久しぶりに朝日を買おうと思いました。
-
DIME
2007年11月27日 13:12 visibility91
友人の会長担当大臣さんが非常に素晴らしい日記を書いていたので、その元となるコラムとやらを探してみたんだけどどうもネット上で見当たらないので、買ってこようかと思います。
それぐらいの価値がある内容でした。もちろん朝日新聞じゃなくて会長のほう。是非読んでみてください。ちょっと言葉足らずなところもあるかと思いますが非常にいいところ突いてると思います。
別にスポーツに限った話じゃないのですが、政治とか経済においても昨今の新聞紙上の論理的思考の欠ける内容には辟易しています。
あと、「事実」と「主張」とを織り交ぜて区別がつかないようにしながら、自分たちの「主張」をさも「事実」であることのように書くことによって事実から導かれる正当性を主張の方にも引水しようとしていたりだとか。
結局は読み手側の問題ということもあろうとは思いますが、最近はその読み手の側はだいぶ気づき始めている(とネット上を見ていても思う)にも関わらず、報道関係者のみがそれに気づかずに(あるいは気づこうとせずに)旧態依然のまま。砂上の楼閣に君臨する裸の王様であることに気づいていないのかそれともそんな玉座でさえ価値があると信じているのか。
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------
そういうことで言えば、週間ベースボールも見ていて質の低さにあきれることが有ります。プロ野球改革議論或いは経営問題についても報道というよりも自分の思想信条の主張に成り下がっていますけれど、それ以前に野球を見る目が本当にあるのかと思うこともしばしば。
今年一番顕著な例で言えば、6/8の阪神対オリックス戦での審判の判定についての内容でしょうか。
状況を振り返りますと、8回裏、1点を追う阪神が無死1塁、打者の鳥谷が送りバントをしましたがこれが一塁方向への小フライになりました。この直後、鳥谷は立ち上がったオリックス捕手日高と交錯し、日高が捕球できなかったという場面です。阪神ファンの方なら覚えているかもしれないですね。
この場面に対して、週間ベースボールの最終面近くにある(もっている方は確認してみてください)編集長署名の付いたコラム「野球爽風」、ある意味雑誌の顔の1つなんですが、6/25付け同コラムで言及が有りました。
一部抜粋します。
***********************************
わかっちゃいるけど……
(前略)
そのもめた原因となったプレーを、改めてビデオで見る。(状況説明部分中略)、このプレーを谷球審はアウトと判定した。
野球規則6・06(c)では、打者がバッターボックスの外に出るか、或いは何らかの動作によって、本塁での捕手のプレイ及び捕手の守備または送球を妨害した場合。打者の反則行為であるトになるとある。
谷球審は「不利益をこうむった守備側を救済しなければいけない。接触自体が妨害だから、(打者アウトは)仕方が無いと再三言いました」と、プレーを説明したが、このときの鳥谷は、打球がファウルになったために、その場に留まっているだけで「バッターボックスの外にも出ていなければ、何らかの動作」も起こしていない。その接触も、日高が前方に数歩、足を運んだから起きたことで、鳥谷に責任があるとは到底思えない。その点においては、岡田監督の抗議の方がもっともだ、と感じてしまうのは、私だけでは無いだろう。
「あれが守備妨害やったら、糖類のときも、打者の足を踏んで投げたら、アウトになるんか!」と岡田監督は抗議したといったが、確かに今回のプレーが守備妨害というなら、捕手が1、2歩前に踏み出して送球しようとして打者に接触すると、アウトにしなければ、理屈が合わないことになる。
抗議時間が取り決めの5分を大幅に超えて16分に及んだのも、審判にもこの判定に対する“負い目、引け目”があったからではないのかと推測してしまうが、いかがだろうか。
最後は、谷球審の「何でわからんのや!」と語気を強めた言い方に切れて、岡田監督は胸を突いたということらしいが、心情的には岡田監督の方に“一票”。確かに手を出したのはいけないことだが、わかっちゃいるけど、止められないのだ。
(週間ベースボール編集長・柳本元晴) ※敬称略
***********************************
この記事を読んで「え?」と思う人はほとんどいないと思います。このあたりは野球規則においても一番難しいところだからです。
私も正直「どっかおかしく無いか?」とは思いましたが(たぶん他の媒体か何かでその場面の違う解説を見ていたからだと思います)具体的に違うと言い切るのは出来ませんでした。
気づかなければいけなかったのは、論理がおかしくなっていたところなんですけどね。何か引っかかったんですけど流してしまっていました。
たぶん、この内容を読まれてびっくりされて急遽記事を作成したのでしょう、翌週の週刊ベースボール7/2号で連載コラム「実例で見るルール教室」にてこの場面についての解説が載っていました。
***********************************
Q,
(状況説明部分につき前略) 球審が守備妨害でアウトを宣告すると、攻撃側の監督は、打者は打席内に立っていたのだから、アウトにはならないはずだ、と抗議してきました。正しい判定は?
A,
球審の宣告通りに、アウトになります。ここで適用されるのは規則7.11です。「攻撃側チームのプレーヤー、ベースコーチ、またはその他のメンバーは、打球或いは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、必要に応じて自己の占めている場所(ダッグアウト内も含む)を譲らなければならない」
この規則に反した時のペナルティとしては「守備妨害(インターフェア)を宣告し、そのプレイの対象であった打者または走者をアウトにする」とあります。
(実例説明部分につき中略)
そこで谷博球審は「接触がなければ、日高は捕れた、と判断してアウトを宣告した。阪神の岡田彰布監督から、バッターボックス内だから妨害にならないのではないかという抗議を受けたが、こればっかりは仕方ない。バッターは故意にぶつかったわけではないのは認めるが、妨害には値する」と説明しましたが、その通りなのです。
(以下略)
元日本野球規則委員 千葉功 ※敬称略
***********************************
このあたりは非常に難しいところだから間違ってしまうのは仕方がないことだと思います。
改めて文章をよく読んでみればわかると思いますが、6.06(c)には「打者がバッタースボックスの外に出るか、あるいはなんらかの動作によって、本塁での捕手のプレイ及び捕手の守備または送球を妨害した場合」にアウトになるとは書いていますが、その場合に含まれなかったらアウトにはならないとは書いていないのです。
「何らかの動作によって妨害したらアウトになる」と言う事は「アウトになるのは何らかの動作があった場合」と同義では有りません。論理の難しいところですが、順命題が真であっても逆命題は必ずしも真では有りません。
だからこの場面で6.06(c)を持ってして語るのは間違っているわけです。
ただ、間違ってしまった後に記事の内容について訂正をするなり、謝罪をするなりするのが当たり前だと思うのですがそれらをその後の紙上では(私の探し方が足りないのか)見つかりませんでした。謝罪はともかくとしても間違った内容を報道したのだから訂正は絶対に必要です。事実を誤認したままの人がいるかもしれないのですから。
にもかかわらず、訂正さえしない、少なくとも誰が見てもわかるような場所で訂正していない(本来なら翌週以降の同コラム=野球爽風において訂正を入れるべきでしょう)。
報道というものは誤報はつきものです、それを非難する気は有りませんが、誤報があった時に訂正を行わないというの私は報道の基本にかけていると思います。
またそもそも毎週記事を書いてもらっている千葉功氏が居るにもかかわらず氏にこの場面の裁定について確認も取らずに記事を書いている。記事の裏を取るという基本中の基本が出来ていればそもそもこんなミスは起きないはずです。
こういうのがどうしても目に付いてしまうから週刊ベースボールはどうも読み続かないんですよね。
こちらに移ってきてからは近くに図書館があってそこが同紙を入れてくれているのでそこで読んで必要な部分だけコピーして保存すればよくなったので読んでいますけど、やっぱり自分で買う気はあまり起きません。
プロ野球に関連する雑誌というのは驚くほど少ないのであれを読まないと情報収集に困るのも事実なんですけどね。
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------
ちなみにこれに似たもので野球規則7.09(j)原注というものがあります。
「捕手が打球を処理しようとしているときに、捕手と一塁へ向かう打者走者とが接触した場合は、守備妨害も走塁妨害もなかったものとみなされて、何も宣告されない。打球を処理しようとしている野手による走塁妨害は、非常に悪質で乱暴な場合にだけ宣告されるべきである。たとえば、打球を処理しようとしているからといって、走者を故意につまずかせるようなことをすれば、オブストラクションが宣告される。」
これもまた、実際に阪神が関係していたので覚えていらっしゃる方が多いかもしれません。
6/17の阪神対ロッテ戦で、今度は阪神が守備の時に捕手の矢野とバントしたサブローとが接触したために矢野が取れずに結局バントが成立したという場面です。
ほんの1週間ほど後にこれですから今度もまた岡田監督が守備妨害のはずだと言い出すのはわかります、そりゃそうでしょう、同じ場面に見えますから。でも違うんですよね。
簡単に言えばこの場合、「打者走者」ですのでまた違った話になりますってことです。ここだけ例外事項として原注が入っているんですね。
まぁほんとこのあたりは非常に難しくて、実際に野球規則を読み直さないと私もわからない部分なので抗議したりとか間違った解釈したりとかすること事態はしょうがないと思うんですが、ミスがあったならミスだったと書いて欲しいですよね。
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------
それぐらいの価値がある内容でした。もちろん朝日新聞じゃなくて会長のほう。是非読んでみてください。ちょっと言葉足らずなところもあるかと思いますが非常にいいところ突いてると思います。
別にスポーツに限った話じゃないのですが、政治とか経済においても昨今の新聞紙上の論理的思考の欠ける内容には辟易しています。
あと、「事実」と「主張」とを織り交ぜて区別がつかないようにしながら、自分たちの「主張」をさも「事実」であることのように書くことによって事実から導かれる正当性を主張の方にも引水しようとしていたりだとか。
結局は読み手側の問題ということもあろうとは思いますが、最近はその読み手の側はだいぶ気づき始めている(とネット上を見ていても思う)にも関わらず、報道関係者のみがそれに気づかずに(あるいは気づこうとせずに)旧態依然のまま。砂上の楼閣に君臨する裸の王様であることに気づいていないのかそれともそんな玉座でさえ価値があると信じているのか。
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------
そういうことで言えば、週間ベースボールも見ていて質の低さにあきれることが有ります。プロ野球改革議論或いは経営問題についても報道というよりも自分の思想信条の主張に成り下がっていますけれど、それ以前に野球を見る目が本当にあるのかと思うこともしばしば。
今年一番顕著な例で言えば、6/8の阪神対オリックス戦での審判の判定についての内容でしょうか。
状況を振り返りますと、8回裏、1点を追う阪神が無死1塁、打者の鳥谷が送りバントをしましたがこれが一塁方向への小フライになりました。この直後、鳥谷は立ち上がったオリックス捕手日高と交錯し、日高が捕球できなかったという場面です。阪神ファンの方なら覚えているかもしれないですね。
この場面に対して、週間ベースボールの最終面近くにある(もっている方は確認してみてください)編集長署名の付いたコラム「野球爽風」、ある意味雑誌の顔の1つなんですが、6/25付け同コラムで言及が有りました。
一部抜粋します。
***********************************
わかっちゃいるけど……
(前略)
そのもめた原因となったプレーを、改めてビデオで見る。(状況説明部分中略)、このプレーを谷球審はアウトと判定した。
野球規則6・06(c)では、打者がバッターボックスの外に出るか、或いは何らかの動作によって、本塁での捕手のプレイ及び捕手の守備または送球を妨害した場合。打者の反則行為であるトになるとある。
谷球審は「不利益をこうむった守備側を救済しなければいけない。接触自体が妨害だから、(打者アウトは)仕方が無いと再三言いました」と、プレーを説明したが、このときの鳥谷は、打球がファウルになったために、その場に留まっているだけで「バッターボックスの外にも出ていなければ、何らかの動作」も起こしていない。その接触も、日高が前方に数歩、足を運んだから起きたことで、鳥谷に責任があるとは到底思えない。その点においては、岡田監督の抗議の方がもっともだ、と感じてしまうのは、私だけでは無いだろう。
「あれが守備妨害やったら、糖類のときも、打者の足を踏んで投げたら、アウトになるんか!」と岡田監督は抗議したといったが、確かに今回のプレーが守備妨害というなら、捕手が1、2歩前に踏み出して送球しようとして打者に接触すると、アウトにしなければ、理屈が合わないことになる。
抗議時間が取り決めの5分を大幅に超えて16分に及んだのも、審判にもこの判定に対する“負い目、引け目”があったからではないのかと推測してしまうが、いかがだろうか。
最後は、谷球審の「何でわからんのや!」と語気を強めた言い方に切れて、岡田監督は胸を突いたということらしいが、心情的には岡田監督の方に“一票”。確かに手を出したのはいけないことだが、わかっちゃいるけど、止められないのだ。
(週間ベースボール編集長・柳本元晴) ※敬称略
***********************************
この記事を読んで「え?」と思う人はほとんどいないと思います。このあたりは野球規則においても一番難しいところだからです。
私も正直「どっかおかしく無いか?」とは思いましたが(たぶん他の媒体か何かでその場面の違う解説を見ていたからだと思います)具体的に違うと言い切るのは出来ませんでした。
気づかなければいけなかったのは、論理がおかしくなっていたところなんですけどね。何か引っかかったんですけど流してしまっていました。
たぶん、この内容を読まれてびっくりされて急遽記事を作成したのでしょう、翌週の週刊ベースボール7/2号で連載コラム「実例で見るルール教室」にてこの場面についての解説が載っていました。
***********************************
Q,
(状況説明部分につき前略) 球審が守備妨害でアウトを宣告すると、攻撃側の監督は、打者は打席内に立っていたのだから、アウトにはならないはずだ、と抗議してきました。正しい判定は?
A,
球審の宣告通りに、アウトになります。ここで適用されるのは規則7.11です。「攻撃側チームのプレーヤー、ベースコーチ、またはその他のメンバーは、打球或いは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、必要に応じて自己の占めている場所(ダッグアウト内も含む)を譲らなければならない」
この規則に反した時のペナルティとしては「守備妨害(インターフェア)を宣告し、そのプレイの対象であった打者または走者をアウトにする」とあります。
(実例説明部分につき中略)
そこで谷博球審は「接触がなければ、日高は捕れた、と判断してアウトを宣告した。阪神の岡田彰布監督から、バッターボックス内だから妨害にならないのではないかという抗議を受けたが、こればっかりは仕方ない。バッターは故意にぶつかったわけではないのは認めるが、妨害には値する」と説明しましたが、その通りなのです。
(以下略)
元日本野球規則委員 千葉功 ※敬称略
***********************************
このあたりは非常に難しいところだから間違ってしまうのは仕方がないことだと思います。
改めて文章をよく読んでみればわかると思いますが、6.06(c)には「打者がバッタースボックスの外に出るか、あるいはなんらかの動作によって、本塁での捕手のプレイ及び捕手の守備または送球を妨害した場合」にアウトになるとは書いていますが、その場合に含まれなかったらアウトにはならないとは書いていないのです。
「何らかの動作によって妨害したらアウトになる」と言う事は「アウトになるのは何らかの動作があった場合」と同義では有りません。論理の難しいところですが、順命題が真であっても逆命題は必ずしも真では有りません。
だからこの場面で6.06(c)を持ってして語るのは間違っているわけです。
ただ、間違ってしまった後に記事の内容について訂正をするなり、謝罪をするなりするのが当たり前だと思うのですがそれらをその後の紙上では(私の探し方が足りないのか)見つかりませんでした。謝罪はともかくとしても間違った内容を報道したのだから訂正は絶対に必要です。事実を誤認したままの人がいるかもしれないのですから。
にもかかわらず、訂正さえしない、少なくとも誰が見てもわかるような場所で訂正していない(本来なら翌週以降の同コラム=野球爽風において訂正を入れるべきでしょう)。
報道というものは誤報はつきものです、それを非難する気は有りませんが、誤報があった時に訂正を行わないというの私は報道の基本にかけていると思います。
またそもそも毎週記事を書いてもらっている千葉功氏が居るにもかかわらず氏にこの場面の裁定について確認も取らずに記事を書いている。記事の裏を取るという基本中の基本が出来ていればそもそもこんなミスは起きないはずです。
こういうのがどうしても目に付いてしまうから週刊ベースボールはどうも読み続かないんですよね。
こちらに移ってきてからは近くに図書館があってそこが同紙を入れてくれているのでそこで読んで必要な部分だけコピーして保存すればよくなったので読んでいますけど、やっぱり自分で買う気はあまり起きません。
プロ野球に関連する雑誌というのは驚くほど少ないのであれを読まないと情報収集に困るのも事実なんですけどね。
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------
ちなみにこれに似たもので野球規則7.09(j)原注というものがあります。
「捕手が打球を処理しようとしているときに、捕手と一塁へ向かう打者走者とが接触した場合は、守備妨害も走塁妨害もなかったものとみなされて、何も宣告されない。打球を処理しようとしている野手による走塁妨害は、非常に悪質で乱暴な場合にだけ宣告されるべきである。たとえば、打球を処理しようとしているからといって、走者を故意につまずかせるようなことをすれば、オブストラクションが宣告される。」
これもまた、実際に阪神が関係していたので覚えていらっしゃる方が多いかもしれません。
6/17の阪神対ロッテ戦で、今度は阪神が守備の時に捕手の矢野とバントしたサブローとが接触したために矢野が取れずに結局バントが成立したという場面です。
ほんの1週間ほど後にこれですから今度もまた岡田監督が守備妨害のはずだと言い出すのはわかります、そりゃそうでしょう、同じ場面に見えますから。でも違うんですよね。
簡単に言えばこの場合、「打者走者」ですのでまた違った話になりますってことです。ここだけ例外事項として原注が入っているんですね。
まぁほんとこのあたりは非常に難しくて、実際に野球規則を読み直さないと私もわからない部分なので抗議したりとか間違った解釈したりとかすること事態はしょうがないと思うんですが、ミスがあったならミスだったと書いて欲しいですよね。
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------
- favorite10 chat4 visibility91
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件