間違い探しじゃありませんよ

まずはとにもかくにも、中日ドラゴンズ優勝おめでとうございます。正直に言えばするべくして優勝した感じがします。

今の中日のようなチームが優勝するのは、野球界全体にとってもいいことです。やっぱり優勝するチームって言うのはあぁいうものでなければならないでしょう。うまく言葉であらわしにくいですけど、「硬派」なチームといいますか非常に基本に忠実な戦い方を出来るチームです。

この中日の強さによって「いかに負け試合を作るか」の重要性などどうも日本では軽視されがちな部分が見直されるといいのですけど、まぁ難しいでしょうね。どーせ日本のマスコミや自称スポーツジャーナリストはまた見当違いの発言を繰り返すのでしょう。

あとは阪神ですね、パリーグが佳境に入っていた頃には既にセリーグでは大事なところで阪神が中日３タテくらったこともあり、ほぼ決まりだろうという空気が流れていたのを良くぞここまで頑張ったものと思います。

まぁほとんどはマスコミが踊っているだけで実際中日の優勝が危ないかなと私が思ったことは一度もありませんでしたが、少なくともマスコミが自作自演で盛り上がるためぐらいには近くなったのは事実だし、最後の追い上げは見事でした。終盤に勝ち続けられるのはほんとうに戦力のあるチームの証です。

さてさて、私ここで日記を書くようになってからも特に巨人の試合については語ってきませんでした。

理由は「意味がない」からです。野球というのは戦力差があってもそれがそのまま勝利に結びつく可能性が低いスポーツです、私の知る限りではもっとも低いと思います。３試合に１試合以上まけるチームが１位となる競技なのですから。

そのことは、つまり１つの試合で負けた理由・勝った理由を突き詰めても、選手や首脳陣の個々の行動や能力以上に「運」や「流れ」など純粋な能力以外の要素の方が１つの勝ち負けには大きく作用するということを示しています。

そういう要素をできるだけ排除するためには、試合数（＝試行回数）をこなすことで要素を平均化する事です。だからプロ野球は試合数が多いし、多くなければならないのです。

なので私は１試合という「ミクロ」を見ていてもチームの本当の強さや問題は見えてこないと思います、だからあまり語りません。もしミクロから見るならばもっとミクロな１打席、或いは１選手個人を語ったほうがいいと思います。

その上で今日の試合を語るのであれば、中日は３番と４番だけで打線はもっています。だから２人の前を抑えてしまえば１１回表のようになりますし、その前を出せば１２回表のようになる、それだけです。ただそれがわかってるからこそ落合監督は１人でも前に出せば送りバントをして無理矢理この２人に回そうとするわけです。単純な戦術ですが単純だからこそ相手にとっては難しい戦術です。

だからそういう意味では谷繁にヒットを打たれたとき、そして岩瀬にバントをさせなかったときに勝負は決まりました、本来ならあそこで犠打併殺か走者交換を狙わなければなりませんでした。どうしても井端までで終わらせるためにはあそこで岩瀬三振は下策でした。

んで日記の題名ですが、某SNSの某コミュの書き込みを見ていて思うことです。

チームは同じ戦力・中心選手を持っているわけでもないですし、本拠地球場の特徴も違います。全てのチームが同じ戦略をとれば勝てるわけじゃありません、そんなことはプロ野球の歴史をひもとけば誰でもわかること、優勝するチームの防御率・得点数・失点数・出塁率・打率、似たようなチームを見つけることすら困難ですし似たようなチームが優勝してなかったりすることが見つかったりします。

今の巨人と中日や阪神とを2枚の絵のように見比べて、ここが違う・あれが違う、生え抜き首脳陣はダメ、FA使うな、若手が少ない、えとせとら・えとせとら。そんなもの言い連ねても何の意味もありませんよ、もちろんそれが正鵠を射ることもありますが、それはちゃんと他にそれが正しい指摘であるだけの理由があるからにすぎません。違っている以外のその理由を突き詰めた方が建設的です。

野球.には「正解」と呼ぶべきチームの形がありません、というか正確に言えば無数にあります、勝つことにまだ絶対的な解法のないスポーツです。今年結果を残せたチームと同じ方向性の「正解」を目指してもそれがチーム事情に向いていない「正解」であればそれはそのチームにとっての「正解」ではありません。あくまで他チームの正解はそのチームだけの正解です。

もちろん巨人だけじゃなく他のチームにも言えることです。これからオフシーズンに入ります、多くのファンの人も自分のチームに対して一家言述べたいこともでてくるでしょう。でもそれが単純な「間違い探し」にならないようにしましょう、と自戒も込めて。