【NPB】 育成ドラフト 巨人実力行使
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DIME
2006年11月21日 16:45 visibility136
巨人は現在の70人枠について反対しています。
そのため、それを有名無実化する意図からある程度育成ドラフトで大量指名してくるとは思っていましたが、4名前後だろうと思っていたので正直これだけの徹底振りは予想外でした。
この育成枠の拡大はプロ野球界だけでなく日本の野球界全体のことを見据えたすばらしい挑戦だと思います。中継を見ていて感動しました。
この中から成功するかとかいう問題ではありません。学生から先の野球選手の受け皿が少なくなっている中で少しでも可能性のある選手にプロの受け皿を拡げようとするこの方針は他球団も見習うべきであると思いますし将来的にはプロ野球全体にこの拡大志向が広がって欲しいと思います。
よく2軍を見に行く私としても70人枠の撤廃(或いは人数変更)は賛成なんです。正直70人って言うのは微妙すぎます。
野手にとっては怪我人が多く出てしまったら2チーム作り上げるにも苦労する人数で2軍で本来違うポジションを(ex.内野→外野 捕手→内野)守ったりすることも大体どのチームで毎年発生する出来事だったりします。
逆に現在の人数では投手と捕手の育成にとっては2チームじゃ試合数が絶対的に足りてません。
2軍だけでは今のところ約100試合、900イニングしかありません。だいたい2軍にいる投手は20名前後なので1人当たり45イニングしかないことになります。もちろんそれじゃ全然足りないので結果的に投げさせてもらえる投手をもらえない投手が出てきて、この結果もっと試すことが出来ればっていう投手がどのチームからも毎年戦力外になるのが実情。
捕手にすればもっと少ない、1軍ではだいたい捕手は固定するのが強いチームへの近道であるので残りの選手を100試合の2軍で育成しなければならない、絶対無理です、足りません。
もし2チームでやるならもうちょっと70名より減らすべきだし、減らすぐらいなら今よりもうちょっと増やして3軍制にするのがもっともいいと思っています。
例えば数年前にオリックスが行っていた「契約金ゼロ選手」作戦、この場合は逆手にとって実際の人数を70名以下に絞った上であまったところに今でいう育成選手を入れたことになります。
このオリックスの作戦は成功者がほとんどいなかった事もあり、あまり良い評価はされていませんが、70人枠の上記のような実情を鑑みれば現実的で正しいやり方だったと私は評価しています。
今回の巨人の場合は70人では中途半端なのでそこから追加しようということです。この2つは一見似ているようだが全然違っています、ここをわかっていて欲しい。
ただ巨人がこれをやったというのが気になります。他球団、例えば広島あたりがこれをやれば褒められるのでしょうが、巨人がやったとなると何も考えずにとにかく巨人がやることなすこと全て批判するのが正しいと思ってる可哀想な人が多すぎるので、「可能性の低い選手に無理矢理夢みさせて」なんて批判になりそうな気がします。
そうじゃあないんですよ。これは「野球界全体の裾野拡大を目指した活動」というのが正確な解釈なんです。
選手からすれば学生期間が終わった後にその夢を追いかけることの出来る人数が制限されている(=社会人の野球チームが減少している)なかで、そもそも夢を追いかける権利を持てる人数が増えることは喜ばしいこと。
ここがオリックスのやった70人枠内での「契約金ゼロ選手」と決定的に違ってくる部分です、ここの大きな違いを認識して欲しい。
もともと支配下枠ドラフトで指名される選手ほどの可能性はないけれど、それに次ぐぐらいの可能性のある選手たちを指名しているのです、それを忘れないで欲しい、彼らはこれまで社会人野球でプロ指名ぎりぎりぐらいといわれていた選手のレベル程度なので、彼らにそもそも可能性の高さを求めるのはズレています。
彼らがプロに進むことによってそれだけ社会人で野球を出来る選手が増えるし、結果としてその中からまた夢を追いかけられる選手が増える。「70人枠を超えたこと」がこの巨人による大量指名のポイントなんです。
これはプロアマの境目が動いてプロの枠がちょっと広がるような出来事なのです。もともと1軍で活躍できる選手になれる確率からすればあまり高くない人がアマ扱いだったかプロ扱いとなるかの違いってことなんです。
これは日本野球界全体にとって見れば絶対に間違った流れではないと思います。なぜならプロとアマの枠というのはプロが増えた分アマが減らなければならないものじゃない、プロが増えたことはアマ枠の減少には直接的な影響があるといえるだけの理由はありません。
もちろんこのぐらいのレベルの選手を新たに抱えるのは球団にとって考えれば1名あたり年間数百〜数千万円の費用負担の増加になるのは間違いないでしょう。 しかももともと社会人でも抱えてくれていたようなレベルの選手、単純に考えれば損にしかなりません。
だけど社会人野球の裾野が狭まってきてしまっている現在、プロ野球球団としてこれ以上野球界全体が小さくなってしまわぬように頑張る・野球界全体のためと思って投資するのは大事なことではないでしょうか。
こういうお金の使い方もできるのが黒字を出している“金満球団”であることの誇りだし金満球団であることの強み。巨人はお金を稼ぐ分だけ球界全体に対しての還元も行おうと努力していることを示しているのです。
巨人のことについては基本的に「批判するのは自由だし、したければすればいいじゃん、踊らされてるバカだと見抜かれてることに気づかないかわいそうな人」と思ってる私ですがこの流れだけは安易な巨人批判のなかに埋没させて欲しくありません。
なぜならこればっかりは巨人じゃなくて球界全体のためになることだから。巨人の為のことなら巨人の批判で埋没するのは巨人の責任の範囲内、巨人が自分でまいた種だから別にかまわないんだけどね。
この70人枠を超えた選手育成の流れ、もっともっと広がっていって欲しいと思う。
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育成ドラフトの指名を下に書いておきます。参考にどうぞ。
育成ドラフト
参加球団は全てじゃなくて6球団の参加です。
参加球団:楽天・広島・巨人・ヤクルト・ソフトバンク・中日
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1巡目
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楽天
金森久朋 投手 西多摩クラブ
広島
山中達也 投手 丸亀城西高校
巨人
鈴木誠 投手 JR東日本
ヤクルト
伊藤秀範 投手 香川OG
ソフトバンク
山田大樹 投手 つくば英高校
中日
選択終了 → 欲しかった選手を取られたのだろう、たぶん香川の伊藤
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2巡目
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ソフトバンク
選択終了
ヤクルト
選択終了
巨人
下山学 外野手 青森大
広島
選択終了
楽天
中村真人 外野手 シダックス
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3巡目
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楽天
選択終了
巨人
松本哲也 外野手 専修大
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4巡目
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巨人
隠善智也 内野手 広島国際大
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5巡目
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巨人
芦沢明 内野手 前シダックス
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6巡目
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巨人
作田啓一 外野手 苫小牧駒沢大
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7巡目
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巨人
大抜亮祐 投手 中京高
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8巡目
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巨人
選択終了
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