クラブの負債とブランド力

  • taki
    2010年07月17日 01:50 visibility187

自分が今日読んだismの記事で、バルセロナの財政状況について書いてあり、
その内容が自分にとって、とても興味深いものでした。

http://sports.yahoo.co.jp/news/20100715-00000018-ism-socc.html

その記事曰く、今月はじめにクラブから発表された財務状況によると、
現在のバルセロナの負債は、3億2600万ユーロ(約365億7000万円)だそうです!

バルサというと、2年前はチャンピオンズリーグを制し、
昨年は世界一、リーグ連覇といった、輝かしい実績をのこしたとにより、収入は増加したようですが、
同時に支出も増えたことにより、経済的に見たらマイナスとなってしまったようです・・・

現在、Jリーグでも負債を抱えるクラブも結構ありますが、
金額的にみると数億円程度です。
数億円を「程度」と表現することもおかしいですが、
思わずその言葉がでてしまうほど、バルサの負債金額は大きいものでしょう。

とはいうものの、バルセロナだけでなく、
今はどうかわかりませんが、かつてはチェルシーも
数百億円の負債を抱えていたと記憶していますし、
海外のような、選手の年俸額も半端なくでかいところでは、こういった負債も、
あながちめずらしいものではないのが現状だと思います。

実際、90年代のころの放映権バブルによってかなり大儲けしたクラブが、
その後、収入に見合わない支出をしてしまったことにより、
やがて多くの負債を抱えることになってしまい、
最後にはクラブ事態が破たんしたり、下部リーグに落ちて行ったというできごとも結構ありました。

ただ、バルセロナの場合、これだけ負債を抱えてはいるものの、
破産などの心配はないのかもしれません。

負債を抱えているといいながら、ビジャの獲得に約44億円を使ったりしていますし、
銀行から約174億円の融資が受けられるくらいですから、
そこまで深刻な経済不況ではないように思います。

記事には、選手給与の支払いに困難しているなんてことも書いてありましたが、
根拠の薄い考えかもしれませんが、バルサが破産する可能性は、
限りなく低いと思います。
だからこそ、銀行もこれだけの融資ができるのでしょう。

その薄い根拠というのは、「FCバルセロナ」という、世界的なビッグクラブという、ブランド力です。

ヨーロッパのサッカーで大きな収入が得られるようになって以降、
バブルの勢いに乗ってそれ以上の支出をしてしまったことにより、
クラブが破たんしたり、下部に落ちて行ったクラブもいくつかありましたが、
そういったクラブと、バルサやレアルマドリード、あるいはマンUなどのちがいは何かというと、
クラブのブランド力の差ではなかったかと思います。

もちろん、具体的に言ってしまえば、リーズ・ユナイテッド、フィオレンティーナなども、
世界的に大きなクラブだったかもしれませんが、
正直言って、バルサやマンUほど世界中に知れ渡ったクラブではなかったと思います。

もちろん熱狂的なサッカーファンなら彼らをしっていたでしょう。
ただ、世界的な知名度となると、かなり低いはずです。

はっきりとはわかりませんが、過去に破産したクラブにもしも「ブランド力」があれば、かなりの負債を抱えていても、
破産や降格の被害には合わなかったのではないかと、今でも考えています。

自分は、これだけスポーツビジネスについて色々と述べておきながら、
実は経済のことはよくわからないのですが、
企業によっては、財政がわるくとも、規模が大きすぎるために、
つぶすことができない、あるいはかなり困難な会社というのがあるようですが、
バルセロナのような名門になると、それと似たようなブランド力をもってくるのだと、自分は考えています。

そう考えると、今後のサッカー界において、
強いチームであるために必要なのは、以前も言ったかもしれませんが、バルセロナやレアル・マドリードのような歴史も実績もある超名門のブランド力であり、

そのブランド力を持ったチーム、もしくはチェルシーのような、超大金持ちが、ビジネスというよりも、大金によるタニマチ経営をしていくクラブが、今後はさらに実力をつけていくだろうと思います。

そして、さっき述べたようなチームにのみ、お金が多く集まり、
他のクラブとの差は今より一層大きくなっていくと思います。
これも何度も言ってきましたが、クラブ間の貧富の差は、
さらに拡大していくでしょう。

昨シーズン、スペインでは、バルセロナとレアルマドリードが、
圧倒的な勝ち点を獲得していましたが、
それに対して、ヨハンクライフが「金銭的な事情」を原因として挙げていましたが、自分もまさにそうだと思います。

ヨーロッパのサッカー界は、今より一層、弱肉強食の世界になっていくと思います。

以上、ヨーロッパの現状を考えた上で気になるのはJリーグです。
Jリーグは果たして、この圧倒的なブランド力を作れるクラブがでてくるのでしょうか?
それとも、Jリーグは別の路線を歩んでいくのでしょうか?

ヨーロッパといえども、ドイツなんかは、スペインやイングランドとは違った、堅実路線でリーグを運営していく方針をとっているようです。

どれが正しいのかはわかりませんが、どういった道を歩んでいくのか?
その指針をしっかり持っておいたほうが、今後のリーグ運営を考えると、
大きなプラスになると自分は思っています。

経済的規模を考えると、ドイツなどが参考になると思いますが、
今季のACLでは日本のチームは全部敗退しています。
その一方で、勝ちあがっている国のクラブのリーグは、
スペインやイングランドのような、一部のクラブのみ突出して強いというところもあるようで、
彼らを倒さない限り、世界への挑戦は難しいとなった場合、
日本はどうすべきなのだろうか?

現状を考えると、今の日本の実力なら、今のままでもアジアを制することは可能だと思うのですが、
今後となると、どうなるかはわかりません。

バルサの負債から、話が急に飛んでしまいましたが、
参考にしていただければ幸いです。

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