巨人 現有戦力評価
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DIME
2006年09月23日 01:30 visibility274
※今シーズンの数値は2006/9/20時点となります※
****最後にまとめているので読み飛ばしたい方は最後だけどうぞ****
ドラフトで指名する選手というのは選手そのものの実力で評価するのでなく、その実力評価に本人の特性(守備位置・タイプ・左右の投打)とチームの必要とする選手の特性との親和度を掛け合わせて評価すべきだと思っています。
そのためにまずドラフトに関しての日記を書く前段階として巨人の現有戦力を評価したいと思います。
って言うことで現有戦力を野手の場合はポジションで投手の場合は左右で分類し、年齢で
A:19〜25
B:26〜30
C:31
に分類します。
またFA取得選手の場合は取得した時点でひとまず戦力外と想定します。必ずしもいなくなるわけではありませんが、契約下にある選手と違って球団側が希望すれば必ず登録できるわけではないのでそれを前提とするのは余計なリスクを背負うことになります。また外国人選手もFAと同じく契約が安定しないので除外します。
■投手■
○右腕投手:20名
A:12名
・(R)加登脇卓真
・木村正太
・東野峻
・西村健太朗
・真田裕貴
・(R)栂野雅史
・(R)会田有志
・(R)福田聡志
・(R)越智大祐
・鴨志田貴司
・野間口貴彦
・三木均
B:4名
・酒井順也
・南和彰
・木佐貫洋
・久保裕也
C:4名
・上原浩治
・伊達昌司
・豊田清
・桑田真澄
○左腕投手:9名
A:4名
・(R)辻内崇伸
・林昌範
・(R)深田拓也
・内海哲也
B:1名
・佐藤宏志
C:4名
・高橋尚成
・野口茂樹
・前田幸長
・工藤公康
※過不足評価※
投手の場合は1軍選手登録枠70名の中で他ポジションとの兼ね合いで基本31〜34名、この中で外国人が3〜4名ほど入ってくるので日本人枠は27〜31名ぐらいになるのが一般的。今年の巨人の場合は29名。この枠の問題があるので左右同時に見る必要があります。
分類してみると明らかに「右腕投手A」が41%を占めて飽和状態、ウィンターリーグがなければここから大きく削られていただろうという自分の予測の理由はここにある。
もともと7名(24%)と十分にいたところに去年のドラフトで更に5名(17%)も突っ込んだのだから当然といえば当然。5名の内訳を見れば会田以外は(失礼)ドラフト時の評価が高い投手ばかりではあるものの、ちょっと考え無しとしか思えない。
1軍支配下登録の中での投手枠は一定なので、一部の多さが結局は他の部分(左腕A・Bあたり)を圧迫する結果となっている。5年後を考えたときに1軍経験のある若手左腕が内海と林となってしまうのは正直心もとない。
だからといって「右腕B」を簡単に削ると今の左腕のように年齢層の断絶が出来てしまう。酒井・南が今のところ目処が立っていない現状では数年後のベテランとして木佐貫洋と久保裕也には期待したいところ。そのためには両投手ともに配置転換をするのかそれとも今のまま続けさせるかを話し合わなければならないだろう。(実際にどっち向きなのかは結果を見なければ結局はわからない事でもあるしここでは割愛する。)
○右腕
若手を中心にドラフト上位指名クラスも下位指名クラスも数年先まで保有権も持てる若手の数がそろっており、彼らの見極めがつくまでは追加の必要性は薄い。
若手の中でも年長の木佐貫・久保・鴨志田・野間口などの見極めがつく数年後に彼らが戦力になっていないようであれば指名を検討するぐらいで十分だろう。
○左腕
内海・林・高橋尚に前田・工藤のベテランがいて1軍だけを見れば左腕は安泰のように見えるが、2軍に目を向けてみれば若手らしい若手はルーキーの2人しかいない。とりあえず結果を残している育成選手の山口は陣容に加えておきたい。
できれば何名か追加しておきたいところだが、若手右腕の整理がつくまでは「枠」が足りないので数を補充するのは諦めてその分精度の高い上位指名クラスの高評価投手に絞って補強しつつ、山口のように育成ドラフトをうまく利用したい。
■捕手■
A
・佐藤弘祐
・(R)梅田浩
・星孝典
B
・加藤健
・實松一成
・阿部慎之助
C
・村田善則
※過不足評価※
支配下登録中の外野手枠は基本8名、外国人が入ることはほぼ無いのでそのまま日本人枠8名だろう。なお原俊介は実態に即して内野手扱いとする。
捕手の場合は1軍でのポジションは2〜3であるが実際のところ主力選手1名とそれ以外との出場機会の差が非常に大きい特殊なポジション。現在の巨人では阿部慎之助が正捕手として確立されているが、怪我があり1年を通じての活躍は難しい状態、2番手以降の捕手の育成が早急に求められる。
ところが現在の阿部慎之助が打者としても主力で活躍しているため、ある程度の打力がないとチーム戦力の低下が避けられない。根本的な解決策としては他ポジションの打力を上げて相対的に捕手の比率を下げるしかないため(そのために阿部をコンバートするという案もあるが個人的には本末転倒であるとしか思えない)捕手ではいかんともしがたいところがある。
とりあえず星孝典、加藤健、實松一成と有望な若手が揃っており、他の壊滅的に若手が足りないポジションに比べれば緊急性は低い。ただ捕手というのはほぼ毎年獲得するのが決まっているようなポジションである上に、今年は大学を中心に捕手の当たり年とも言われているので、他ポジションに迷惑がかからないような位置で獲得することになるだろう。
※余談ですが梅田浩は原俊介のように半捕手半野手への道を歩みつつあるようです。
■内野手■
○右打:9名
A:0名
B:5名
・岩舘学
・大須賀允
・吉川元浩
・十川孝富
・原俊介
C:4名
・二岡智宏
・黒田哲史
・仁志敏久
・小久保裕紀
○左打:5名
A:1名
・長田昌浩
B:1名
・(R)脇谷亮太
C:3名
・古城茂幸
・川中基嗣
・小坂誠
※過不足評価※
同様に支配下登録中の内野手枠は基本16名、外国人が0〜3名入るので日本人枠は13〜17ってところ。現在の巨人では13(+原)名となっている。
この14名のうちCに入るのが7名と半数を占めながらAに入るのが1名のみ、そしてBの中では規定打席到達経験者が1名もいないと若手が壊滅状態と言える。今年ようやく脇谷亮太が出てきたものの1年目であり戦力と計算するのは難しい。
基本的に内野の1or2ポジション(1塁か3塁が多い)は外国人枠だと考えても、現有戦力だけでは数年後には2〜3ポジションの目処が立たなくなっているのは間違いない。また外国人がなかなか活躍しにくいチーム土壌もあるので、できれば全てのポジションを日本人で曲がりなりにも揃えられるようになっておきたいところ。
また時間的にも二岡智宏がFAを最短で取得する3年後までには2名以上は確保しておきたいところであり一刻の猶予もない。
タイプ別にいうとスラッガータイプの不足が目に付く。これはそういうタイプは基本的にドラフトで上位指名候補となることが多く5年連続で投手を最上位指名している巨人としては当然の帰結なのだが。
ちなみにこのあたりに外国人やFA放出される選手が多いのはスラッガータイプなのでそれらはFAで取って、ドラフトでは投手を中心に指名しようというチームの大まかな編成方針が見えている。この考え自体は別に間違っているわけではないと思うのだが、問題だったのはFA・外国人が想定よりも活躍できなかったこと。その理由は挙げていけばキリがないのだがとりあえずこの方針転換の見極めが遅れてしまったのは間違いないだろう。
○右打
二岡・小久保・仁志という長年主力級だった選手3人に数年後の契約の確実性がなく、Aは不在、Bも1軍経験1年未満と若手は実質的に0名に等しい。
大卒・社会人で脇谷のようにとりあえずの戦力となるような即戦力選手を獲得してしのぎつつ、高校生や大学生で将来にわたって1軍でスタメンをはれるような大型選手を複数名は獲得したい。
○左打
ベテラン勢が全体的に小粒ではあるものの右に強打者が多い分バランスは取れており、若手では脇谷は今年実力度外視の抜擢ではあるもののスタメンに定着、長田は2軍でも芽が出ていないものの上位指名確実だったのを下位で囲い込んだ有望選手と右打に比べればまだまし。
とはいえたった2人では絶対数に欠けているのは間違いなく、2人と競い合えるような同年代選手とそれに続く若手野手が欲しいところ。下位指名でも構わないので数名は加えておきたい。
■外野手■
○右打
A:1名
・山本光将
B:2名
・矢野謙次
・三浦貴
C:2名
・堀田一郎
・大西崇之
○左打
A:1名
・十川雄二
B:3名
・亀井義行
・鈴木尚広(両)
・斉藤宜之
C:4名
・小関竜也
・高橋由伸
・清水隆行
・木村拓也(両)
※過不足評価※
支配下登録中の外野手枠は基本12〜14名、外国人が0〜2名入るので日本人枠は10〜14ってところ。現在の巨人では13名となっている。
Aに2名、Bに5名、Cに6名と他のポジションに比べて珍しくバランスの取れている布陣となっている。現有戦力のままでも数年後に明らかにおかしくなるというほどでもない。
しかしそれは人数に限った話で、個別に選手を見ていくとAは2軍でもまだ目立った成績を残せず、Bで1軍である程度の成績を残している選手は大目にみて矢野謙次のみで、亀井・鈴木あたりは抜擢されて今シーズンも150打席以上与えられているもののその結果はレギュラーとして計算するには心もとない。彼らを育成することも大事だが、同時に育成できなかったときのことを考えて手を打っておく必要もあるだろう。
また矢野・亀井・鈴木あたりが1軍レギュラーとして大成したとしてもいずれも長距離砲とは言いがたく、外野手に長距離砲がいないのは打線全体の構成として著しくバランスを欠くことになってしまう。
現在1軍クラスの外野手の中で長距離砲と言えるのは(純粋なそれとは言いがたいが)高橋由伸ぐらいで、若手でも山本光将のみである。将来性を見越して取っておくべき若手は長距離タイプを選択しておきたい。
話が逸れるが外野手の場合はここ数年が育成の正念場といえる、矢野・三浦・亀井・鈴木の1軍半選手のうち半分でもレギュラークラスに育て上げられれば上出来だし、山本光将・十川雄二、特に山本が1軍半レベルにまで育ってくればなお良い。
○右打&○左打
左右のバランスで考えると、高橋由伸・清水隆行などベテラン勢が左打者中心なので左に偏っているようだが若手だけに限ればそこまで偏っているわけでもない。また他ポジションとの関連上外野手を上位で指名するのは難しい。なので現状では左右に関係なく能力に準じて指名したい。
とは言えプロ野球界全体の傾向として右の長距離タイプのほうが希少価値は高いのでどちらかというのであれば右打を選んでおくに越したことはない。
○○○○結論○○○○
ってことで改めて補強ポイントを簡単にあげておく。ちなみに別に普通以下になった部分で選手が要らないというわけではない、選手なんて何人いても良いわけだし、現在戦力が他球団より劣っている(=優勝できない)巨人にとって必要な部分は全てなのだが制度上全てのポジションで選手をかき集めるのも不可能。なのでこれはあくまで「相対的」な順位である。
最重要補強ポイント
・内野手(右打)
重要
・左腕投手
・内野手(左打)
普通
・外野手(右打)
・外野手(左打)
余裕アリ
・捕手
よほどの逸材以外不要
・右腕投手
どうも今年は戦力外選手は大量に出そうには無いので、ドラフト全体の枠では7名前後と思われる。
とりあえず内野(右打)で将来性の見込める選手を最低2名、できれば3名は欲しい。左腕投手は即戦力で1名は欲しい。この4名分を上位指名で優先的に確保しておきたい。
残りは他球団の指名との兼ね合いになってくるので難しいところだがポジションに関係なく野手を2〜3名、左腕投手を山口に加えてもう1名といったところだろうか。
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- 事務局に通報しました。
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