もともと奪三振率低いのに。
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DIME
2008年07月02日 10:48 visibility696
前にみどりびさんが考察を書かれていて、その正確な内容はリンク先を確認して頂きたいのですけど、私個人の解釈で要約すると、同じ投手が先発をした場合と中継ぎをした場合、奪三振率は中継ぎ時の方が高い傾向があるっていう傾向が示されています。
何故そういう傾向を示すのかはわかりません(可能性は幾つかあげられますが主観的推測の域をでるようなものはありません)が、結果的にそうなっているという事実があります。
これを別の言い方をすると、「優れた先発よりも中継ぎの方が奪三振率が高いので、中継ぎの方が三振を奪う能力が必要“というわけではない”」って事になります。
ただし、では仮に「三振を奪う能力が低い」投手がそこにいたとして、その投手に中継ぎと先発とのどちらかをさせなければいけないのであれば、どちらをさせるかといえば私は先発だと思います。
なぜなら、中継ぎの方が奪三振率が高い傾向があるというのは、「中継ぎ登板時には先発登板時に比べて奪三振能力を上振れさせている」のだと考えることができるからです。
で、そもそもが「三振を奪う能力が低い」投手なのですから、さらに「上振れ」させる必要性が相対的に高い中継ぎと、「上振れ」させる必要性が相対的に低い先発とでしたら、私は後者の方に可能性を見出します。
そもそも中継ぎにしろ先発にしろ「三振を奪う能力」は一定以上必要でそれがなければ先発も中継ぎも務まらないとは思いますが、「三振を奪う能力が低い」事のデッドラインは、中継ぎのそれの方が先発のそれに比べて上になければおかしいです。
で、まぁ結局なんでこんなことを書いたかと言うと、以下の原監督の発言報道がちょっと気になったんで。
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巨人・原監督
「野間口はもう2か月以上、先発として投げているが、なかなか成長が見られない。先発に向いていないのかもしれない。適材適所があるのかな。空振りがほとんど取れない。打たれるかファウルかだ。もう少し工夫がほしい。ラミレスは見ての通り。素晴らしいね」
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適材適所という事でいえば、「三振が取れない」事が致命的になるのは先発ではなく中継ぎです、「空振りが取れない」という言葉がそういう意味で言っているのであれば、原監督の認識はおかしいと私は思います。
もちろん「負け試合担当」の中継ぎであれば、「先発の控え」としての位置づけですから降格させることには否やはないのですけどね。
ただ、起用法が中継ぎだったか先発だったかに関わらず、野間口貴彦という投手は奪三振率が低いという傾向は1軍でも2軍でもずっと出ています、昨シーズン最後のぽっと出のときもけっして奪三振率は高くなかった。
つまり、彼は“「三振を奪う能力が低い」投手”です、少なくとも去年までの彼はそれです。
私はそれを踏まえた上で先発を考えているんだと思っていました、それなのにこんな発言が出てくるとなると、そもそもちゃんと選手のSTATSの傾向を掴んでいるのか不安になります。
参考までにチーム平均を横に出していますが、最初にも触れたように先発と中継ぎとで傾向が違いますので、それを足し合わせたチーム平均はちょっと強引な数字です。
ただ、それを差し引いても、1軍での06、07年は中継ぎ起用が多いのですからチーム平均は超えていて欲しいですし、2軍の場合は育成途上の投手や育成途上の相手打者に引っ張られる為、使える投手は先発であっても大抵大きく上回ります、中継ぎなら言わずもがなです。
そう考えた時に、野間口のこの3年の奪三振率は高いものではないと言ってしまって問題はないと思います。
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で、もう1つ、非常に興味深い記事があったので残しておきます。
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巨人「育成ディレクター」新設…元G投手松尾氏が就任
巨人がファーム改革に乗り出した。元巨人投手で、統括部課長兼医療コンディショニング室の松尾英治氏(43)が1日、「育成ディレクター」に就任し、東京・よみうりランド内のG球場室内練習場で2軍関係者に紹介された。
新設された「育成―」は育成選手だけではなく、若手全選手を長期的に強化するのが目的。松尾ディレクターは「今はドラフトも(自由枠なしの)順番になっているし、育成にかかる部分が大きい。生え抜きで人気、実力のある選手を育成できれば」と意気込んだ。
松尾氏は1982年にドラフト外で巨人に入団。89年に現役を退いてからは、1、2軍のマネジャー、サブマネジャーを計18年務めてきた。「幸い、現場にいた人間だし、その辺は分かっているつもり」と自身の経験をフルで生かすつもり。「選手への一方通行ではなく、向こうからこっちという2方向にしたい」と選手にリポートを課す一方で、コーチにも各選手に合わせたリポート作成を依頼し「今、君はこういうポジションだよ」と伝える案も披露。現場ではコーチと選手のパイプ役として、さらには球団と現場のつなぎ役として、活躍が期待される。
同席した清武球団代表はさらに細かく説明。2軍選手を1軍に近いレベルから3班に分ける予定で「ランク分けして、けがをさせずに、Aクラスの選手は(年間)200打席を確保したい」とし、Aランク選手には優先的に2軍戦に出場させ1軍への道を開く。松尾氏は吉村2軍監督と話し合い、ランク分けや分けた選手の詳しい出場試合日程などの調整を行う。また、巨人の2軍は、育成選手11人を抱える大所帯のため、練習場のさらなる確保なども行う予定だ。
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興味深いのは、青色の部分です。内部人事は別に興味ないです。
元々、2軍では「強化指定選手」なんていう表現は良く出てきましたし、今までがランク分けをしていなかったのかといえば、全くそんなことはないと思います。
育成選手が入る前までが「強化指定」と「指定外」だったところに「育成」が加わってきたと考えれば、別に真新しいことでもありません。
ただこの記事が興味深いのは、そういう分類をしていますよって話はあまり表に出てこないんで、こうやって表に出てきた(=公的に示された)ってことそのものが興味深いんです、特に「200打席」という具体的な数字が出ているのは記憶に留めておきたいところ。
去年の起用をみても、特にルーキーに対しては結果度外視で起用しているなと思わせられましたし、今年も中井大介をはじめ、田中大二郎や松本哲也も結果が残ってなくても起用が続いていました。
ただ、去年の起用などを見ると坂本勇人、田中、円谷あたりが300打席を超えていて、その後に打席数にちょっと開きがあったので、「300打席」あたりが「トップランク」なのかなぁと私は思っていたんですが、チームの中での「トップランク」の定義はけっこう下のほうまでみなしているんだなぁとちょっと意外でした。
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- 事務局に通報しました。
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