亜細亜大学優勝
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DIME
2006年11月15日 19:19 visibility172
で今年の大学野球は幕を閉じました。
あの不祥事で二部降格して、去年の秋の入れ替え戦で一部に戻って、そして今年の秋に優勝。
正直不祥事の内容に関しては個人的には殺意すら抱きますが(あぁいう犯罪が一番キライです)、最初は5人の野球部員が逮捕されて集団での行為が疑われたけど、最終的に捜査が進む中で他の4人は偶然居合わせただけと判明し起訴され有罪判決を受けたのは実行者だけだったので、犯人に対してはまだまだ許せないですけど部に対する「監督責任」はこんなもんだったろうと思います。
とりあえずマスコミってヤツは最初だけ集団犯罪とか騒ぎ立てておいて後のことを全くフォローしないのでもし誤解している人がまだいればあれは単独犯だったってことは他の4人の名誉のためにも知っておいて欲しいです。
このこともあって、生田監督もインタビューの冒頭で改めて関係者への感謝を述べていました。泣きはしませんでしたが声に詰まる場面も何度か見られました。
試合に関しては正直いい試合ってほどでもなかったんですけどね。序盤に点数が動いたんですけど4回からは両チーム共に無失点、たんたんと試合が過ぎて行きました。特に追う早稲田側は6回あたりからずっと三者凡退だったのじゃないかと思います。
ただ亜細亜の糸数投手に関して言えば、完投する試合をそういう「凡戦」に仕立て上げるのは投手として大きな才能です。後半になるほど投球がさえているということですから。
結局この糸数投手、希望枠につぐ3巡目クラスでの指名が予想される投手として評価されているようなんですけど、その割には報道が出てこないというかどこに指名されるかがもれてこないというか。
たぶんこの優勝で評価は固まったでしょうから明日当たりはこの優勝と引っ掛けてどこか球団の名前が挙がってくるのではないかと思っています。
早稲田の宮本投手は初回は良かったのだけど、2回以降にコントロールに若干の狂いがあったように見受けられました。結局今年の秋季リーグではずっとこんな調子だったのではないかな。
具体的に言えば初回に関しては投手の生命線である打者のアウトローのコントロールが素晴らしかった。追い込んだ後にまず1球アウトローに外しておいてもう1球アウトローに今度はストライクを入れる。あのアウトローでのストライク・ボールの出し入れができればプロでも通用するのだろうけど。
2回以降はその決める方のアウトローが中に入ってきていて打たれていたように感じる。スコアつけてないのでもしかしたら実際はファーストストライクとか打たれていたりするかもしれないけど(笑)個人的な印象での話です。
後はやっぱり気になるのは亜細亜の一塁手中田亮二。写真でみればどういう選手かは一目瞭然なのですがどうも大学時代の写真が見つからなかったので高校時代の写真を。
http://www.shikoku-np.co.jp/feature/baseball/2005/spring/shikoku_tournament/profile/meitoku_gijyuku.htm
ちなみに亜細亜大学の公式野球部での名簿では170cm115kgとなっています。
こういう選手、私は非常に好き。野球の面白さというのはいわゆる「スポーツマン」っぽい人間であることを選手としての前提としないところにもあると思います。
これはサッカーやバスケットのような始終動いていなければいけないスポーツには難しい。でもアメフトや野球ではこのような選手でも受け入れられるだけの広さがある(断っておくが別に広いのがいいとか狭いのがいいとか言ってるわけじゃない、単純にスポーツとしての特性の違いにすぎません)。画一性の無さ、これも野球の楽しみの一つではないかな。
ちなみに見ている限り足はそう遅くもなかった。正直プロには彼より鈍足な選手は結構いると思う。
ただ牽制でさされたのはちょっといただけなかった。もちろん刺した宮本投手は左腕だし牽制自体がうまかったとは思うけど、ちょっと中田選手の戻り方も下手だったように思える。
ちなみに無死1塁でバントをするときにほとんどダッシュせず、1塁側に転がった打球なのに1塁ベースカバーは中田選手が戻っていました。それどころか無死2塁でのバントでも前に出ていませんでした。
って別に私はそれが悪い、ファーストをやるならそれぐらいやれるようにって言ってるわけじゃありません。それでも何とかなってしまえるのが野球だって言いたいんです。
思い切ってうちのチームのファーストはそういうファーストだからって割り切って守備シフトを敷いたり投手が積極的に守備に参加すればそれで何とかなってしまうんです、大学日本一になってしまえるんです。
どうも日本の野球ってこういうときはこうするもんだって言う「常道」が多くて、それがしっかりしているのはいいのですが、たまに手段が目的となっている例がある気がします。
最終的に無得点に抑えられればいいんです。その為にもっとも確率よく無得点に抑えられる方法というのは経験則から導かれていてそれが「常道」であるんですがそれはあくまで「最善」であり「唯一」の方法ではないんですよね。次善だろうが五善だろうが無得点にさえ抑えられれば最善の手段と結果は変わりません。
もう1つちなみにこの試合、内野席だけの開放だったが結構な数のお客さんが入っていた。たぶん1万〜2万って所だと思う。
もちろん無料ではなくて一般1300、学生800。内訳はそう学生ばかりってわけでもなくて年配の人とかも結構多い。
となってくると少なく見積もってもこの試合だけで1000万は(客単価1000円で1万人入ったと仮定)入場料収入があったことになる。このお金はいったいどこにいくのだろうか。
この辺にも現在抱えている野球界の問題が透けて見えると思う。しっかりと野球界全体で一つのピラミッド型の組織に編成できず、強力な「頭」が存在していないから各団体ごとに独立採算になってしまう。
結局、採算の取れないところでは野球が出来なくなるし、逆に人気があってお金のあるところでは余ってるはずのお金はどこかに消えていってしまっている。
本来ならばこれらは野球界全体の中での資金の回収と再配分が必要だ、野球で得られたお金は野球界の中で再投資できるようにしておかないとスポーツとして効率的な発展は望めない。
野球界以外の「団体」にその収益力を利用され寄生されているのは野球界にとってみれば望ましいことではない。っていうかむしろ寄生虫は害にしかならない。
なんだか話がだいぶそれてしまったけど、とにかく亜細亜大学、優勝おめでとうございます。
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