生アーセナル<3>

前半0−0。周りのアーセナルサポーターを見ていると「余裕」という雰囲気。「ウィガン相手であれば普通にプレイすれば勝てる」というような。

しかし、後半が始まってもアーセナルは思ったとおりのプレイができない。ウィガンが4−4−2で完全にスペースを消し、8番のディアッラをマークするため、なかなか波状攻撃ができない。

そうこうする内にスタジアムの雰囲気が盛り上がってくる。
「なにやってんだ」という声が(もちろん英語で)飛び交うようになる。ようやくサポーターにもエンジンがかかってきた様だ。

FAカップ、リーグカップ、CL、代表の試合もある中、38試合のHome&Awayで勝ち抜くためにはシーズンを通しての「緩急」が必要となる。また、もちろん1試合90分間の中での緩急も必要だ。このあたりの機微をベンチもサポーターもよくわかっているのである。日本全体がこのレベルに達するには何年かかるのだろう? そんなことを思ったりした。

そして80分過ぎ、相手ゴール前を左から右へ横パスを4−5本通し揺さぶる。ボールを右に振ったCBギャラスがそのままゴール前に上がる。それを見逃さずニアにセンタリングがあがり、ギャラスが見事なヘディングを決めた。2点目は相手ウィガンのまずいプレイから。スローインからのボールをウィガンのDFが空振り。途中から入ったベンドナーが3−40mドリブルで持ち上がり、相手ゴール前ペナルティエリア数m前で右から並走したロシツキーにパス。ロシツキーが見事にファーポストに当たるシュートを決めた。 結果2−0。 アーセナルの順当勝ちであった。

観客のサッカーを見る目。CBのギャラスのここぞと言う時の攻め上がり。「ピッチもスタンドもサッカーをよく知っている」。 そう感じたエミレーツスタジアムであった。 <了>

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。