2014年W杯アジア3次予選 オーストラリア代表-オマーン代表

  • おかき
    2011年10月22日 19:24 visibility753

日本が超満員の長居スタジアムでタジキスタンを迎えようとしていた頃、私はシドニーでオーストラリアとオマーンの一戦を観戦していた。それにしても観客の少なさには驚かされる。特にオーストラリアのゴール裏は客が少なく、これがワールドカップの予選なのかと思ってしまう程だった。結果的に観衆は約24000。

このグループDはオーストラリアの独壇場。同じ組はタイ、サウジアラビア、オマーン。少し前ならサウジアラビアと同じ組になるという事は、熾烈な戦いを覚悟する必要があったが現在の中東のトレンドはバーレーンかカタールで、アジアカップでの姿を見ていると短期間で立て直すのは厳しい。



オーストラリアは今年1敗しかしていない。それがアジアカップ決勝で日本代表に敗れた試合で、それ以外は国際試合は負けなしという状況で、日本がザッケローニ監督になってから無敗を続けている様に、オーストラリア代表も引き続き好調をキープしている。
当然3次予選も首位で、相手が最下位のオマーンとくれば、如何にガルフカップ2009王者だとしても、GKがプレミアで活躍するアル・ハブシだとしても集客に苦労するのは当然かも知れない。この試合の裏では隣国のNZでラグビーのW杯も行われており、大挙して足を運んでいる者も多いだろう。

最下位相手という事もあり、オーストラリアはメンバーを落とし、ケーヒルもエマートンという主力もおらず、城南一和で活躍しているオグネノフスキもベンチに。しかもベンチには7人しかおらず、オマーンが11人埋めたのとは対照的だった。


 


試合開始から元気だったのはオマーン。アル・マクバリやムバラクが左サイドを突破して、あわやというシーンを作り出し、ヒヤリとさせられた。面白いゲームになるのではと思った矢先、オーストラリアが先制する。前半8分左サイドのマッカイのシュート性の折り返しに、ホルマンが触れてコースを変えてゴールに流し込んだ。

ただここからゲームは停滞してしまう。右サイドのウィルクシャーは周りと呼吸が合わず、突破するタイミングを逸したり、ホルマンは最初に決めたシュート以外はフリーでもシュートは大きく外しすぎていた。中盤を圧倒的に支配出来ている余裕が、シュートシーンでも集中力のなさを見せている感じでアル・ハブシの好セーブで得点出来ていない訳ではなかった。

それが先制点から前半はずっと続く。オマーンはカウンターで攻めようにも、オーストラリアの切り替えが早く、カウンターを出せる状況にならない。オーストラリアは鉄壁の守備があり、攻撃陣は比較的自由にやれるが、追加点が奪えない。

その時間が約50分以上続いたが、それを打ち破ったのはケネディだった。この日のマッチデイプログラムの表紙にもなっており、期待されているプレーヤーの一人だった。前半からポストをこなしてはいたが、その後の攻撃が形にならず彼も良いパスは中々供給されなかった。


 


その追加点は、オマーンの緩慢なディフェンスラインでのボール回しをホルマンが奪い、シュートではなくパスを選択。走りこんできたウィルクシャーの鋭いシュートは、アル・ハブシが一度は止めたが、そのこぼれ球をケネディが冷静に押し込んだもの。
アルハブシの近距離からのスーパーセーブも見られたし、ケネディというJリーグと所縁のある選手のゴールも見られたし満足だ。

この後ややオマーンが攻めに出てくるが、試合終了5分前にフリーキックをジェディナックが方向を変えてゴールネットを揺らし駄目押しの3点目で勝負あり。


 


オーストラリアは勝ち点を9としてグループDの全勝街道をひた走る。11月に行われるアウェーのオマーン戦の結果如何では最終予選への進出を決めてしまう事になるオーストラリア。選手の層を落としても十分に強かった。最終予選でオーストラリアと日本が戦う事になったら、それはまた大きな戦いになるだろう。

ケネディ、スピラノビッチ、ブロスケとJリーグ所属選手が多いとどうしてもオーストラリア側で見てしまいがちだが、最終予選で彼らに活躍されるとそれはそれで複雑である。その前に日本代表も最終予選にいかなければならないのではあるが。

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