
ドゥンガはリーダーだった!
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taki
2008年04月23日 01:08 visibility2714
最近、連続でリーダーについて書いているなかで自分はリーダーの資質ばかりに焦点を当てていました。それによって自分自身ひとつ見逃していたところがあります。
それはリーダーの行動や言動にまわりがどう感じるかということです。
前回、自分は中田の選手への攻撃的な態度が問題だったと書きました。しかし、よくよく考えればこういったやり方でもしっかりとチームをまとめるリーダーがいました。
それは元ブラジル代表キャプテン、現在はブラジル代表監督をつとめるドゥンガです。彼の試合中での文句はすさまじいものでした。中田なんてやさしい方だったのかもしれません。
ではドゥンガがどうしてブラジル代表でキャプテンとして認められたのか?それを示すエピソードが98年のフランスワールドカップにあります。
当時彼はブラジル代表のキャプテンとしてプレーしていました。問題が起きたのはファーストラウンドのブラジル対モロッコ戦。試合中にモロッコのフリーキックになりました。
そのとき、ブラジルの戦術では相手がフリーキックを得たときには相手の素早いリスタートを防ぐためにFWのベベットがボールの前にたつという決まりがあったそうです。
しかし試合中に相手のフリーキックの時にベベットはそれを忘れだらだらと歩いて戻ってきていました。そこでドゥンガはベベットに怒鳴って決められた場所に行くように注意しました。
その態度に腹を立てたベベットはドゥンガと揉め、試合後にはチーム内ではドゥンガは厳しすぎる。ああいった態度はやめてほしいと彼に注文。
ドゥンガはそれを受け入れ、次の試合におとなしくしていたらノルウェーに負けるという失態をブラジルは犯しました。
やはりドゥンガのリーダーシップの大きさを知ったブラジル代表の選手らはみんなで彼に謝罪し、再びリーダーとして試合中怒鳴り続けていたという話です。昨日自分は「キャプテンは選手を攻撃してはいけない」と書きましたがドゥンガの場合はあてはまらないのかもしれません」
この中からいえることは日本人だけでなくブラジル人でさえきつい態度で接してくるキャプテンに抵抗感を感じるものだということ。中田に対して周りが嫌な気分になるのはむしろ普通だったのかもしれません。
しかしブラジルで違ったのはこういったドゥンガにぶつかっていく人がいたこと。そしてその後に彼の重要性を実感してチームが団結したこと。
この部分が日本で起きなかったのが不運だったと思います。
川渕キャプテン曰く中田はチーム内で無視されていることもあったという。きつい態度でぶつかってくる中田にぶつかるのではなく、最初から仲間から外して解決の道を閉ざしてしましました。もちろん全員ではないのかもしれませんがやはりこういった空気ではチームがまとまらなかったのも仕方がないのかもしれません。
特に日本はKYという言葉を普通に使ったりして誰かを排除させることに抵抗感を感じない部分があるのでベベットとドゥンガのようなことはおきにくいのかもしれません。まあ、日本だけではないのかもしれませんけど。
ここ最近リーダーについて色々書いてきましたがやはり人と人を結びつけることって難しいんだろうなと改めて思います。
サッカーは人生の修練の場である。とは自分の写真に掲載されているデッドマールクラマー氏の言葉ですがそういった理由もわかる気がします。だからこそ面白く、多くの人をひきつけるのかもしれませんけどね。
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- 事務局に通報しました。
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