大一番
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もりさわ ゆう
2009年11月29日 00:47 visibility46
「大一番」というと、本来「優勝」がかかる試合に使う言葉だけど、「残留」を争っている時にも使う言葉だと思う。
大宮は、引き分けでも「残留」。
柏は、勝たないと「降格」になってしまう。
そんな「大一番」。
前半15分までは、ホームの大宮が攻め込んでいて、あと一歩でゴールが奪える所までは行くものの、プレッシャーか、はたまた、柏の堅守か、なかなか先制点を奪えない。
柏の方も、フランサ選手にボールが治まらず、攻撃の糸口がつかめない様子。
前半は、「大一番」らしく「がっぷり四つ」の状態。
お互いスコアーレスで折り返す。
後半は、勝つしかない柏が、前半以上に攻め込んでいく。
大宮は、GK江角選手の好セーブなどで、柏の必死の攻撃をしのぐ。
残り15分、そろそろ大宮は引き分け狙いかな、と思われた時だった。
大宮のFWラファエル選手が、鮮やかに胸で落としたボールに駆け込んだ橋本選手がシュートを放つと、ボールは柏のゴールネットに突き刺さる。
大宮サポの歓声、柏サポの悲鳴。
しかし、まだ15分ある。
そう簡単に「大一番」の決着はつくはずがない。
その思いが、柏の10番フランサ選手のシュートに乗り移る。
それまで、幾度となく江角選手の正面を突いていたシュートは、この時ばかりは打ち破った。
フランサ選手の同点ゴール。
柏サポの歓声と、「まだチャンスはある」という思いがこもった必死の応援。
大宮サポの落胆のどよめきと、祈る思いがこもった必死の応援。
ここから、両チームが、死力を尽くした激しい攻防となる。
そのためか、イエローカードも増える。
残り5分、「絶対に勝ちたい」という思いで、柏の一方的な攻撃。
それを必死にしのぐ大宮の選手。
何度も柏の選手がシュートを放つ。
しかし、GK江角選手が、必死にボールに飛びつきゴールを死守。
その度、肝を冷やす思いで見守る大宮サポ。
ロスタイムは4分。
とにかく、必死に逆転ゴールを目差す柏の選手たち。
そして、ついに両チームの運命が決するホイッスル。
1−1・・・・。
大宮にとっては、残留が決まった瞬間。
柏にとっては、降格が決まった瞬間。
厳しくて切なくなる瞬間。
しかし、これが現実。
勝負とはこういうものだと思いつつも、どこか切なくなった瞬間。
残留を決めた大宮、降格が決まってしまった柏、両チームに素晴らしい試合を見せてくれた事に、感謝したい。
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