想定内最悪のシナリオ

想定できる最悪のシナリオでの敗戦であった。

しかし、そのシナリオが想定できていながら、対処方法が取れなかったという点で最低の試合だったと言えよう。

前半のオーストラリアはパスをつないで来たため、スタジアムで見ていて全然怖くなかった。しかも主審からプレゼントの1点。出来がどうであろうと、日本にとって1-0で前半を終えられたのは非常によかった。

後半、あのヒディングがこのまま終わる訳はない、と思っていた(しかし前半日本のガンであるサントスのサイドを攻めてこなかったのは何故なのだろう?)。

また、勝っている時のジーコは絶対に選手交代をしないが、この暑さのなか、どこまで日本の選手が持つのか。それを考えるとさしものジーコも先手先手の選手交代をしてくるのでは、と今となっては甘い期待であったが、と考えていた。(それにしてもこの日のカイザ−スラウテルンは暑かった)

で、後半。早々に坪井が負傷退場(足がつったという話だが、現地ではひざをケガしたように見えた)。茂庭が急遽投入される。中沢が左から右のセンターバックに。茂庭が左に。この配置はFC東京のジャ−ンと同じ並びである。このあとヒディングが次々と選手を交代。日本は守勢に追い込まれ、後半15分を過ぎたあたりから攻められっぱなしになる。前半と打って変わって前線へロングパスを連発。また後半途中からはFWを3人にして日本のバックス3人と1-1の関係を終始作るようになる。これで1点でも取られたらそのままの勢いで1-2で敗れるのではないか?素人目に見ても先が読める展開だった。

松田、トゥーリオと言った高さがあり、前にも人にも強いバックを23人の中に選ばなかった日本がこのような展開になると非常に苦しい。1-0で守りきれるような選手も戦術もない。 

もうこうなったらFWに大黒か玉田を入れてウラを狙わせ、中盤にフレッシュな選手を一人、中田か中村の代わりにいれ、得意の球回しで一度試合のペースを落とさせるしかないのだが、ジーコは動かない。バックスタンドから見ていて、全くベンチに動きがないのにいらだちまくったが、どうしようもない。

そしてそれまでことごとくオーストラシアのシュートをはね返してきた川口のパンチングミスで同点に追いつかれる。でも、ジーコは動かない。

後はここに書きたくもない結末。

ジ−コには動ける時、動くべき時、動かなくてはいけない時、が最低2回あった。1-0の時、1-1の時。もちろんこの日勝つに越すことはないが、引き分けでもOKだった。そう言う意味で、1-1の時でもまだ十分日本にとって良い展開であった訳だ。そこでもこの指揮官は全く動かなかった。しかも、3点目というどうしようもない失点のオマケつきであった。

試合後、チャチャを入れてくるアホなオ−ジ−達を忍耐強く無視し、シャトルバスの乗り場までの道のり。この瞬間は一生忘れないだろう。こんなに悔しい思いはいつ以来だろう?98年のフランスの予選、国立での韓国戦の1-2での逆転負けの試合以来であろうか?

しかし、まだあきらめてはいけない。1次リーグはまだ2試合ある。しかも昨日われわれの希望どおりにブラジルがクロアチアに勝ってくれた。今週の日曜、ニュルンベルグでの試合が本当の決戦になる。そこでまた精一杯のサポートをしよう。われわれサポーターにできるのは選手を信じて、精一杯の声をあげることしかない。

フランクフルトのネットカフェにて。2006年6月14日記す。

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