選手獲得に対する編成への評価。

  • DIME
    2007年11月09日 19:36 visibility91

藤田の件に関係する日記はとりあえずひとまず終わりかな。
同じようなことを何度か書いてはいたと思うんですが、主題とはしたことがない気がするので触れておきます。
タイトルのとおり、編成の主要な仕事の1つである「選手獲得」において編成をどう評価するかという点における私の考え方です。
具体例として藤田の件を出しながら考えてみます。

まず巨人における左腕の1軍枠についてです。いくつかの報道でのインタビュー等を見る限り尾花コーチは左右同数が理想的と言っていましたので1軍での左腕枠は先発3の中継ぎ2の合計5が必要最低限だと思います。
これに対して、高橋尚、内海、金刃、林、山口、深田、野口ぐらいまでの7人ですかね、深沢はまだ早いでしょう、上野はフォーム変えたので未知数、鈴木誠は最近見てないのでわかりません。
5人の枠を争うのに7人というのはちょっと少なすぎます、怪我人が出ないはずもないことを考えればますます少ない、かといって内部からの大幅な増員も期待できない(うまくいけば上野か鈴木かどっちか加わる程度)。そう考えれば「左腕を獲得すること」自体は編成として必須行動です。

次に獲得手段としては、戦力外からの補強、FA、ドラフト、新外国人、トレードとあるわけですが
 ○FAは今のところ下柳ぐらい?人的補償を考えると微妙。
 ○ドラフトは左腕への人気集中&左腕不足なので3巡目最後となる巨人は下手したら残ってない。
 ○新外国人は計算できない上にMLBでも左腕不足が顕著なのでそもそも獲得できるかさえ微妙。
 ○トレードは相手次第、左腕が欲しいという目的を達成しようとすれば足元を見られる可能性もある。
以上を考えると、戦力外の選手の中から誰かをピックアップするのが一番現実的な選択となります。
では「戦力外選手の中で左腕を選ぶとしたら誰だ?」と考えれば筆頭候補は藤田でしょう。みんなそう考えるからこそ「最大7球団が獲得の意思」 という報道もあったわけですし。

結局何が言いたいのかというと、編成の活動は「藤田だから獲得する」のではなく、「左腕を獲得する、その最善が藤田」です、この違いが大事です。
藤田が成功するか失敗するかは別として、現有戦力の状態を見て左腕を獲得するという編成の活動はそれだけで評価されてしかるべきことです。 たとえ来年藤田がダメだったとしてもそれをもってして編成の失敗と位置づけるのは間違いです。
編成は選びうるカードの最善は選べたと思います、そのカードが弱かったとしてもそれは選択可能なカード全体が弱かったのが悪いのであって、編成が悪かったわけでは有りません。もちろん、選んだカードが間違いで最善のカードが別にあったという可能性も有りますが、そうだったとしても少なくとも私もそれを見抜けなかったので批判する資格は有りません。
特に編成の評価をするに当たっては、どうしても「その選手が活躍したかどうか」だけで評価するきらいが有りますが、私はその前段階として「選手獲得を行うかどうかの判断」が大事だと考えています。
なぜ、この順番を大事にしておかないといけないかというと、同列に扱った場合、「選手をわざわざ獲得して失敗した時に、獲らない方がマシだった、だからそもそも選手を獲得しない方が良い」なんて寝言を言い出す輩が出てくるからです。
その獲得が成功か失敗かにかかわらず、獲得するかしないかで語れば「適正な獲得」を行った球団のほうが評価として高いのは当然です。
もちろん一昔前の巨人のように「必要な補強部位」をしっかり把握せずあまりにも同じポジションの選手ばかり取っているような場合は「不適正な獲得」なのでそれをそのまま評価する気は有りませんが。ただ「不適正な獲得」と「必要な獲得をしない」ならまだ前者の方がマシです、不適正だと思っていても、想定以上に離脱者が出る事も有りますし。
「適正な獲得を行ったが獲得は失敗だった球団」を「適正な獲得さえ行わない球団」よりも高く評価するためには、まず「獲得が必要か不必要か」で評価し、それを踏まえて「獲得選手の成功・失敗」で評価する必要があります。この2点を垂直な評価基準とせずに、平行な評価基準としていては正しい評価はできません。

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