2006 パ・リーグ投手について
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DIME
2006年10月04日 03:54 visibility118
基本的な情報を振り返りたいと思います。まずシーズン終了時点での支配下登録投手数は以下のとおりです。
比率は左腕の占める割合です。ただ各球団ごとの数字は1名の増減で数値が大きく違ってくるので参考程度に思っていてください。
パ:193名(右133 左60):31.1%
日: 31名(右 19 左12):38.7%
西: 32名(右 24 左 8):25.0%
ソ: 33名(右 23 左10):30.3%
ロ: 33名(右 24 左 9):27.3%
オ: 32名(右 23 左 9):28.1%
楽: 32名(右 20 左12):37.5%
次に今シーズン1軍で登板のあった投手です。
パ:133名(右91 左42):31.6%
日: 21名(右13 左 8):38.1%
西: 21名(右16 左 5):23.8%
ソ: 24名(右17 左 7):29.2%
ロ: 21名(右14 左 7):33.3%
オ: 24名(右17 左 7):29.2%
楽: 22名(右14 左 8):36.4%
1軍登板あった投手は全体の68.9%。毎年こんなもんですけど「1軍で投げた投手」の数は結構多いんですよね。もちろん133名中の多くが満足なイニング投げることなく結果としてほとんど勘定に入っていないだけで、50イニング未満が79名、同様に20未満が37名、10未満が27名もいます。
50イニング以上を投げたのが54名、1チームあたり9名換算になります。このぐらい投げると「1軍で投げた(と覚えてもらえる)投手」と言えるんじゃないでしょうか。
50イニング以上の投手をチーム別に分けるとオリが8人、日ハムが10人で残りの球団は9人となっていて、チームの勝敗結果とイニング数の多い投手の数は必ずしも一致せず、むしろチーム成績に関わらず主力投手は似通った人数になることがわかります。
各球団ごとに計算できる投手の数、調子の良い投手の数は全く違ってきますので球団ごとにこの人数には増減があってしかるべきと思ってる人が多いと思います、私もそう思っていました。しかしながら主力投手の数はほとんど変わりません。
つまりチームの戦力・能力に関わらず1シーズンを乗り切るためには9名前後の投手を主力として使用しなければならないということでしょう。
逆に言えばその9名を固めることが出来れば、ひとまずはチームとして投手陣の目処がたちますし
もし計算できる投手が9名未満であったとしてもその分主力投手の数を減らしてシーズンを戦うことはできず、主力投手の中に劣った投手を入れて戦わなければならないのだと予想されます。
この内訳は先発6名・中継ぎ3名が典型的な形となってきますが2006年のパではこの先発6名をシーズン通して守れた(=100イニング以上投げさせた)チームは全くありません。
1シーズンを6名の先発ローテを守り続けるのは、投手の調子・怪我なども考えるとどんなチームであっても非現実的で、実際は6人目以降の投手にどれだけ良い投手を持ってこれるかがカギとなってくると思われます。
【中継ぎ・抑え投手】
中継ぎ投手について見ていきたいと思います。
1シーズン通して中継ぎ・抑えとして活躍した投手を選別するために以下のような条件に当てはまる投手を選びました。通常ならイニングで区切ってもいいかと思うのですが、日本プロ野球では「ワンポイントリリーフ」がMLBにくらべて多いのでイニングで区切るとワンポイント登板の多い中継ぎ投手がこぼれてしまいますので試合数で選別しています。
・31試合以上登板
・試合当初の登板が1試合もない
条件に当てはまる投手は以下のようになっています。
パ:29名(右17 左12):41.4%
日: 5名(右 3 左 2)
西: 5名(右 3 左 2)
ソ: 5名(右 3 左 2)
ロ: 4名(右 2 左 2)
オ: 6名(右 4 左 2)
楽: 4名(右 2 左 2)
全てのチームでチーム別の左腕投手の比率が大きく違うにもかかわらず左腕2名というのは変わりません。結果として中継ぎにおける左腕比率は全体の比率と比べても10%近く上昇していることになります。
もちろん中継ぎには左腕2枚というのは投手分業制の昨今では誰でも知っている基本なのですが、2枚用意すると全体よりも比率が高くなる。それだけプロ野球全体ではまだ必要とされる数よりも左腕はまだまだ少ないといえます。
また逆に全体の比率よりも多く中継ぎに左腕を回している分、あとに述べる先発にも影響が出ています。
【先発投手】
先発投手について見ていきたいと思います。
こちらは簡単に100イニング↑の投手としました。
条件に当てはまる投手は以下のようになっています。
パ:23名(右20 左 3):13.0%
日: 3名(右 2 左 1)
西: 4名(右 4 左 0)
ソ: 4名(右 2 左 2)
ロ: 5名(右 5 左 0)
オ: 4名(右 4 左 0)
楽: 3名(右 3 左 0)
100イニング↑投手が一番多かったのはロッテの5名で優勝した日ハムは逆に3名と楽天に並んで少なかったり。今年のロッテで言えばこの5名のうち久保・渡辺俊が防御率4点台で二人で12個負け越しています。
一般的にローテは固定されている方が良いとは言われますけれどそれはあくまで固定された投手の調子がいいことが前提であり、調子の悪い投手をしっかり見極めて変えていくことも必要なのでしょう。そういう意味では今年の日ハムは多くの投手にイニングが分散される傾向にあって(40イニング台の投手10人中4人が日ハム)そのとき調子の良かった投手をうまくやりくりしていることが見て取れます。
また左右の比率で見ると中継ぎとは逆に平均と比べて大きく左腕投手の比率が下がっています。というかローテを守ったといえる左腕投手は八木(日)、和田(ソ)、杉内(ソ)のみ。八木が1年目でこれからも活躍できるか未知数だと考えるとソフトバンクの左腕の充実振りが目に付きます。
先発・中継ぎ52名のうち左腕が15名で比率は28.8%と戦力となった投手の中での左腕比率は全体の比率より若干少ない(1名の±で変わる程度)なので先発での左腕投手の比率が下がっているのは中継ぎに優先的に左腕をまわしているためだと考えられます。
昔に比べて左腕が豊富になってきたといわれますが、現在の30%という比率は1軍で満足に左腕投手を確保できる数値ではなく、結果的に先発で左腕が不足することとなっています。
先発・中継ぎ・抑えに関わらず左腕というのはこれからも各球団にとって、優先して確保したいタイプの投手でありそうです。
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- 事務局に通報しました。
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