辻内たち、浪花四天王の世代

一昨日の巨人とオリックスの試合で、

八回に出たT-岡田の同点本塁打に驚いた人は多かったと思う。

山口の高め147キロをかぶせるように振り抜くと打球はバックスクリーンへ。

通常、あのコースの球をバックスクリーンへ本塁打なんかできない。

引っ張ってライトスタンドにだったら分かるのですが、

恐るべき長打力、本当に驚きました。

このT-岡田はドラフト前から大変評判が良く、浪花の四天王の１人として、

将来、間違いなくモノになると言われていた逸材でした。

では他の四天王とは誰か？

ドラフトに関心のある人ならすぐに浮かぶでしょう。

2005年高校生浪花四天王

履正社高・岡田貴弘（外野手・左左）

近大付属高・鶴直人（投手・右右）

大阪桐蔭高・平田良介（外野手・右右）

大阪桐蔭高・辻内崇伸（投手・左左）

そうです。この中にわれらが辻内が入っているのです。

この4人はそれぞれドラフト1位指名を受け、各球団に入団しました。

当時高校生の当たり年と言われ、

特に左腕投手に逸材が多いと言われていました。

しかし、どうもこの年入団の高卒選手は今まで、

トップランナーというものが出てきませんでした。

なんだか低いレベルでおとなしいままだったのです。

銀仁朗が高卒ですぐ一軍でスタメンマスクをかぶり

本塁打を打ったりしましたが、一軍定着という訳にはいきませんでした。

その後、横浜の山口や広島の齊藤などが出てきましたが、

チーム事情で出てきた感じで、いかんせん地味。

次の年の高卒選手には田中将大というトップランナーがおり、

それに引っ張られるように坂本や広島の前田などが続きました。

松坂世代に変わって、確実にこの世代が次の野球界を背負って立つことでしょう。

そういった趨勢は変わらないにせよ、

その１つ前の先輩たちには意地を見せて欲しいと思っていました。

それが今年に入り、ヤクルトの村中が存在感をアピールすると、

今度はT-岡田が猛アピールです。

彼らの活躍は、きっと同期入団の他の選手たちの刺激になることでしょう。

そして、引っ張られるように活躍する選手が続くと思います。

ところで、その年に入団した高卒選手たちはどんなだったか？

野球小僧と日刊スポーツアマチュア野球の評価によると、

この年のトップ評価の選手は次の6人（◎・AA）

辻内、平田、山口、陽、片山、岡田

しかし、5年目を迎えた実際はどうだったか？

異論はあるかもしれませんがランキングも付けてみました。

2005年高校生ドラフト

巨人

1巡目：辻内崇伸（大阪桐蔭高・投手・左左）

野球小僧◎ アマチュア野球AA

→一軍登板なし

3巡目：加登脇卓真（北照高・投手・右右）

野球小僧○ アマチュア野球なし（外野手としてBA）

→一軍登板なし→自由契約（３年）

4巡目：福井優也（済美高・投手・右右）

野球小僧△ アマチュア野球C

→入団拒否

中日

1巡目：平田良介（大阪桐蔭高・外野手・右右）ランキング8位

野球小僧◎ アマチュア野球AA

→108試合　201打数53安打　2本塁打　21打点　0盗塁　打率.264

3巡目：春田剛（水戸短大付属高・外野手・左左）

野球小僧◎ アマチュア野球BA

→一軍出場なし→任意引退（2年）

4巡目：高江洲拓哉（府中工高・投手・右右）

野球小僧なし アマチュア野球なし

→一軍登板なし→自由契約（３年）

5巡目：金本明博（酒田南高・投手・右右）

野球小僧△ アマチュア野球B

→一軍登板なし→自由契約（2年）

ヤクルト

1巡目：村中恭兵（東海大甲府高・投手・左左）ランキング3位

野球小僧○ アマチュア野球AA

→39試合　218.1イニング　10勝22敗　195奪三振　防御率4.74

3巡目：川端慎吾（市和歌山商高・内野手・右左）ランキング9位

野球小僧◎ アマチュア野球BA

→113試合　175打数42安打　1本塁打　11打点　2盗塁　打率.240

4巡目：水野祐希（東邦高・捕手・右右）

野球小僧○ アマチュア野球BA

→一軍出場なし

阪神

1巡目：鶴直人（近大付属高・投手・右右）

野球小僧◎　アマチュア野球A

→7試合　17イニング　0勝1敗　10奪三振　防御率5.29

3巡目：若竹竜士（育英高・投手・右右）

野球小僧◎　アマチュア野球A

→2試合　6.1イニング　0勝1敗　4奪三振　防御率5.68

4巡目：前田大和（楠南高・内野手・右右）

野球小僧○　アマチュア野球C

→90試合　79打数16安打　0本塁打　2打点　8盗塁　打率.203

広島

1巡目：鈴木将光（遊学館高・外野手・右右）

野球小僧◎ アマチュア野球A

→一軍出場なし

2巡目：今井啓介（中越高・投手・右右）

野球小僧△ アマチュア野球C

→12試合　55.2イニング　1勝4敗　33奪三振　防御率3.72

3巡目：齊藤悠葵（福井商高・投手・左左）ランキング4位

野球小僧◎ アマチュア野球BA

→43試合　209イニング　14勝17敗　119奪三振　防御率4.26

4巡目：相澤寿聡（太田商高・投手・左左）

野球小僧○ アマチュア野球C

→1試合　2.1イニング　0勝1敗　2奪三振　防御率23.14

横浜

1巡目：山口俊（柳ケ浦高・投手・右右）ランキング1位

野球小僧◎ アマチュア野球AA

→99試合　145.2イニング　8勝14敗31セーブ　158奪三振　防御率3.65

3巡目：黒羽根利規（日大藤沢高・捕手・右右）

野球小僧なし アマチュア野球BA

→15試合　18打数2安打　0本塁打　0打点　0盗塁　打率.111

日本ハム

1巡目：陽仲壽（福岡一高・内野手・右右）ランキング7位

野球小僧◎ アマチュア野球AA

→144試合　302打数58安打　2本塁打　20打点　5盗塁　打率.192

3巡目：木下達生（東邦高・投手・右右）ランキング10位

野球小僧○ アマチュア野球A

→7試合　38.1イニング　2勝2敗　18奪三振　防御率3.52

4巡目：今成亮太（浦和学院高・捕手・右左）

野球小僧○ アマチュア野球BA

→9試合　11打数5安打　0本塁打　1打点　1盗塁　打率.455

楽天

1巡目：片山博視（報徳学園高・投手・左左）ランキング5位

野球小僧◎ アマチュア野球AA

→30試合　101.2イニング　3勝8敗　93奪三振　防御率3.10

3巡目：宇部銀次（盛岡中央高・捕手・右左）

野球小僧△ アマチュア野球C

→一軍出場なし

4巡目：枡田慎太郎（智弁学園高・外野手・右左）

野球小僧○ アマチュア野球BA

→7試合　18打数5安打　0本塁打　2打点　0盗塁　打率.278

ソフトバンク

1巡目：荒川雄太（日大高・捕手・右右）

野球小僧なし アマチュア野球C

→一軍出場なし

3巡目：大西正樹（神戸国際大付属高・投手・左左）

野球小僧なし アマチュア野球C

→一軍登板なし

4巡目：大田原隆太（都城高・投手・左左）

野球小僧○ アマチュア野球BA

→一軍登板なし

5巡目：川口容資（楊志館高・投手・右右）

野球小僧△ アマチュア野球C

→一軍登板なし→巨人→一軍登板なし→自由契約（３年）

西武

1巡目：炭谷銀仁朗（平安高・捕手・右右）ランキング2位

野球小僧◎ アマチュア野球A

→240試合　521打数101安打　7本塁打　51打点　1盗塁　打率.194

3巡目：田沢由哉（旭川大高・投手・右右）

野球小僧○ アマチュア野球B

→一軍登板なし

4巡目：田中靖洋（加賀高・投手・右右）

野球小僧○ アマチュア野球B

→5試合　6.1イニング　0勝1敗　3奪三振　防御率9.95

ロッテ

1巡目：柳田将利（青森山田高・投手・左左）

野球小僧◎ アマチュア野球A

→一軍登板なし→自由契約（３年）

2巡目：林啓介（福井商高・投手・右右）

野球小僧○ アマチュア野球A

→一軍登板なし

3巡目：末永仁志（南京都高・投手・右右）

野球小僧○ アマチュア野球なし

→一軍登板なし→自由契約（３年）

4巡目：細谷圭（太田商高・内野手・右右）

野球小僧○ アマチュア野球A

→20試合　48打数8安打　0本塁打　4打点　0盗塁　打率.167

オリックス

1巡目：岡田貴弘（履正社高・外野手・左左）ランキング6位

野球小僧◎ アマチュア野球AA

→87試合　139打数59安打　17本塁打　35打点　0盗塁　打率.208

3巡目：柴田亮輔（愛工大名電高・内野手・右左）

野球小僧◎ アマチュア野球B

→一軍出場なし

2005年高校生ドラフト活躍度ランキング

１位　横浜・山口　　99試合145.2イニング　8勝14敗31セーブ　158奪三振　防御率3.65

２位　西武・銀仁朗　　240試合521打数101安打　7本塁打　51打点　1盗塁　打率.194

３位　ヤクルト・村中　39試合218.1イニング　10勝22敗　195奪三振　防御率4.74

４位　広島・齊藤　43試合209イニング　14勝17敗　119奪三振　防御率4.26

５位　楽天・片山　30試合101.2イニング　3勝8敗　93奪三振　防御率3.10

６位　オリックス・T-岡田　87試合139打数59安打　17本塁打　35打点　0盗塁　打率.208

７位　日本ハム・陽　144試合302打数58安打　2本塁打　20打点　5盗塁　打率.192

８位　中日・平田　108試合201打数53安打　2本塁打　21打点　0盗塁　打率.264

９位　ヤクルト・川端　113試合175打数42安打　1本塁打　11打点　2盗塁　打率.240

10位　日本ハム・木下　7試合38.1イニング　2勝2敗　18奪三振　防御率3.52

こんな感じでしょうか・・

なんだか下の方は、無理にランク付けしなくてもいい気もします。

これがこの先どんな順位になることでしょう。

来年この世代のランク付けたとしたら、辻内が入っていることを祈ります。

ちなみに、１つ下の世代のトップスリー

１位　楽天・田中　　88試合626.2イニング　41勝23敗2セーブ　580奪三振　防御率3.12

２位　巨人・坂本　　335試合1424打数379安打　38本塁打　139打点　23盗塁　打率.291

３位　広島・前田　　58試合381.2イニング　24勝18敗　270奪三振　防御率2.95

凄いの一言です！辻内たち、浪花四天王の世代の選手たちも負けないで欲しい。