橋本到に見る一軍への対応力

小兵なのにあまりに三振が多い。。

これが巨人ファンに共通する最近の橋本への印象ではないだろうか。

 

個人的にファームの選手が一軍のレベルに対応できるかを推し量る際に重視ししている指標がある。

AB/K(打数/三振)である。

要はどのくらいミート力があるか?ということ。

特に1・2番タイプには重要な能力だと思う。

一般に7.00を超えると優秀だとされている。

 

このAB/Kを、今年一軍でブレイクした中井大介と比較してみる。

【一軍成績】

中井 149/12 12.41

橋本 102/27 3.78

中井は12打席に1度しか三振しないのに対し、橋本は4打席に1度ほど。

なんと三倍のペースで三振しているのである。

この傾向はファームでも共通しており

【二軍成績】

中井 153/18 8.5

橋本 340/61 5.57

一軍での数字ほど顕著ではないが、中井は目安の7.00を大きく超えているのに対し、橋本ははっきり割り込んでいる。

二人の間にはミート力に大きな差があるのだ。

この辺が一軍での安定感の差になって表れていると思う。

 

もっとも、AB/Kが低ければ、必ずしも悪い打者であるとは限らない。

例えば長打力の高い打者の場合がそうだ。

長打を狙えばある程度ミスショットも増えるだろう。

そのような打者のために、純粋な長打力を測るための指標、IsoP(長打率-打率)がある。

この数値が高い選手はAB/Kが低くても、それを補う魅力があることになる。

ちなみに.300を超えると超一流、.200で一流、.100で平均的とされている。

 

また、高橋由伸選手のように、四球を選ぶ能力の高い打者の場合も同様だ。

選球眼が高ければ出塁率は向上するが、同時に三振するリスクも高まる。

このような打者のためにIsoD(出塁率-打率)という指標がある。

0.07~0.08で平均的、0.100を超えると一流とされている。

 

では、橋本の場合はどうだろうか?

【一軍成績】

IsoP .096 平均以下

IsoD 0.06 平均以下

【二軍成績】

IsoP .138 平均的

IsoD 0.06 平均以下

この数字が示しているように、橋本はミート力が低い割に長打力が無い。

しかも四球を選ぶ能力も低い。

厳しい言い方をするが、極めて中途半端な選手なのである。

他のサイトでもたびたび言われているが、ファームにいる時から自分のタイプをわきまえた取り組みが必要なのではないだろうか?

このようなタイプはヒットを打ってナンボなのだから、まずはミート力を向上させる必要がある。

二軍でも三振を減らすことを目標にしてもらいたい。

 

最後に、ファームの他の選手の数字も参照したいと思う。

坂口 AB/K4.30 IsoP.136 IsoD0.11

大田 AB/K4.22 IsoP.207 IsoP0.06

二人とも二軍で橋本を上回るペースで三振していることから、一軍に上がっても相当苦労すると思われる。

ミート力は橋本以下だ。

ただし、この二人の場合には、AB/Kの低さを説明するデータがあることも分かるだろう。

坂口の場合、IsoDが非常に高い。

二軍レベルとはいえ一流の数字だ。

つまり、坂口の三振の多さは、球をじっくり選ぶ打撃スタイルから来ているのである。

実際坂口の出塁率は橋本のそれよりも高い。

また大田の場合はIsoPが.200を超えていることから、純粋な長打力は一流の域にあることが示されている。

それで大田の場合、AB/Kの低さはロングヒッター特有のものとも言える。

 

一軍でプチブレイクした中井は勿論のこと、大田や坂口と比べても、橋本の数字は中途半端である。

自分がどんなタイプの打者なのか?

一軍で求められている役割は何なのか?

これらの数字を踏まえて自己吟味をして欲しい。

 

言うまでもなく、大田や坂口の場合、もっと確実性を上げることが必要である。

坂口は選球眼、大田は長打力というセールスポイントがあるのだから、それらを失わずに欠点を補わなくてはいけない。

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