南和彰の件

今後の日本球界の中で、これから増えていって欲しい事例です。

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ＢＣリーグから初Ｕターン！ロッテが元・巨人の南を獲得へ
ロッテが、元巨人で現在、独立リーグのＢＣリーグ・石川に在籍する南和彰投手（２７）の獲得に動いていることが２４日、明らかになった。
南は最速１５２キロの速球とスライダーを武器にする本格派。巨人を０６年オフに戦力外になり、０７年には米独立リーグに参戦した。巨人時代に泣かされた制球難を克服し、今季石川では、１５勝で最多勝。リーグ断トツの１９完投をマークするなどスタミナも十分だ。
昨年もロッテのテストを受験したが、編成の関係上、獲得が見送られた。今年に入ってもマークは続けられ、球団関係者は「プロを経験しているだけあって、投球がうまい。１４０キロでも速く見せるすべを知っている」と、成長ぶりに高い評価。速球派はチームに不足しているだけに、即戦力として期待値は高い。
０２年には日本ハムが元西武で、当時サンワード貿易に所属していた渡辺孝男捕手を獲得したケースがあるが、出戻りはそれ以来のこと。独立リーグ経由での移籍は、初めてのケースになる。選手にとっては新たな選択肢が増え、球界の底辺拡大を訴えているバレンタイン監督の考え方にも合致する。
南はＢＣリーグ選抜の一員として、２６、２７日に千葉で行われるロッテ２軍との練習試合に参加し、２６日は５回、９回と変則的に登板する予定。バレンタイン監督の視察も検討されており、救援の適性も含め、獲得へ最終的な判断を下すことになる。
◆南　和彰（みなみ・かずあき）１９８１年８月２７日、兵庫・加西市生まれ。２７歳。神港学園を経て、福井工大では１年春から出場し、リーグ２４連勝を含む通算３２勝４敗。０３年のドラフト８巡目で巨人に入団。０４年に１軍で２試合に登板した（勝敗なし）のみで、０６年オフに戦力外通告。０７年は独立リーグのカルガリー・バイパーズに所属していた。１８４センチ、９３キロ。右投右打。家族は妻。

（2008年10月25日06時04分  スポーツ報知）
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彼に関してはここで日記を書き始めた頃に巨人を戦力外になった投手で、当時の来季契約予想でも触れました。当時記載した内容を後ろに張っておきます。
その後、報道にもあるとおりアメリカに行って、昨シーズントライアウトを受けて結果は良かったみたいなんですけど、声はかからず、今年はBCリーグでやっていた、ってことぐらいは把握してました。

報道されないだけで戦力外になった選手には海外へ再起の場を求める者が少なくありません。結局それはなぜだろうかといえば、国内で再起をはかろうにもはかれないからです。
現在の制度において、一度戦力外になった選手がプロ野球を再度目指そうとしたとき、他の選手と比べて有利な点が１つあります、それがドラフトを経なくてすむと言うことです。ってこう書いていて違ったらかっこわるいんですが、ドラフト関連の規約を見る限りでは指名対象選手にはならないはずです。
ところが、アマ復帰してしまうと当然ですがそのメリットはなくなっちゃいます。今までの日本球界ではそのメリットを残しながら野球を続ける方法が国内にはなかった、それどころかつい最近までアマ復帰にも障害があったぐらいです。だから高いレベルで野球を続ける為には海外に場を求めざるを得無かったのが実情でした。プロとアマに不必要な軋轢があるのが結局悪いのですけど。
そういう日本球界で受け切れてなかった選手たち。その受け皿としての活動は独立リーグに求められる役割の一つだと私はずっと思っています。これも相当昔の日記になりますけど（山本賢寿という投手。）、当時の言葉を引用すると、「１年目からしっかり評価して切るなら切る。そして切られた選手は下部リーグ（独立リーグなど）で再度チャンスをうかがう。」という形のほうが球団にとっても選手にとっても健全でありますし、野球界全体の活性化にもつながる（＝その分支配下枠が空き、多くの選手の入団につながる）し、見込みのない選手であっても数年間は年俸を払う実情は経営的に無駄金ですから良くはないと思います。ってところです。
もし仮に南がそのまま巨人にずっと居続けていたとしても、今のように70人枠レベルにまで再浮上していたのかもしれません、少なくともドラフト指名されるっていうことはそれだけの素質はあったはずだと思います。
でも、だったら最初から長い目で見ればいいじゃないかとは思いません。それは解決策の一つではあるにしても、それがあまり良い選択だとは思えないからです。
上記にも引用した理由ですが、言い換えれば結局それでは70人枠というサイズを超えてプロ球界が拡大発展する余地がありません。必ず７０×１２＝８４０人のスケールから拡大していかないんです。
育成選手という手段もこのスケールを超える手段の一つですが、ドラフトを経ずに補強できる選手が独立リーグに存在するのも同じような手段になりえます。
そう考えると、この動きはもう一段進んで、シーズン中に戦力を補充したい時に新外国人しか選択肢がない状況を変えてくれるようになることを期待します。シーズン中に例えば、投手の頭数がどう考えても足りないなんて時に、独立リーグから誰か投手はいないだろうかとなっていって欲しい。
今シーズン、育成選手は新しい選択肢としてその役割を大きく増やして、日本人選手だけで５名（隠善、梶本、中村、内村、吉川）を輩出しましたけど、独立リーグにいるドラフト指名経験ありの選手もそれぐらい増えていって欲しいものですね。
その為には、戦力外になった選手が独立リーグという活動先をたくさん選ぶことが必要です。その為には独立リーグが選手にとって魅力的な選択肢であるようにならなければいけません、期待したいですね。
独立リーグが本格的に日本球界の中に発生してから数年、まだまだ経営状況は苦しい者と思いますが、ポジションは確実に得始めているのかなと思います。

STATSに関しては、BCリーグのそれをどう評価して良いものかが判断できかねるところなのですが一応、奪三振率が7.02、与四死球率が1.45、WHIPが0.90です。
リーグ全体の数値が奪三振率5.50、与四死球率3.38、WHIP1.29となっていて全体に投高打低の傾向が見受けられます。まだリーグが発展途上ということで比較的良い選手を集めやすい投手の力が野手に比べ高くなっているのでしょう。
逆に全体の奪三振率は低いので、奪三振率7.02といえど、傑出度で考えれば悪くはない成績だといって良いと思います。
尚、被本塁打率に関してはリーグ全体での被本塁打率が0.25なので、これは参考にならないでしょう。本塁打打てる選手の絶対数が少ないものと思われます。
昔の記憶なのでどこまで確かだったか覚えがないんですが、南に関してはよく言えば完成度の高い投手、悪く言えば、小さくまとまってしまっていた投手って印象を感じていました。
STATS見ると与四死球率が悪かったんですが、それほどコントロールが悪いというイメージはなかったかな、ただコースねらわないと打たれてしまう→狙いすぎてストライクが入らないという悪循環だったんじゃなかったでしょうか。
だったとすれば今年の成績は単純に相手のレベルが低かったからこそ通用しただけであって、明らかに数段上になるNPBの野手を相手に同じ事がどれだけできるのかわからない、っていう可能性は否めません。
NPBの野手にも通用するような武器を何か持っているのか、そこが気掛かりです。誰であっても空振りが捕れる球が有れば、もっともっと奪三振は欲しい。

まだ確定の報ではないので（たぶんドラフトでの指名を見てからということになるのでしょう）安心はできませんけど、このままNPB復帰となって欲しいですね。

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・南和彰
04年に入団して今年が３年目、山本投手の話でも書きましたが大卒選手が一気にふるいにかけられるのがこの３年目でここを抜けるかどうかがとりあえずプロ野球選手の第一関門といえます。南投手の場合は３年間で59試合129回1/3登板で自責点82、奪三振率が4.63、与四死球率が6.05とどうも今ひとつ傑出したところを見出せないというのが非常に厳しく、特に与四死球率は悪い部類に入るでしょう。絶対的評価ではそう悪い成績を２軍で残しているわけではないのですが、むしろこの３年間で大きな変化や改善が見られない、どこか一つだけでも１軍レベルだなと思わせるような数値が見当たりません。今の実力ならば２軍レベルならばずっとやっていけるとは思いますがそれと１軍でやれるかとはまた別です。２軍の場合は目の前の試合で悪くない投球をしていてもそれが契約にいたるとは限りません。このあたりが２軍を中心に見ているファンが「悪かったわけじゃないのになんで解雇されるの」って思う原因なんですが。
（2006/9/21付）
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