巨人来期契約予想 投手編

  • DIME
    2007年09月21日 12:34 visibility178

どうしても、戦力分析と被ってくるところがあるので、時間がかかってしまうんですよねえ。。。投手編です。
先に断りを2つ。
○育成選手については彼らには支配下登録人数枠の外なのでここでは書きません。
○特別な断りのない限り、今年の成績については1軍が9/16現在、2軍が9/17現在となります。

去年も触れましたが現在の巨人投手陣は25歳以下の投手が多いいびつな状態です。
それどころかその状況は昨年よりむしろ進み、今年は約60%をしめています。ちなみに12球団で次いで多いのが日ハムの約40%、いかに突出しているかお判りいただけるかと思います。
ということで本来であればこの若手投手陣を間引きしなければいけません。。。いけないんですけど、どうも若手の見極めが見えてきません。
むしろ現時点では普通は足りなくなってくるはずの2軍での起用も意外とうまくやりくりされて多くの選手にチャンスが行っています。
そんなところで、どうしても人数枠が見えてきませんでした。そこで考えが留まっているわけにもいかないので、枠のことは置いといて考えていこうと思います。
・・・・いやもう今年はほんとに曲者です、全然見えないし当たる気がしない。


流動的だと思われる選手は以下のとおりです。

木村正太
酒井順也
前田幸長
野口茂樹


かなりの確率で4名以上にはなると思います、その候補です。


真田裕貴
越智大祐
栂野雅史
三木均
吉武真太郎
辻内崇伸



○現在の巨人投手陣について


前回ちらっと書きましたとおり、支配下登録投手は34名、うち4名が外国人投手で日本人投手は30名です。これまたいつもの理由でここでは日本人投手に限って考えます。
繰り返しになりますが、若手投手、特に右腕は飽和傾向にある、というか飽和していると言い切っていいと思います。
ただし、工藤公康が抜け、上原浩治が抑えに回り、外国人投手がほとんど戦力になっていないという中で、1軍イニングの約60%を30歳以下の日本人投手の登板で占めています。
といってもそのまた半分の約30%は25〜30歳の投手が占めているので25歳以下だけに限ればまだまだ物足りないですが、一定の世代交代は進んでいると見ることができるでしょう。

別の言い方をすると、それだけの人数の若手が1軍戦力になっているという事であって、その分2軍でも他の若手に結構な登板機会がもたらされている。そのあたりが枠についての考えを悩ませるところになってます。
そのあたりを具体的な選手名を挙げながら確認していきたいと思います。

まず、以下のように「100%残るに違いない」条件に当てはまる投手をあげていきます。


超若手:1年目+高卒2年目の投手
若手戦力:今年一定以上1軍登録のある投手(〜30)
ベテラン戦力:今年一定以上1軍登録のある投手(31〜)
  ※一定以上の1軍登録(目安):40イニング以上or20試合以上

超若手:5名
 ・加登脇卓真
 ・辻内崇伸
 ・深町亮介
 ・深沢和帆
 ・上野貴久
若手戦力:9名
 ・西村健太朗
 ・金刃憲人
 ・会田有志
 ・福田聡志
 ・林昌範
 ・山口鉄也
 ・内海哲也
 ・木佐貫洋
 ・久保裕也
ベテラン戦力:4名
 ・上原浩治
 ・高橋尚成
 ・野口茂樹
 ・豊田清
計18名

過去5年間、2年目で戦力外を言い渡された選手は計5名います。うち4名が投手、完全に肩を壊していて育成へ移行となった平岡政樹を除いて他3名が大社の下位指名です。
その為、ここでは2年目の「高卒まで」を超若手とし、大社の投手は除外しました。具体的には福田、栂野、越智、会田、深田が2年目の大社投手です。もちろん他の条件で拾われる場合はそちらに含めています。


上記に含まれない投手は12名です。
このうち先に書いたように2軍で十分な登板機会を与えられ、育成されている投手がいます。彼らを以下の条件で分別します。


若手育成:2軍で一定以上の登板がある投手
  ※一定以上の登板(目安):30イニング以上or20試合以上


若手育成:7
 ・東野峻
 ・深田拓也
 ・栂野雅史
 ・越智大祐
 ・野間口貴彦
 ・三木均
 ・真田裕貴


残ったのが以下の5名です。

当てはまらない選手(〜30):2名
・木村正太
・酒井順也
当てはまらない選手(31〜):3名
・吉武真太郎
・(門倉健)
・前田幸長


この5名を中心に若手育成に含んだ投手も含めて上記のメンバーを出しました。門倉は2年契約が1年残っているので除外して、データからは外れるけれども辻内、野口だけ例外的に加えています。辻内、野口を加えた理由については該当項で改めて書きます。



○当てはまらない投手(〜30)


辻内崇伸


一応名前を挙げたのは、自由契約とするのではなく、育成選手にするという可能性として、です。
多くの方がご存知のとおりトミー・ジョン手術を受けました。この手術については前に書いたこともあると思いますが現在では非常に成功率が高いものですし、今のところ順調に推移しているようです。
問題としては早くて1年以上かかるという事です。早ければ来年のシーズン終盤には復帰できるのでしょうが、もともと即戦力というよりも数年は漬け込んでというタイプだったので来年戦力になるとは思いません。

ということで可能性として、もしかしたら来年は育成選手としておいて再度支配下登録枠に戻すというやり方をやってくる可能性があります。ただそれにも問題があります。もちろん道義的な問題とか育成選手精度の理念だとかはさておいて、です
私の言う問題とは支配下→育成とする時に一度は自由契約選手として公示する必要があるという点です。
自由契約選手とするということは一度選手に対する保留権を放棄するということです。その時に他球団から育成ではなく支配下選手として契約するといわれた場合にどうなるのかという問題です。
このあたりについては育成選手制度の規約には詳しく書かれていません、たぶん想定されていないんでしょう。
中日の金本問題の時にも書きましたが、私は書かれていない事が起きた時に、ルールに定められていないやり方でそれをストップさせるのは正しい対処方法だとは思いません。
また今回の場合だと、選手や選手会側からしても育成選手制度は怪我人に利用するものではないとして、支配下登録を申し出る球団に移籍させるべきだと主張するでしょう。
以上から、万が一他球団から支配下としての契約が来た場合はさらわれていってしまう可能性も十分ある、と私は考えます。
そういう理由から育成選手にさせるにはリスクがあり、避けるべきではないかと考えます。一応そのリスクが埋められるのであれば十分検討するというか、諸手をあげてやることには賛成なので候補には加えておきます。


木村正太


公式戦での登板は5試合で7回1/3、フューチャーズ戦で(FT対巨人で巨人投手としての登板も含めて)8試合で11回2/3の登板に留まっていて、優先的に育成する投手の枠には入っていないようです。
むしろ現状は実質的に育成選手と同じ扱いをされているとみなせると思います。昨年2名の選手(実際は3名で1名拒否)したように自由契約のち育成倹約として再契約とするのではないかと思います。
去年の時点では私は東野峻よりは木村正太のほうがまだ可能性があると見ていたんですが今年は完全に逆転してしまいました、見る目がないものです(笑)。



酒井順也


どうして1年先延ばしにしたのかすら、私には良く分かりません。たぶん昨年2軍で最優秀救援を取ったことが関係したのでしょうけど、あれは当時も触れたように、2軍に限ってはセーブのかかる場面で何度も登板させておけば取れますから実際の価値はどうだか。。。
結局期待されていたものの例年と同じようにコントロール不足というか内角に投げきれない精神的な弱さを露呈、春先には登板機会を与えられていたもののそこでも同様だったため段々と登板機会が減っています。
ちょっと判断に迷う部分なのは9月になってからまた4試合ほど登板している事。普通なら最後の餞と取ればいいんでしょうけどこれまでも実績がなくても他の何かで残ってきた(と言っても私にはそれは全く理解できないのですが)酒井ですからちょっと不安。。。



○当てはまらない投手(31〜)


吉武真太郎


吉武の場合は、1軍登板は少ないものの、十分1軍戦力として来期以降も計算できる可能性があると判断し、ワンランク下げて候補選手扱いまでとしました。
詳細を振り返ると、開幕時点では1軍だったのですが、オープン戦から調子が今ひとつだったためすぐに2軍落ち、復帰は8月になってから。ここまで14試合、17回2/3を投げただけと、登板数からは1軍戦力になっているとは言い切れません。
ただし、負けてる試合のロングリリーフとしての起用が多いものの、最近の10試合では13回1/3を投げて1失点と復調傾向。また登板全般においても(イニング数が少ない中での数字ですが)与四死球率が2.04と中継ぎの中では豊田清、上原浩治に次いで低くなっています。
現状のまま負け試合でのロングリリーフとしての起用意図しか首脳陣にないのであれば、私はそういう負け試合での登板機会と言うのは若手起用をする枠に使うべきだと考えていますので、わざわざベテランの吉武を残してまでそこで登板させる必要はないでしょう。
しかし、首脳陣が何故か勝ち試合になかなか起用してこないだけで、現在の結果ならむしろ勝ち試合の中継ぎとして十分計算できると思います。
来期以降も上原が抑えをするかは未知数、豊田もどれだけ計算できるか不明、現時点ではFA・外国人もどうなるかはわかりません。その中で巨人の中では数少ない中継ぎ経験の豊富な投手としてもう1年見てみるだけの可能性はあると思います。


野口茂樹

吉武とは逆に野口に関しては、1軍登板は一定以上あるものの、その内容を考えると、来期以降1軍戦力として期待できないと判断しました。
こちらも詳細を振り返っていきます。開幕直前には2軍の試合で結果を残すなど先発候補に。他の投手との兼ね合いから6人の先発枠からは外れましたが、ロングリリーフなどの役割を期待されて開幕1軍に加わります。以後結果的には他の選手との兼ね合いもあり中継ぎとしての登板がほとんどでした。
その投球内容を見ると、これも吉武とは逆に与四死球率が7.06という数値で上記の1軍戦力とみなした投手の中で断トツの悪さです。
またこれも繰り返しですが、負け試合でのロングリリーフとしての起用しかないならばわざわざそのためにベテラン投手を残しておく必要はないと言うのが私の考えです。野口茂樹の場合、イニング数は多いもののその起用のほとんどが負け試合での起用でした。
そして今年の数字を見る限り、それ以外の起用(先発・勝ち試合の中継ぎ)は正直力不足だと思います。先発陣は内海・高橋尚・金刃に加えて深田も先発として育成されていますから余地はないでしょう。
前田・野口をいっぺんに切ってしまうと、ただでさえ少ない左腕がますます少なくなってしまうわけですが、そのマイナスを差し引いても、もう少し見極めたい若手投手の代役として結果の残らないベテランを切る要素のほうがプラスになると私は判断しました。



前田幸長


今年腕の位置を変えて生き残りを図ろうとしましたが結果的にそれが裏目に出たように思えます。これは元々キャンプごろから懸念していたとおりだったわけですが。
これまでの実績、そして2軍では少ないイニングながら、15試合16回で失点1とさすがの成績を残していることも思うと、来年にそれなりの成績をまた残せる可能性は十分あるかもしれません。
しかし、どうしても若手が飽和傾向で早急な世代交代が求められるチーム事情を考えると、今年のような左腕のワンポイントという役割は現在そうなっているように山口鉄也をはじめとした若手に委ねるべきでしょう。
オリックスの吉田の例もありますし、球団側の条件さえ整えばまだまだ働き場所はあるとは思うのですが、巨人においては球団側の事情(若手が多すぎて他に切る人がいない)がその余裕を許さないと思います。

○若手育成投手について


深田拓也・野間口貴彦・東野峻


深田拓也と野間口貴彦はそれぞれ14試合ずつ2軍で先発登板、イニングも豊富に与えられています。1軍投手との兼ね合いで1軍登板はほとんどありませんが、先発候補として考えられているでしょう。
東野峻に関しても1軍ではほとんど投げていませんが、2軍では全て中継ぎ以降の登板で26試合、30イニング投げて防御率0点台の成績を残しています。
この3名の場合は概ね、現在の戦力としてよりも育成の面からあまり登板機会を与えるこのできない1軍で待機させるのではなく2軍でしっかり投げさせようという意図があったものと思われます。
以上から彼ら3名は完全に除外します。


栂野雅史・越智大祐


この2人が曲者で予測をしづらくさせています。
まず越智大祐ですが、20試合、39イニングに登板と条件クリアがぎりぎりで、栂野雅史に関しても同じように10試合、34イニングとこちらもぎりぎり、限りなく枠外に近い存在2名です。
このように中途半端になってしまっている原因は両名とも同じで怪我により長期離脱していた時期があった為です。

ではその怪我の内容はどうなのか、ですけど、いつもなら確かめに見に行ってくれば済むんですが現状ではそういうわけにも行きません。しょうがないので復帰後の登板を確認しました。

すると越智は9/14に復帰してそこから4試合で3登板と1軍並みのペースで起用されています。もうある程度戦力外通告の予定は立っているはずですから、もし戦力外とする腹積もりならこの時期になってこんなに起用するのは道理がとおりません。
可能性としてはもしかしたら見極め不十分ということで投げさせているなんて事もあるかもしれませんけど、2軍の優勝もかかっていて、かつ1軍も大事な時期で1枚でも使える投手が欲しいわけですから、そんな事情を優先させる余裕はないと思います。

次に栂野は8月に復帰以降、中継ぎをした上で直近4試合は全て先発です。ご存知のとおりその頃からずっと1軍では先発不足に悩まされています。その解消のためには2軍から補充が欲しい、ということで先発させるなら1軍起用も見据えた先発候補でなければおかしいです。結果的に3試合続けて失点したため栂野ではなく野間口が上に行きましたが、結果次第では栂野だった可能性も十分あると思います

以上から、今年の結果だけから算出した評価順では戦力外になってもおかしくはない2名ですけど、そこより順位をあげることして、候補選手扱いとしました。



三木均


去年のフェニックスリーグから今年の前半にかけて、巨人入団以来初めてと言っていいぐらいのスランプに陥っていました。正直これまで見てきた三木均ではなかったです。
ただし中盤から終盤にかけて2軍で徐々に復帰、前半の分があって防御率とかの数値は悪いですが、直近に限れば数値ほど悪くはありません。
今年の数字だけ見れば、どうしても解雇に近い位置にあるとは思いますが、過去2年、2軍での成績で見せている与四死球率が低く奪三振率が低いという「打たせて取る」タイプの数値パターンを持つ投手は現在の巨人投手陣の編成の中では稀なタイプです。
また直近2年間のシーズンでは主に先発として2005年がリーグ5位の6勝、2006年がリーグ3位の7勝をあげている点も考えて欲しい、チームに居ない軟球派タイプの先発としてこそ彼の価値はあり、それをもう一度試してからでも遅くはないと思います。
過去3年間もっとも調子の悪かった今年で判断せずに居て欲しいという個人的希望も加味して、候補までにとどめておきます。


真田裕貴


本来なら若手育成投手の中に入っているのですが候補選手に加えました。これは後述しますがトレード候補という意味も込めてです。
今年も開幕1軍に入って、開幕当初は無失点を続けるなど調子がよったんですが、長くは続かず2軍落ち。その後は行ったりきたりを繰り返していますが結果が出ません。登板内容を見る限り、3者凡退で抑えるって事ができないんですよね、それでは首脳陣の評価が高まろうはずもありません。
1軍、2軍あわせていえる事なんですが彼の特徴として、WHIP(=安打+四球をイニングで割ったもの、1イニングあたり何人の出塁を許すかという目安)の低さの割には点を取られていると言うことがいえます。別の言い方をすれば出した走者が本塁に帰ってくる割合が高いと言うことです。
ということは走者がある場面で他の投手と比べて何らかの問題があると言うことになります。まぁたぶん精神的な部分なんだろうなぁとおもいます。
04,05年あたり、2軍での彼はいつも打たれていたような記憶があります、イップスに近い症状が出ていたんだと思います。見ている方もつらかったし本人はもっと辛かったんではないでしょうか。
そういう思い入れがある選手なので、ほんとは巨人で頑張って欲しいのですが、このままWHIPなどの結果を見る限りこのまま巨人で頑張っても改善できる可能性は低いのではないか。もしそうなら一時期楽天とかの噂もあったようにトレードというのも一つの薬ではないかという意図も込めて、候補選手に加えました。



○終わりに


単純に戦力外だけを考えて並べていくと、なかなか取捨選択が難しいなぁと思います。
直近のことで言えば、ここになって野口茂樹を再登録なんてニュース。2軍でもほとんど結果が出ていない中で2軍では実績抜群の東野峻に代えてくる、とまるっきり2軍の成績無視でこれまでの実績重視の選択、正直不可解です。
(※追記:上記のニュースは外れっぽいです)
もちろんペナントレースの終盤、ぎりぎりの選択肢の中、ベテランにかけるのも悪いとは思いませんし、先発候補が足りないのも事実ですからロングができる投手にしようというのもわからなくはありません。
ただ、それだけまだ野口茂樹という投手を首脳陣が評価しているのだなぁと思うと予測がますますしづらくなってくるんですよね。。。

一つ思うのは、真田裕貴以外にもそれ以上のランクにあげた選手でも思い切って放出して、それに見合うだけの若手野手を獲得すると言う方法も検討するべきなのかもしれません。
どうしても若手投手が飽和傾向にあるのは確かです。どれだけ良い投手が居ようとも1軍の椅子の数は変わりません。まだ実績不足、実力不足のためあまっていると言えるほど豊富な陣容ではありませんが。
しかし若手投手は年齢の若いうちにさばいた方が市場で高く売れます、数年見据えた後で売ろうとしても売れないでしょう。そのあたりのバランスを考えると今ぐらいの時期が妥当となってくるのかもしれません。

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