寒いの?いや清清しいの。
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おかき
2010年02月10日 17:13 visibility266
スタンドが物凄く寒い。それもそのはず、最近東京は1月に比べてかなり温度が下がっている。その直前に秩父宮ラグビー場にいた時はもっと寒かった。あそこは隣に大きなビルが建っている関係でいつも強いビル風が吹くからだ。それに比べれば国立競技場の方が時間は夕刻を迎えようとしていたが、秩父宮よりも断然暖かかった。
それに比べると寒いのは観客席である。公式発表こそなかったが、1000人はいってないだろう。女子とは言え国際大会の試合なのに1000人に満たない。今調べると公式では684人らしい。
そんな寂しいスタンドを他所にピッチでは熱い戦いが繰り広げられた。ここ最近成長著しい韓国女子代表がゲームの主導権を握るが、チャイニーズ・タイペイの粘っこい守備で中々ゴールを割る事が出来ない。それでも韓国#10イ・ジャンミは小柄ながら柔らかいドリブルでチャイニーズ・タイペイ守備陣を切り裂いていく。ボランチのポジションながら前線までスルスルと抜け出す巧さがあった。
チャイニーズ・タイペイは4-2-3-1という布陣で1トップには#7タン・ウェン・リンを据え、トップ下では#20チュアン・チェンが奮闘。ボールをキープして左右に展開。右#5ヤン・フエイ・チェン、左#9ツェン・シューオーがドリブルでサイドの突破を図る。
これに立ちはだかったのが韓国#4キム・ユミ。彼女は30歳を越えるベテランで、ボールの奪い方に秀でている。チャイニーズ・タイペイの選手は中々ゴールまで近づく事が出来ない。
こういう展開になると、格上のチームが焦って細かくボールを回しているうちにカウンターになりそうなものだが、韓国女子代表は違った。
前半27分、韓国キム・ユミのクロスをチャイニーズ・タイペイ守備陣がクリアミスをし裏にこぼし、そのボールに反応したのが2列目から飛び出した#6チョン・カウル。落ち着いてボールをゴール右隅に流し込んで韓国が先制。GKの脇の下を通す技ありのゴールだった。
立て続けに28分には、右サイドで得たFKからフリーになっていたイ・ジャンミがヘディングでゴールに押し込んで追加点。前半ロスタイムには#9キム・ジュヒが倒されて得たPKをイ・ジャンミが決めて3-0として前半終了。
チャイニーズ・タイペイ女子代表の攻撃は細く、チャンスは少なくタン・ウェン・リンが2本のシュートを放つのが精一杯。登録上はFWの#21イェン・ピン・ツェンがボランチをこなしたのか、押し込まれたままなのか混乱している部分もある。それだけ韓国がチャイニーズ・タイペイのバイタルエリアを支配しているという事だ。
後半も一方的に攻め続ける韓国女子代表。チャイニーズ・タイペイは#9ツェン・シューオーが左サイドで孤軍奮闘するが、決定機を迎えるまでには至らず。#20チュアン・チェンも中盤でイ・ジャンミを牽制するが、中盤の厚さは如何せん彼女一人では埋めきれなかった。
そして74分。膠着状態だった試合が動く。チャイニーズ・タイペイのDFラインの裏に絶妙のロビングが上がり、これを途中出場のユ・ヨンアが飛び出してくるGKが触れる前に僅かにボールの方向を変えてゴールを決めて4-0として試合を決定付けた。
そしてそのまま試合は終了。20本近くのシュートを浴びせ続けた韓国女子代表がチャイニーズ・タイペイ女子代表を下した。
序盤こそ面白い戦いが出来ていたが、徐々に体力の差、技術の差が明白になっていき、一つのミスからチャイニーズ・タイペイが先に崩れてしまった。結果は4-0だったが、それでも結構満足できた試合だった気がする。実際チャイニーズ・タイペイ女子代表のチョウ・タイ・イン監督は準決勝大会で6-0だった点差が縮まった事に満足するコメントを残している。勝利だけが目的ではない。自分達の位置を受け止めた上で、一つ一つの階段を登っていくのを見ているのはとても清清しい気分だった。
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