠を考えれば新外国人選手の獲得をしなかったことは理解できますが、できればトレードは(多少損をしてでも)成立させて欲しかったです、こればかりは相手さんのいる事なので不手際だと責める理由にはなりえないのですが。
そういう状況ですから、1軍だけに限定して見る限りではその構成は2007年シーズンとほとんど変わりは無いと思います。
問題点も上記に書いた時点からほとんど変化はありません、若返りをはからなければならないこと。レギュラーと控えの間に大きな格差があること。1・3塁手として必要なだけの高い攻撃力を有した選手の絶対数が少ないこと。この3つです。

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で、ひとまず問題点は置いておいて、本題である戦力評価から。

内野手の1軍枠全体28人のうち7名が基本的な編成でしょう。以下では7名として考えます。
現在の内野手を能力順に分類していくと以下のようになると言うのが私の見立てです。とりあえず個別の選手の怪我は考慮しません。

●レギュラー
 ・二岡智宏
 ・小笠原道大
 ・李承ヨプ
●準レギュラー
 ・脇谷亮太
 ・木村拓也
●控え
 ・古城茂幸
 ・小田嶋正邦
-----------ここまで7名-------------
 ・ゴンザレス
 ・小坂誠
 ・大道典嘉
●1軍半
 ・坂本勇人
 ・寺内崇幸
 ・岩舘学
 ・円谷英俊
●2軍
 ・(R)藤村大介

現状では、二岡、小笠原、小坂の復帰時期が見えないので何ともいえませんが、これまでの実績を見る限りは上記の順番になると思います、あくまでもキャンプ前時点での評価です。
とはいってもキャンプの映像をまったくといっていいほど見ていないので、キャンプでどうなっているかと聞かれていても、判断するだけのモノを私は持っていないとしかいえないのですが。
あと本当はゴンザレスは小田嶋の上に置きたいのですけれど、外国人選手枠の関係から下におかざるを得ないと判断しました、ここだけ能力以外の要素を含んでいます。

戦力としてはレギュラーに関してはなんら問題は無いと思います。
まず3人共に言えることですが、チーム全体で見たときに、彼らが主に守備をしていた結果としての昨シーズンのチーム総失点数はリーグで最も低かった、これは事実です。
ミクロで見たときに、彼らの守備力は決して高いものだとはいえませんが、最終的な結果として失点は低いのです、この現状から守備を理由にして彼らに問題を見出す必要があるとは思えません。
で、攻撃力について触れていきます。
李承ヨプは昨年はあまり良い成績だったとはいえませんが、それでもリーグ全体の一塁手としては平均的な成績です。どうも去年の結果からよろしくない評判が世間では見受けられますが、私はそれには賛成できません。昨年の不調に関しては明確な理由(=怪我)があったので能力ではなくそこの問題の可能性が高いです。
その対処(手術)がしっかり行われ、原因が排除されたのですから、個人的にはあまり心配していないというか、2006年シーズン程とはいいませんが、一塁手に足る結果は十分に期待できると思っています。
二岡智宏ですが、遊撃手としては十分な成績を安定して発揮しています、一塁手や三塁手と比べれば絶対的な数値は高いとはいえませんが、遊撃手としては苦言を呈するところはまったく無いと思います。
小笠原道大ですが、去年の成績は三塁手としてだけでなく全体の中で見ても十分に満足すべき結果です。個人的には小笠原ならばもう少し上積みが望めるはずだとは思いますけれどね。

控えには、代打、守備固め、代走など一芸を持った選手が配されています。去年からこの辺りは非常にバランスが良かった(日記:現有戦力評価2007 交流戦前終了時点 )です、特に問題は無いでしょう。
できれば、小坂、古城あたりが担っていた役割(守備固め兼代走)を若手(寺内、円谷等)が奪ってくれれば言うことは無いのですけど。
ただし、控え選手としての能力には十分なものがあるのですが、レギュラーとして考えると見劣りします、特に攻撃能力において非常に見劣りします。

現在の内野手の状況は基本的には問題のない陣容が整えられています。しかしながら、攻撃力のある選手が多くなく、攻撃力のある選手が複数名離脱することになると非常に危険な状態に陥ることになるでしょう。

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で、引き続いて問題点について。
まず1つ目の問題、若返りをはからなければならないこと、ですが現実的にはやることがありません、特に1軍では何もすることは無いといってもいいぐらいです。若手の伸びと離脱者の程度次第ですね。
「若返りを図らなければいけない→じゃあ若い選手を起用する」、というのはあまりに短絡的かつ無責任かつ無意味な行動です。
その若い選手に十分な能力が伴っていなければその起用はいたずらにチームの戦力をさげ、勝利の可能性を低める行為でしかありません。
十分な能力が伴っていないにもかかわらず「若い」だけで起用するのであれば、その意思選択に優れた首脳陣など必要ありません、年齢と言う数字とその意味がわかりさえすれば幼稚園児で十分です、年齢だけで起用を決めるのは馬鹿げています。
もちろん“我慢して使う”という時期も選手の成長には必要である(不可欠だとは思いません)という主張には賛同しますが、その前の段階でやはり能力の見極めがあるべきです。
“我慢して使う”のは“我慢して使いたい”だけの水準に達した選手にのみ与えられるべき特権であり、そこにまで達していない、つまり十分な能力が伴っていないうちからそれを行うことには賛同できません。
具体的にその水準に達しているレベルであると私が考えるラインは、短期間でもいいからレギュラーにある選手より明らかに高い結果を残すこと、です。その考えからすれば少なくとも内野においては“我慢して使う”べき選手は今のところまだいません。

そしてこの若返りについて、もっとも重要で効果的な対策はとにかく若手の頭数を用意することです、確率が低いなら試行回数を増やす、成功の基本原則です。この点において、現状はまだまだ満足できるだけの水準に達していません。
ただし、ではそれにどう対応できるかと言えば、ドラフトで、という話になってきます。やはり現時点でできる事は特にありません。

今までの1軍の選手がしっかりそこにあること、その選手を追いやるだけの潜在能力を持った若手をしっかり確保すること。それができたら、後は先入観無く選手の能力の大小を判断するだけです。
レギュラー選手に比肩するとなって初めて、若手をレギュラーとして起用すればいいのです。
それは今でもできていますし、その他に何かする(具体的にいえばチームで一番になっていないにもかかわらず若手を抜擢するとか)のは間違いです。

巨人は2005年までの5年間ほどのドラフトが投手偏重でした、“若い”新戦力の獲得はそのドラフトがほとんどを占めます(残りは外国人)。
その修正が図られたのは2006年のドラフトから、シーズンでいえば作シーズンからです。
かの野村監督をして“花が咲く”のは3年目だと評されるぐらいです、事実上の2年目となる今の巨人が1軍レベルでできる“若返り”の活動は高が知れています。その活動の主は2軍での活動が占めることとなるでしょう。
06年にちょっと多いかな?と危惧するぐらい坂本勇人、円谷英俊、寺内崇幸と獲り、3人ともに長期の離脱も無く2軍である程度の成績を残してくれました。それに応えて今年も彼らに機会をあげなければならないと考えれば、ドラフト、特に大社で即戦力となるような選手を取れませんでしたが、あまり問題は無いと思います。今年の大社は野手が不作でしたしね。

繰り返しになりますが、若返りを図るためにできることは、ただ若手のレベルをあげること、そして高いところまで伸びない限り、レギュラーが堅牢なる障壁として立ちふさがりそこに活躍する余地は無いのだと示しておくことだけです。
あとは若手の実力次第。

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そして2つ目、レギュラーと控えの間に大きな格差があること、です。
現状、内野のレギュラーといえるのは3名、一塁の李承ヨプ、三塁の小笠原道大、遊撃の二岡智宏です。
3人ともオフに手術をしましたが、一番長引きそうだった李承ヨプが既に調子を戻していますし、3人とも手術による影響は少ないと思います。
もしかしたら二岡、小笠原は開幕以後にまでずれ込む可能性もありますが、去年の二岡がそうだったように、開幕試合だってただの1試合でしかなく、多少の無理をして戦列に戻ることよりもシーズンを通して大きな離脱が無い方がチームにとって望ましいことです。
そういう意味からは怪我の中身も痛みが再発する・故障が再発する類のものではないですから、あまり問題は無いでしょう。
彼ら3人については、ただ自分の能力を発揮して普通に野球をやってくれれば、十分満足すべき結果が得られると思います。

問題は、彼らが戦列を抜けた場合です。特にサード、小笠原が抜けた場合に攻撃面においてその穴を埋める選択肢が現状では見当たりません。これはチーム全体で見ても今年の最大のウィークポイントとなると思われます。
ここを埋められるのであれば、多少のマイナスであってもトレードをする価値はあったと思うのですが、如何せん相手がいなかった、元々“打てる”サードはNPB全体で見ても不足しがち(ほとんどの球団がレギュラーはいても2番手以降=トレード候補がいない)です。
その中で可能性がありそうな相手として昨シーズンオフにソフトバンクの名前を挙げました(日記:なんでオリックスは金銭だったのかな。)が、そこも小久保が手術ってことで消え(頭一つ抜けたレギュラーが欠け、実績の乏しい選手ばかりとなれば多少余ってでも数を確保して可能性を見出したいでしょう)ました。
結局は、相手が見つけられなかったのでしょう。新井を取りにいくっていうのも人的補償さえなければアリでしたけど、控えを充実するために29番目の選手を取られるのでは明らかに割に合わない。
もちろんトレード可能な期間が終わったわけではありませんのでまだ手は尽くしておいて欲しいと思いますが(実弾は右腕投手が望ましい)、なかなか難しいと思います。


具体的に話をしていくと、仮に小笠原が抜けた場合、選択肢としては小田嶋をあてがうか、二岡を回すか、本来はサードとしては小粒すぎる選手(古城、脇谷、木村拓、円谷、寺内等々)で我慢するか。どれにしても微妙です。
まず、小田嶋は選択肢として大丈夫なのか。これは去年2軍でほぼ三塁手としての出場が無い事も考えるとあまり期待していい選択ではないようです。
現実的には二岡を回してということになりますが、彼は遊撃手であってこそ高い攻撃能力を有している選手だと言えるのであって、三塁手としてはごくごく平凡な選手に過ぎません。
そしてそもそも仮に二岡を回したとして、その遊撃に入るのは上にあげた“小粒な”選手たち、打線全体でみれば「二岡+小粒」なのは変わらず、サードに小粒をあてがっていることと攻撃力だけでみれば変わりありません、もちろん守備の点からはある程度の改善はあるでしょうが。
結局次の話題にも繋がってくるのですが、“三塁手らしい”三塁手がいません(小田嶋ぐらい)、伸び悩んでるとかまだまだ早いとか言う以前に選手がいない事が問題です。

その他の一塁と遊撃、ここは三塁に比べればまだマシです。
まず遊撃ですが、そもそも攻撃力から見たときに遊撃手と言うのは一・三塁手ほど高い数字を出す選手が多いポジションではありません。
二岡とそれ以外の選手を比較したとき絶対的な攻撃力の低下は避けられないでしょうが、野手全体の平均的な攻撃力を発揮してもらえれば相対的には他チームと比べて劣ると言う結果を招くことはそうないですから。寺内、古城、坂本、誰かしらそれは達成可能だと思います。
次に一塁ですが、こちらは三塁と比較したときに、守ることのできる選手の絶対数が多いという利点があります。
大道、梅田は三塁は無理でも一塁は可能ですし、小田嶋もできることなら三塁は避けておきたいぐらいの選手でしょう、ゴンザレスもキャンプ中の紅白戦で一塁に入っていたようです。誰かを試していれば、誰か1人ぐらい当たる可能性があるでしょう。
もちろん、小笠原をファーストに戻すという選択肢もあるのですが、これは結果的に上記の三塁の層の薄さを露呈することにかなりませんので望ましい選択とは言えません。

何処のポジションにしろ離脱者が出てしまったら、攻撃能力が大きく低下することは免れません。
ですので、一番の対策としては、できるだけレギュラー選手には疲れを溜めさせない事を考えた、積極的な選手交替が求められます。
ただこれは原監督は特に第二次政権下では外野からの無責任な批判に惑わされること無く行っていますので大丈夫でしょう。

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で、上記と微妙に被ってくるのですが3つ目の問題、1・3塁手として必要なだけの高い攻撃力を有した選手の絶対数が少ないこと、です。短期的に今シーズンだけを見たウィークポイントが2番目なら、長期的に見たウィークポイントはここです。
そしてこの問題についてはその解決手段として坂本をコンバートする事があってはならないと言うことは以前から何度も示している通りです(日記:巨人現有戦力評価 2007 Ver.L 内野手&外野手)、坂本以外の選択肢で埋めていかないといけません。
で、その選択肢として現時点で見受けられるのは、田中大二郎の一塁手、そして中井大介の三塁手です、これは非常に良い選択だと思います。

先に断っておきますが、以下では育成選手ではあるものの例外的に隠善智也も構想の中に入れて書きます。
2007年シーズンの2軍の状況を見ると、平均的に予想される結果以上に新人が良かったので新人に機会を与えなければなりませんでした。
結果として外野にポジション3つしかないのに、使わなければならない選手が何人もおりローテーションで起用していたように見受けられます。具体的に言えば、既存の亀井義行、梅田浩、三浦貴に、新人で田中大二郎、松本哲也、隠善智也。小関・清水あたりにも調整の機会として多少割かなければ行けません。
で、そこから減ったのが小関と三浦ぐらいなんですが、それに対して加治前と中井が入ってきた、新人は蓋を開けてみないとわかりませんが、昨年の傾向からして体さえ続けば結果はある程度無視して起用する可能性が高いです、となるとむしろますます機会が足りない。
だったら、複数ポジションをやれるようにと考えて、内野に回してみると言うのも1つの選択肢として十分に妥当性があるでしょう。

で、ここで問題となってくるのが左投の選手の存在です、説明は省きますが(その手のサイトに行けば丁寧な説明があるでしょう)、プロ野球で、一塁手以外の内野手に左投を配置する事は少なくとも現代ではもうないでしょう(まったく無いわけでもなく、昔に一度記録されているとか何とか読んだ覚えがあります、二塁手だったかな、まぁその辺もその手のサイトで)。
で、困ったことに、松本、隠善、田中、これ全部左投げです、大きく困るような問題でもないんですが松本や隠善は、選手のタイプとして一塁手ではないですから、彼らはもう外野に固定するしかありません、選択肢としてはボツ。
同じ事情から、一塁手としてはちょっと長打力にかけるかもしれませんが、田中大二郎は内野手やるなら一塁手するしかない。というか高校までは一塁手で、一塁手にはもったいないぐらいの守備センスだとドラフト系雑誌などで評されていたのも見た覚えがありますし、これは既定路線(去年は守備を覚えるために外野手としての出場を優先させただけ)でしょう。

なので、去年時点までのメンバーでは三塁手をやらせてみようかと言う選手が居ない。じゃあ新人の誰かに三塁手をさせてみればどうだろうか、って考えれば中井大介という選択は最善の一手でしょう。
去年の最終の戦力評価でもスケールの大きな右打ちの内野手が欲しいと書きました。が、全体的に当てはまるような選手が乏しかった事もあり、結果的にそういう選手は獲れませんでした。
しょうがないので、来年のドラフトで是が非でも取らないといけないなぁと安易に考えを止めちゃって、中井の三塁手という発想はありませんでした、バカですねぇ私も。
言われてみればそれも十分アリ、半分投手だった高卒野手を野手として育てていくなら何も外野だけが選択肢ではないのに、報道で外野手一本でとか書かれているのに惑わされてしまいました。
同じ成功するなら、今のチーム事情を考えるなら、外野手として成功してもらうよりも三塁手で成功してもらうほうが面白い、むしろ内野手として頑張ってもらう方が良いかもしれません。

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まとめると、全体的に見て今年は「世代交代への“準備”のシーズン」ということになるでしょう。「世代交代のシーズン」はもう2、3年先です。
レギュラーが欠けた時にそれをカバーできる可能性がとても低く、かといってそのカバーできるだけの選手を育成するにはもう1・2年は最低でも欲しい。
あくまでまだ“準備段階”であって一足飛びに無茶な世代交代を図ろうとすれば、本来その時期にこなすべき出場・育成の機会を与えられない事になり、育成不順を招きかねません。
世代交代を図るのは早くて来シーズン、できればその次ぐらいまで今のレギュラーがそのポジションの選手として要求される水準を維持しておいて欲しいし、維持させなければ、そこで若手を起用したとしてもまだ伸びが足りておらず戦力低下は免れないと思います。

具体的にいえば、たとえば坂本勇人が今ちょっと目立っていますが、レギュラーとして起用しないのであれば、1軍ベンチに入れておくよりも2軍で出場させておいた方が長期的に見れば望ましいということです。もし仮にベンチ入りメンバーとして誰かが欲しいのであれば寺内や円谷の起用を優先するべきでしょう。
1軍の練習に参加し、1軍の生活サイクルで活動する事はもちろん非常に良い影響を与えるでしょうが、まだまだ2年目までの選手はそれよりも長い練習時間(1軍は移動があるため練習時間はそう長くは取れず結果的に基礎練習などの時間が煽りを受けます)や、多くの試合で得る影響の方がまずは先だろうと思います。
そこが出来てからでも、というよりそこが出来た後のほうが、1軍帯同でもたらされる影響もより効果的に受け止めることが出来ると思います。

全体的に見て、まだ1軍と2軍を噛み合せるには早いです、上と下にはまだ大きな差があり、そこを無理矢理噛み合せようとしても齟齬が出ることにしかならないと思います。
今年の目標としては、下のほうはできれば来シーズンには噛み合せられる“中間層”に一人でも多く押し上げること。上のほうは、“張りぼて”の選手層に問題が出ないように、破けないよう破かれないよう、慎重に動くことです。

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