辻内についての大きな誤解!?
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舎人
2009年08月07日 03:37 visibility456
辻内が3年ぶりに東京ドームに帰ってきました。
3年前はルーキーの時で、
ファームに来るほとんどのファンが辻内見たさに来ていた感じでした。
しかし、今年は大田といい、中井といい、橋本といい、
ずいぶん人気者が増えた感じです。
観客動員が28000人です!一軍の試合がなかったこともありますが、
これだけ巨人の次代を担う選手達を見たいと思うファンがいることに
私は感動を覚えました。
これは巨人の若手育成路線を支持する数でもあるのです。
きっと清武代表も同じ感動を覚えたことでしょう。
さて、辻内についてですが、
投げるたびに「やれ球速が落ちた」だの「劣化した」だの、
口さがない声が多々聞こえてきます。
本当に辻内は球速は落ちたのか?劣化したのか?
このことを考えてみたいと思います。
まずは最高球速から、2006年に辻内は数回150km越えを記録していますが、
MAXは8月31日にジャイアンツ球場で記録した151kmのようです。
(ハワイのリーグでも151kmを記録したようです。)
それに対し今年はどうか?
私が確認しているものを調べた限り、
今年の辻内のMAXは4月18日にジャイアンツ球場で記録した151kmです。
最高球速的には落ちていないようです。
次に投球内容ですが、これについては私もルーキー時と大きく変わった印象があります。
3年前の東京ドームで辻内が投げた時の全投球データと、
今日の試合で辻内が投げた全投球のデータの比較をしてみます。
2006年8月22日(火) イースタンリーグ 巨人対ヤクルト戦(in東京ドーム)
辻内全投球 4回2/3を投げて2失点(1点は会田の被安打による失点) 与四球3 奪三振1 被安打3
一回
内田 138kmS、113kmS、141kmB、140kmB、139kmB、140kmB 四球
土橋 138kmS、135kmF、134km ライトフライ
飯原 112kmB、136kmB、135kmB、138kmS、139kmF、140kmB 四球
畠山 144kmB、141kmB、138kmSw、135kmF、112kmB、115km セカンドゴロ併殺打
二回
牧谷 114kmS、141kmB、138kmSw、117kmB、141kmF、140kmB、140km 詰まったセンターフライ
川本 139km レフトフライ
大原 139kmB、135kmF、133kmS、117kmF、134kmB、140kmB、140kmF、139km ライトフライ
三回
川端 138kmB、139kmB、138kmF、139km レフト前ヒット
川島 133kmS、135kmS、133km 見逃し三振
内田 136kmB、137kmS、川端が盗塁死、136kmB、137km ライトフライ
四回
土橋 108kmF、136km 一邪飛
飯原 109kmB、138kmS、138km セカンドゴロ
畠山 135kmB、143kmF、137km レフト前ヒット
牧谷 133kmF、136kmB、141kmS、125km センターフライ
五回
川本 108kmB、139kmB、140kmB、136kmS、133kmB 四球
大原 138kmS、138km 一邪飛
川端 132kmB、130kmB、133kmB、133kmS、137km センター前タイムリーヒット
川島 ストレートS、130km犠打
辻内降板→投手会田
全74球中 ストライク(ファール、スイング、アウト球含む)43球、ボール31球
ストレート63球 ストライク(ファール、スイング、アウト球含む)37球、ボール26球
変化球11球 ストライク(ファール、スイング、アウト球含む)6球、ボール5球
ストレートの球速帯130kmからMAX144キロ
ストレートの平均球速137キロ
変化球の球速帯108km〜125km
辻内2009年8月6日(木) イースタンリーグ 巨人対楽天戦(in東京ドーム)
辻内全投球 4回を投げて6失点 与死四球2 奪三振0 被安打6
一回表
塩川 141kmF、143km セカンドゴロ
平石 141kmB、143km センター前ヒット
牧田 142kmS、142kmF、139kmB、122kmB、143km センター前タイムリーヒット
楠城 136kmF、133kmB、133km 死球
丈武 141kmB、137kmB、140km スリーラン本塁打
山崎 136kmS、142kmS、133km センターフライ
中川 126kmS、125kmB、145kmS、141km サードライナー
二回
井野 ストレートB、144kmF、125kmB、142kmB、143kmS、143kmB 四球
西村 135km 犠打
塩川 141kmB、125kmS、142km セカンドフライ併殺
三回
平石 119kmB、123kmF、ストレート ファールフライ
楠城 123kmB、123kmF、132kmB、変化球Sw、146kmB、128kmB、147km ライトフライ
楠城 128kmS、127kmSw、137kmB、142km ファーストゴロ
四回
丈武 139km レフト前ヒット
山崎 123kmF、141km ライト前ヒット
中川 129kmSw、145km セカンドフライ
井野 138kmS、130kmF、142kmB、129km レフト前ヒット
西村 122kmS、124kmB、138km セカンド内野安打
塩川 139kmB、変化球B、ストレートB、137kmS、142km センター犠飛
平石 変化球S、124kmB、123kmS、129kmB、141kmF、123km セカンドゴロ
全68球中 ストライク(ファール、スイング、アウト球含む)43球、ボール25球
ストレート39球 ストライク(ファール、スイング、アウト球含む)27球、ボール12球
変化球29球 ストライク(ファール、スイング、アウト球含む)16球、ボール13球
ストレートの球速帯135kmからMAX147キロ
ストレートの平均球速141キロ
変化球の球速帯119km〜133km
結果的にはルーキー時の方がいいのですが、
投球技術の方は数段進歩していることに気付くと思います。
特に変化球を使うことにかなり自信を付けてきたことが分かります。
ルーキー時よりも球速が増しているのは、
当時の東京ドームのスピードガンは現在の表示に比べかなり厳しかったためです。
おそらく現在よりも3km程度厳しかったと思います。
ルーキー時の130km台のものをストレートにしていますが、
これは決して間違いではありません。
辻内の今日の投球内容は今年最悪のものだったので、
これで一軍入りが遠のくとは思いません。
しかし、変化球が浮いて使えないとストレートを狙い打たれるという、
ルーキー時からの悪い癖が今日も見えていたのは確かです。
この先成功するためにはいかに変化球を低めに集められるかどうかです。
いくら球が速くても使えなくては意味がありません。
150kmは投げられればいいのです。
観賞用の豪球投手ではなく、
実践的な本格技巧投手が辻内の目指すものだと思っています。
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