Jリーグのプレミア化と彼らが抱える課題

  • taki
    2010年07月31日 01:51 visibility361

昨日のニュースの中で、Jリーグがプレミアリーグの発足を考えているという記事を見つけました。
自分がみた記事によると、8~10くらいのクラブを選び、
上位4チームのレギュラーには、年俸1億円以上を目安にすると書いてありました。

翌日には、今はまだ時期尚早という記事も見つけましたが、
Jリーグとしては、こういったトップリーグのプレミア化というのは、
Jリーグの将来プランのアイディアの一つとして、
常に頭の中にはあったのだろうと思います。

プレミアリーグというと、真っ先に思い浮かぶのは、やはりイングランドのプレミアリーグでしょう。
イングランドの場合、もともとはフットボールリーグという組織があり、
そこから1部、2部、3部などという、いわばJ1,J2と同じような組織で運営していたものの、
莫大な放映権を獲得できるようになったことで、1部リーグだけが独立してプレミアリーグとなったことで、
トップリーグだけが大儲けできるような組織が出来上がったことで、
彼らは多くの収入を得ることに成功しました。

おそらくJリーグもそれを参考に、プレミアリーグ構造を提案しているのでしょう。
イングランドで成功した方法が、日本でもそのままうまくいくかどうかはわかりませんが、
リーグのビジネスを考えるとやはり、プレミアリーグ化というのは、
魅力的なアイディアの一つではあると思います。

果たしてこのアイディアが実現する日は来るのでしょうか?
外国のリーグの流れをみると、あながちあり得ない話ではないと思いますが、
Jリーグの首脳陣がどういった判断を今後行っていくのか?
注目してみたいと思います!

さて、もしも日本にプレミアリーグができた場合、これは革命的なできごとになるわけですが、
今回は、その前に、今までのJリーグについて少し振り返ってみたいと思います。

果たして今のJリーグはどんなリーグなのだろうか?

個人的な意見を言わせてもらうとすると、日本スポーツ界に革命を起こした、
素晴らしいリーグだと自分は思っています。

スポーツといえば企業が主体なのが当たり前。
日本のプロ野球のほとんどの球団は企業名を冠としており、
アマチュアスポーツも会社の実業団チームとしての活動がほとんどだった時代に、
地域密着という新しい概念を、日本に浸透させることに成功しました。

日本のなかで、地域がスポーツを支えるという文化が全くなかったわけではないですが、
ここまで地域色を積極的にだしていこうとするリーグはなかったでしょうし、
その後、他のスポーツでもJリーグのように、
地域に根差したクラブづくりを目指して活動するクラブが出てきたのは事実だと思います。

そして日本スポーツ界に新しい風を持ち込んだJリーグは、
発足当初は莫大な人気とともに選手の年俸も大幅に伸びていき、
プロ野球と同様に1億以上の年俸を得る選手も結構でてくるようになりました。

ただ、そういった好景気も長くは続かず、
チームが増える一方で、経営に苦しむクラブも多く出てしまい、
彼らはチームを存続させる手段として、選手の年俸を低く抑ることによって、
なんとかチームを維持しているというチームが多くなってきました。

プロ野球の選手名鑑を読んでみると、選手の年俸が載っているものが結構多く出版されていたり、
シーズンオフの契約交渉で、年俸がいくらになったかという話が、結構公にでています。

その一方で、Jリーグではあまりそういった光景はみられません。
おそらく、そこまで世間から注目を浴びるような金額を提示することができないからでしょう。

今回のプレミア化案の記事の中で、「年俸1億以上」という言葉が書かれている背景には、
プロ野球のように億単位の年俸を多くの選手に払うことができていないという現状を意識してのことだと思います。

サッカーにしろ野球にしろ、金銭的なことを考えれば、
外国では10億円以上稼ぐ選手も珍しくないわけですから、
金額の比較をいちいち気にしてたらキリがないわけですが、

日本の(つまり同じ国内の)プロ野球では億単位の年俸が多くの選手に払われているのに、
Jリーグではそうではないという現状をなんとか改善し、
日本でのサッカーのステータスを高めたいというのが、
運営者の考えとしてはあるのではないかと自分は考えています。

サッカーは文化であり、お金がすべてではないとも思いますが、
やはり「プロ」を名乗っている以上は、金額もそれなりのものを用意しておきたいという気持ちがあるのだと思います。

そして、それを実現するためにどうすれば良いか?
色々知恵を絞った結果出てきたアイディアが、このプレミア化なのでしょう。

チーム数の中に8~10という、イングランドやスペインなどよりもかなり少ない数字を出していますが、
日本国内の中で、経済的規模、メディアへの露出ということを考えた結果、
このくらいの数字が手ごろなのではないかとなったのでしょうか?

サッカーファンでない人たちから言わせると、
Jリーグはチームが多すぎる・・・という意見も結構耳にします。
自分はかつては、そう言われるたびに、
「イングランドでは92ものプロクラブがあるのだから、決して多くはない」
なんて反論していた時期もありましたが、
確かにサッカーにそこまで深い関心がない人にとっては、チームの拡大路線は好ましいものに見えなかったのかもしれません。

そういったことを考慮し、「プレミア」リーグをつくることによって、
トップリーグと、そこに参加している一部のクラブへの注目を上げようとしてるのでしょう。
ただ、これは同時に、現在のヨーロッパのいくつかのリーグのように、
ビッグクラブとそうでないクラブの格差を広げてしまうという問題も起こりうるものではあるのですが・・・・・・

長々と書きましたが、Jリーグはサッカーを通して地域に密着したスポーツ文化を作るという点においては、
すべてではないにせよ、成功を収めてきました。

そして次は、その文化を残しながら、
「プロ」サッカー選手のステータスをいかに高めていけるのか?
もちろん選手らのたゆまぬ努力による華麗なプレーが必要なわけですが、
お金という、職業においては避けて通ることはできないものに対して、
どこまで成果を上げることができるのか?

今後はその課題を見ていきたいと思います。
Jのプレミア化は、その救世主となるのでしょうか・・・

 

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