【ニュース】 いろいろとつらつらと
-
DIME
2006年12月09日 11:58 visibility126
休んでる間のニュースに関していくつか振り返ってみたいと思います。
○横浜他の年俸問題
Mixiで私のページ見てる方はご存知かと思いますが、休んでる間にどうしても日記に書かんとなぁと思ったのは唯一このニュースだけでした。
↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061205-00000019-nks_fl-base
案の定というかやっぱりこれは大ニュースだなぁと考えたマスコミもあったようですが。
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20061206-OHT1T00075.htm
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200612/bt2006120612.html
またいつか詳しく触れようと思いますが、横浜球団に関しては現在の横浜市の対応のままであれば移転をちらつかせるべきじゃないかと思います。
横浜に関しては球場側ひいてはそれを所有する横浜市との契約があまりに悪すぎます。どれだけ経営努力をしてお客さんを呼ぶようにしても、その結果として上昇した収益のうちあまりに多くが球場に吸い取られてしまう契約になっています。
そんな内容ではチームを強化してお客さんを増やして収支を改善するよりも、チームが弱くなろうとも支出を減らして経営をスリム化して全体の規模を小さくすることで赤字幅を減らすことで収支を改善する方が効率的であると判断されても仕方がありません。
楽天の仙台フランチャイズのときにも思ったのですが、チームがフランチャイズを置いてくれることは大歓迎、だけど置いてくれるために血を流すことはしませんという態度がプロ野球においては非常に大きいです。
結局楽天の場合はこの球場経営において大きな譲歩を引き出すことに成功しましたが、これは「本来地方自治体が得られたはずの収益を失っているため望ましくない」という声もまだ根強くあるようです。
このあたりに日本のスポーツ文化の低さを感じずにはいられません。
○ 小笠原の契約
あそこまでしながらまだNPBのホームページにて契約締結合意が発表されていません。
何らかの意図があってまだ正式な契約は結んでいないということにしているんだろうと思います。
具体的に言えば、この合意日から起算してプロテクト選手名簿を提出しなければならないので、他球団のトレードや外国人獲得の動きをぎりぎりまで見極めたいってことでしょうかねえ。
○ 門倉獲得
とうとうフロントが動きましたね。フロントが動いた以上門倉側と現場側はもともと否はないのですからほぼ間違いなく合意するでしょう。
ただどうせ押し切られるにしてもどうしてこのタイミングまで待ったのか。たぶん最初に書いた横浜側の契約更改、ひいては経営状況の見極めに走っていたのでしょうね。
プロテクトに関しては横浜側がどう来るかはわからないので難しいところではあるけどこの1週間ほどに状況が大きく変わってきたので、今日現在ならば獲得しようという考えもまだ理解できるようになってきました。
小笠原のときに書きましたが基本的によっぽど現金に困っている球団でなければ金銭的な価値がどう考えても高い人的補償のほうが魅力的ですが、どうも現在の横浜はその「よっぽど現金に困っている球団」っぽいです。
んでこの獲得報道について最初に書いたように、この獲得が馬鹿げているのは第一に門倉があまりに安すぎるために人的補償が金銭補償に比べて高すぎる点なので逆に人的補償さえどうにかできれば別に獲得するのはやぶさかではないでしょう。
ただ人的補償をつかわないことが確定的とはいえないほど門倉の場合は差があるので、正直に言えばこの賭けは負けたときのリスクを考えるとあまりやってほしくないのだが、球団がやるとした以上はしょうがないだろう。
今年の巨人投手に関して言えば、南・伊達・佐藤・桑田・鴨志田・グローバーの6名が退団、に対して入団予定者は大社ドラフトでの4名だけ。外国人は外国人で1名は補充するのだとしても、当たり外れの見極めが難しい新外国人に走るよりも日本球界で実績のある門倉の方がまし、人的補償さえなければ外人取るよりこっちのがいい。
右腕自体が飽和状態なのが問題だが、けっして結果を残している右腕が揃っているわけではないわけで、門倉にさえチーム内競争で勝てないような投手なら数勘定に入れるのも間違っているだろう。
もちろん門倉に優先起用などの優遇措置を設けずに競争させるということが必要なわけだがこれは別に門倉いなくてもチームとしてやらなきゃいけないことなので、あとは現場の手腕次第。
話がそれてしまいますが、巨人についてFA選手によって若手が押し出されているような状況をもってFA選手獲得方針が批判されたりするけどお門違いもはなはだしい。その方針を批判するのであればもうちょっとピントのずれてない批判が必要です。
実力がちゃんと評価されてそれでもFA選手のほうが起用されるのであればそれは若手の実力不足なだけでありチームとしてみればよりよい選手が起用されているだけ、チームにそれまであった戦力よりもすぐれた戦力を獲得しているだけ。
もしそれが本当に実力を見極められずにFA選手よりすぐれた(単に実力だけでなく将来性も込みですぐれた)若手が起用されていないのだとすれば、それはFA選手を取ってくることが問題ではなく、ベテラン選手(FA含む)と若手選手の実力差がどれぐらいあったときに将来性を見越して若手を優先させなければならないかという見極めをしっかりつけられない首脳陣の問題です。 批判すべきは獲得することではなくここでしょ。
自虐的なことを書くけど、現在の巨人の若手は正直言ってFA選手に劣っていました。それは今年の若手起用とそれに伴う結果を見れば自明でしょ。むしろここ数年間FA選手が起用されていたのは選手の実力をしっかり見極めていたことが皮肉にも証明されてしまっています。
若手、特に野手に関して言えばここ数年のドラフトが投手偏重傾向にあったためにこういう状況にあるのはある意味当然なんですが。
そういう意味で言えばむしろ投手陣に関してはここ数年のドラフト傾向からすれば門倉を獲得しなくても十分なほどでなければ本来はおかしいのだけど、どうもそうなっていないのが実情。ただそれに関しても「活躍の場を与えられていない」わけではなくドラフト時点の評価通りの活躍が出来ていないだけ。あぁ虚しい
残る問題はこの獲得によってフロントにたいする現場(とOB)の発言権が強まってしまわないかというところ。っていうかたぶん強まるだろうからこっちは大問題のまま。
ここをフロントがどううまく凌いでくれるかがこれからの見所だし期待しておきたいところ。
できることならば、これをフロント側が現場側に譲歩してやったというふうに終わらせておいてくれるといいんだけどな。
○ 浦和優勝がうらやましい
浦和駅から徒歩数分のところにある浦和ロイヤルパインズホテルをたまに利用している。別に浦和に用事があるわけではなく、旅行好きというかむしろ放浪癖のある自分にとっての小旅行代わりといったところだろうか。
そういう事情から全く用事は無いけど定期的に浦和という街を眺めてきた。浦和に行くたびにレッズの看板・旗だらけだった街もますますレッズだらけでよくもまぁここまで出来るものだといつも感心している。
特にホテルへの途中にあるのが居酒屋力、テレビ中継などで「サポーターのあつまるさいたま市内の居酒屋」と紹介されているのはここ。試合のある日のお客さんはほんとにすさまじく、赤い大集団が路上にまであふれている。その勢いは増すばかり。
もともとサッカー熱の高かったこの地区にうまく溶け込んだんだなぁと眺めていて、このあたりは日本ハムと北海道の関係に近しいものを感じている。
んで何がうらやましいかというと別にそのファンの熱狂度とかではなくて、補強に対する評価である。
私はレッズファンを見てきて必ずレッズは強くなると確信していた、なぜならJリーグは人気のあるチームが強くなるようになっているからである。
断トツの人気を誇るレッズは入場料収入、関連グッズ収入などでしっかり収益を上げている、そしてその収益で他チームからいい選手を獲得している。
サッカーを詳しくは知らない私でさえ、エメルソン、三都主アレサンドロ、田中マルクス闘莉王、ワシントンなど他チームで活躍していた主力選手を日本国内とすれば高額の移籍金或いは年俸で獲得してきた事例をあげることができる。
それは正しい競争の結果ではないだろうか、収益を上げる努力をして努力の結果収益を上げているチームがその収益をつかってチームを強化してより強くなる。
「ファンが応援する」→「応援の結果として収益が生まれる」→「収益を元にチームの魅力を高める」→「魅力の高くなったチームのファンが増える」→「より多くのファンが応援する」。
これはプロスポーツとして理想的なサイクルであろう。
こういう補強をしてきたレッズというチームに対して金で買った勝利だとか生え抜きがいないとかいう批判の声はあまり見かけない。
今度は千葉の阿部選手をJリーグでは破格の4億円の移籍金で獲得しようとしている、つまり他球団に真似の出来ないほどの資金力にモノを言わせているのだがそれは批判されることではなく正しいことだと思われている。
正しいことをしているチームが正しく評価される、ここが私にはひどくうらやましい。
巨人は減っているとは言え、純粋に数字だけを見ればそれでもまだ他球団より圧倒的な動員数を持っている。巨人は別に他球団が持っていないような放映権料などだけで他球団より収益が大きいわけではない、他球団と同じ部分でも圧倒的に稼いでいる、これは純粋な経営努力の差である。
であるならばその経営努力の差によって生じた収益をつかって、より選手に対してお金を投じるのはなにもおかしなことではない。批判される謂れはまったくない。
巨人は生まれながらにして今の巨人だったわけではない、球団誕生から20年以上赤字は続いていた。
先のサイクルを見て欲しい。スタートには「ファンの応援」を置いたがこれは厳密にはスタートではない。チームが成立した時点でファンは居るわけではない。スタートはどこか「チームの魅力を高める」である。そしてこれは無料ではできない。初期投資が必要である。
球団という商品の導入期=初期投資が必要な時期において親会社は当時は「紙面・放映時間」という限りある資源を売れるニュースが他にあっても(=つまり相対的に赤字になるにしても)巨人を報道をすることで努力し、球団は選手獲得を努力し今の地位を築いた。
それに対して他球団はどうだったか、巨人の親会社である読売系列のマスコミの報道という努力に対してフリーライド(野球は相手が居なければ出来ないので、巨人を報道すれば自動的に他球団も報道される)する形のビジネスモデルを作ってそれに寄りかかる形で球団を維持してきていたのは自明だ。
その努力の差が今の巨人の権力となっていま現われているのだ。巨人に権力を集中させたのは巨人ではなく巨人のもつ力を利用するだけで自力での努力をしなかった他球団である。現在の巨人への過当な権力集中は球団側が行ってきた努力の差、流してきた血の量の多さの差としてある意味当然の帰結だ。
ところが現在多くの野球関連の報道・考えでは経営努力が足りない球団を「普通」とみなして経営努力をしている球団が「異常」となり、球団の努力の差に関わらず戦力に差が出ないような状況がまるで正しいことであるかのように扱われている。
経営努力をしていない球団に対してファンが非難するどころか、努力をしている球団を悪者にすることで自球団の努力放棄から目を逸らし「努力して抜け出るのが悪い」かのようになっている。
もし努力をしてもしなくても変化が無いような状況になれば、どの球団も努力しなくなりそれはすなわちプロ野球の崩壊と衰退につながるだろう。
もちろん巨人には批判すべき部分が多数あるし多くの問題点を抱えている。ところが現在の状況は本当に批判すべき巨人の問題点ではなく、巨人と見れば全部悪いという短絡的な思考から本来は批判すべきではない部分が槍玉に挙がっているのが現状である。
収益のある球団ほど強くなるというのはプロスポーツリーグとして健全な状態である、むしろ収益と強さが無関係であればどのチームも収益に対する努力をしなくなる、それこそがリーグ衰退の始まりとなる。
収益のある球団が収益を利益として回収するのではなく選手にたいして再投資するのはリーグ全体にとって褒められてしかるべき行動であり、それをしない球団のほうが多い、それができない球団があるからといってそれを批判するいわれなど全く持ってない。むしろそれのできない球団に対して最初は血を流してでもしなければならないと言うことのほうがリーグ発展の助けとなる。
巨人への謂れ無き批判とプロ野球界の衰退はリンクしている。前者が続く限りプロ野球は「努力が報われない状態」となって魅力を失い、プロ野球の衰退は続くだろう。
権力を持つ存在を批判したくなる、いじめたくなるのは人間の本質的な行動の1つだからしょうがないと思うが、せめて批判すべきところは他にもあるんだから謂れ“ある”批判に進化して欲しいものである。
- favorite3 visibility126
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件