大一番


「大一番」というと、本来「優勝」がかかる試合に使う言葉だけど、「残留」を争っている時にも使う言葉だと思う。


 


大宮は、引き分けでも「残留」。


柏は、勝たないと「降格」になってしまう。


そんな「大一番」。


 


前半15分までは、ホームの大宮が攻め込んでいて、あと一歩でゴールが奪える所までは行くものの、プレッシャーか、はたまた、柏の堅守か、なかなか先制点を奪えない。


柏の方も、フランサ選手にボールが治まらず、攻撃の糸口がつかめない様子。


 


前半は、「大一番」らしく「がっぷり四つ」の状態。


お互いスコアーレスで折り返す。


 


後半は、勝つしかない柏が、前半以上に攻め込んでいく。


大宮は、GK江角選手の好セーブなどで、柏の必死の攻撃をしのぐ。


 


残り15分、そろそろ大宮は引き分け狙いかな、と思われた時だった。


大宮のFWラファエル選手が、鮮やかに胸で落としたボールに駆け込んだ橋本選手がシュートを放つと、ボールは柏のゴールネットに突き刺さる。


大宮サポの歓声、柏サポの悲鳴。


しかし、まだ15分ある。


そう簡単に「大一番」の決着はつくはずがない。


その思いが、柏の10番フランサ選手のシュートに乗り移る。


それまで、幾度となく江角選手の正面を突いていたシュートは、この時ばかりは打ち破った。


フランサ選手の同点ゴール。


柏サポの歓声と、「まだチャンスはある」という思いがこもった必死の応援。


大宮サポの落胆のどよめきと、祈る思いがこもった必死の応援。


 


ここから、両チームが、死力を尽くした激しい攻防となる。


そのためか、イエローカードも増える。


 


残り5分、「絶対に勝ちたい」という思いで、柏の一方的な攻撃。


それを必死にしのぐ大宮の選手。


何度も柏の選手がシュートを放つ。


しかし、GK江角選手が、必死にボールに飛びつきゴールを死守。


その度、肝を冷やす思いで見守る大宮サポ。


 


ロスタイムは4分。


とにかく、必死に逆転ゴールを目差す柏の選手たち。


 


そして、ついに両チームの運命が決するホイッスル。


1−1・・・・。


 


大宮にとっては、残留が決まった瞬間。


柏にとっては、降格が決まった瞬間。


 


厳しくて切なくなる瞬間。


しかし、これが現実。


勝負とはこういうものだと思いつつも、どこか切なくなった瞬間。


 


残留を決めた大宮、降格が決まってしまった柏、両チームに素晴らしい試合を見せてくれた事に、感謝したい。


 




















































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