持たざるもののターンオーバー

  • miyashu
    2008年11月08日 09:27 visibility63
うすーい、うすーい、春先の水たまりにはった氷のような薄さの選手層。
それでも、傷んだ体にむち打って、過酷なリーグ戦、ナビスコカップ戦を戦い抜いてきた選手。
緊張感も、疲労感もマックスに到達したナビスコ決勝を勝ち取り、マスコミに揉まれ、イベントにもかり出され、中3日で迎える天皇杯。
しかも、その4日後はそれこそプレッシャーに押しつぶされそうなリーグ戦が待っている。

シャムスカ、あるいはクラブの判断は間違っていない。
3冠を目指すとは口で言っても、考えるのはまずリーグ戦でベストパフォーマンスを発揮すること。
前半で慎吾、藤田を下げる采配を見ると、リーグ戦にかける気持ちの大きさが伝わってくる。

天皇杯をいいかげんにしていいわけではない。
しかし、トリニータのおかれた状況を考えると、致し方ない選択ではないか。

リーグ戦優勝をねらえる位置にいること。
選手は疲労困憊、休養が最も必要な準備であること。
名前だけは協会の言う「ベストメンバー」でも、天皇杯にナビスコ決勝のメンバーを出せば、天皇杯、リーグ両方共倒れになる可能性が高いこと。
控え選手のモチベーション、等々。

持てるビッグクラブなら、調子のいい選手をとっかえ、ひっかえでいいコンディションにもっていけるだろうし、仮にターンオーバー制をとったとしても、「ベストメンバー」と遜色ないチームを組めるだろう。

大分は形だけターンオーバー制でも、実質はサテライトである。
慎吾、藤田、森島、家長など個々では、ベストメンバーに入るような選手もいるが、やはりチームとしての体をなしていなかった。

それでも、そうせざるを得ない。
これが、ナビスコ優勝チームの実情である。
浦和や鹿島やG大阪がやったのなら、いくらでもかみつくがいい。
だが、片田舎の極貧クラブがリーグ優勝を目指すには、こうするしかなかったのだ。

持たざるもののターンオーバーは、もはや、ターンオーバーではない。

確かに、鳥栖に対しては失礼だったかもしれない。
大分サポの中にも賛否両論ある。

だが、大分は本気でリーグ優勝を狙っているのだ。
「日本一権威のある」天皇杯より、リーグ優勝がほしいのだ。
もし、リーグ優勝にのぞみが薄い位置にいたら、また天皇杯メンバーも違っていただろう。

しかし、ここで日本一の権威を天皇杯にふりかざし、出場権剥奪まで口にする犬飼氏のくちぶりには、なにか別の意図があるような勘ぐりもしたくなる。

地方の貧乏クラブがナビスコ杯優勝したことを讃えてくれた犬飼氏。
でも、その賛辞の中には、地方貧乏クラブが抱えるこういった苦しみはまったく想像されてなかったんですね。
口先だけ、地方クラブの希望なんて言っても、現状を知ってくださいよ。

こうせざるを得ないクラブ事情を含めて、それが大分トリニータという地方貧乏クラブなんです。

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