2018年J3戦力分析

1、前書き

 今季は、久々にJFLからのJリーグへの昇格したチームはなく、17チームで、開幕することになったJ3リーグ。J3も年々J2歴の長いチームが増えて行く一方で、JFLからの昇格チームが大躍進するなど、動きの激しいリーグでもあります。またJ1チームの3チームのセカンドチームやJ1やJ2からの育成期限付きも多くあり、若き選手のデビューの多いリーグでもあり、Jリーグ通にとって、興味深いリーグであると思います。昨季は、実際にFC東京の久保 建英が、話題を集めました。今季もそういった若手が、話題を集めて、J3リーグを盛り上げて欲しいと思います。
 また、J1やJ2で、実績のある選手も増えており、レベルも年々向上しています。一方で、経営面で苦しんでいるチームも多く、まだまだ実力差の大きいリーグであると思いますが、上位のチームの戦いぶりは、見応えもあり、魅力のあるリーグになりつつあります。
 さて、そういったリーグについて、簡単ではありますが、戦力分析して行きたいと思います。

2、説明

各ポジション名:昨季の評価(アルファベット)→今季の評価(アルファベット):昨季の評価(数値)→今季の評価(数値)

各ポジションの評価は、↓のアルファベットと数値が、左から右に行くほど高い。
E(1~4)、D(5~8)、C(9~12)、B(13~16)、A(17~20)

総合:昨季の評価(アルファベット)→今季の評価(アルファベット):昨季の評価(数値)→今季の評価(数値)

総合の評価は、↓のアルファベットと数値が、左から右に行くほど高い。
E(1~20)、D(21~40)、C(41~60)、B(61~80)、A(81~100)

注目選手:今季気になる選手。
注目の新人:今季の新人選手の中で気になる選手。
注目ポイント:そのチーム毎に注目したいポイント。

尚、紹介の順番は、昨季の順位に準じます。

 

3、戦力分析

22位(J2):ザスパクサツ群馬

GK:D→C→D(7→9→8)
DF:D→C→D(8→9→8)
MF:C→C→C(10→10→10)
FW:C→C→C(9→9→9)
監督:C→C→C(10→12→10)
総合:C→C→C(44→49→45)

注目選手:39大久保 哲哉、6小林 竜樹
注目の新人:該当者なし
注目ポイント:クラブとして選手や監督だけではなく、組織として再出発のシーズンになるが、どういった変化を見せてどういった軌跡を残せるか。1試合1試合が注目。

1位:ブラウブリッツ秋田

GK:D→D→C(8→8→9)
DF:D→D→D(6→6→7)
MF:D→D→D(6→7→7)
FW:D→D→D(7→7→8)
監督:D→D→C(6→7→10)
総合:D→D→C(33→35→41)

注目選手:18藤田 祥史、22薗田 淳
注目の新人:該当選手無し
注目ポイント:昨季J3優勝もJ2ライセンスが無く、昇格出来なかった。今季も昨季の様な強さを発揮し、連覇出来るかどうか。

3位:アスルクラロ沼津

GK:E→D(2→7)
DF:E→D(3→5)
MF:E→D(4→5)
FW:D→D(5→5)
監督:D→D(5→8)
総合:E→D(19→30)

注目選手:5坂本 修佑、39中山 雅史
注目の新人:28中島 拓真
注目ポイント:昇格元年は、3位と躍進。得点源が移籍していなくなった今季もその強さを維持できるかどうか。

4位:鹿児島ユナイテッドFC

GK:D→D→D(5→6→8)
DF:D→C→D(7→9→7)
MF:D→D→D(5→7→8)
FW:D→D→D(5→8→8)
監督:D→C→C(8→10→10)
総合:D→D→C(30→40→41)

注目選手:19チアゴ・キリーノ・ダ・シウヴァ(キリノ)、4黒木 恭平
注目の新人:該当者なし
注目ポイント:J3得点王が居なくなった今季の戦力で、誰が得点源になれるか。

5位:AC長野パルセイロ

GK:D→D→D(7→7→7)
DF:C→C→C(10→9→9)
MF:C→C→C(10→9→10)
FW:C→D→C(9→8→10)
監督:D→C→C(8→10→9)
総合:C→C→C(44→43→45)

注目選手:9津田 知宏、17明神 智和
注目の新人:27竹下 玲王
注目ポイント:GKからFWまで、バランスの取れた陣容で、今季こそ課題であった得点力を改善し、攻守で躍動させて昇格できるかどうか。

6位:FC琉球

GK:D→D→D(6→5→5)
DF:E→E→D(3→4→5)
MF:D→D→D(6→6→6)
FW:D→E→D(5→3→5)
監督:D→D→D(6→6→7)
総合:D→D→D(26→24→28)

注目選手:11播戸 竜二
注目の新人:5徳元 悠平
注目ポイント:新人を中心としたチームで、誰が台頭し、J2~J1へとステップアップしていくのか。それを良い循環とし、J2へ昇格できるかどうか。

7位:藤枝MYFC

GK:E→D→D(3→5→5)
DF:D→D→D(6→6→7)
MF:D→D→D(6→6→7)
FW:E→D→D(4→5→5)
監督:D→D→D(5→6→6)
総合:D→D→D(24→28→30)

注目選手:15養父 雄仁、33金 聖基(キム・ソンギ)
注目の新人:該当者なし
注目ポイント:大幅なメンバー変更により、どういったチームに変貌し、どちらに左右したのか。

8位:カターレ富山

GK:C→D→D(12→8→8)
DF:C→C→D(9→9→8)
MF:C→D→D(10→8→7)
FW:C→D→D(9→8→8)
監督:C→D→D(12→8→6)
総合:C→C→D(52→41→37)

注目選手:9苔口 卓也、14川上エドオジョン 智慧
注目の新人:該当者なし
注目ポイント:メンバーが大幅に変わったが、どちらに左右するか。攻守での完成度に注目。

9位:ギラヴァンツ北九州

GK:D→C→C(8→11→10)
DF:C→C→C(11→10→9)
MF:B→C→C(13→11→12)
FW:B→B→C(15→13→10)
監督:B→C→C(16→10→11)
総合:B→C→C(63→55→52)

注目選手:11池元 友樹、2有薗 真吾、20花井 聖
注目の新人:16佐藤 颯太
注目ポイント:若返りは図った事で、終盤のスタミナ不足をどれだけ改善し、勝てるチームになれているかどうか。

10位:福島ユナイテッドFC

GK:D→D→D(8→5→5)
DF:D→D→D(8→6→7)
MF:D→D→D(7→6→5)
FW:D→D→D(8→7→5)
監督:D→D→D(6→8→8)
総合:D→D→D(37→32→30)

注目選手:3阪田 章裕、7茂木 弘人、40樋口 寛規
注目の新人:9武 颯
注目ポイント:Jリーグでの実績のある経験豊富な選手の経験値と、多くの若手のアグレッシブな部分がどういった効果に繋げる事ができるかどうか。

11位:FC東京U-23

GK:E→D→D(4→8→8)
DF:D→D→D(6→8→8)
MF:D→D→D(7→8→7)
FW:D→C→D(6→9→7)
監督:D→D→D(6→5→7)
総合:D→D→D(29→38→37)

※注:セカンドチームのため「注目選手・注目の新人・注目ポイント」は、省略。※

12位:SC相模原

GK:C→C→C(12→10→9)
DF:C→D→D(9→5→7)
MF:C→C→C(10→10→11)
FW:C→D→D(10→5→6)
監督:C→E→D(9→3→7)
総合:C→D→D(50→33→40)

注目選手:18成岡 翔、10菊岡 拓朗、8谷澤 達也
注目の新人:22古川 雅人
注目ポイント:新監督が、昨季足りなかったチームとしての組織力をどこまで高めて、個の力に優れる実績十分な選手をどれだけ生かすことが出来るか。

13位:セレッソ大阪U-23

GK:D→D→D(7→7→7)
DF:E→D→D(3→6→7)
MF:D→C→C(7→9→10)
FW:D→D→D(7→7→8)
監督:E→D→D(2→7→5)
総合:D→D→D(26→36→37)

※注:セカンドチームのため「注目選手・注目の新人・注目ポイント」は、省略。※

14位:Y.S.C.C.横浜

GK:E→D→E(3→6→3)
DF:E→E→E(3→3→3)
MF:E→E→E(3→3→3)
FW:E→E→E(3→4→4)
監督:C→C→C(9→9→9)
総合:D→D→D(21→25→22)

注目選手:10辻 正男
注目の新人:21芦野 翔斗、23三沢 直人
注目ポイント:育成に主眼を置いたチーム編成の中、どれだけチームを上昇曲線に出来るかどうか。

15位:グルージャ盛岡

GK:E→E→E(4→4→4)
DF:E→D→E(4→5→4)
MF:D→D→E(5→5→4)
FW:E→D→E(4→6→3)
監督:D→E→E(6→4→3)
総合:D→D→E(23→24→18)

注目選手:18宮市 剛
注目の新人:25谷口 海人
注目ポイント:若手主体のチームの1つ。課題であった得点力不足をどこまで改善出来たか。

16位:ガンバ大阪U-23

GK:C→D→D(9→8→7)
DF:D→D→D(5→6→5)
MF:C→D→D(9→8→7)
FW:C→D→D(10→8→7)
監督:D→D→D(8→8→6)
総合:C→D(41→38→32)

※注:セカンドチームのため「注目選手・注目の新人・注目ポイント」は、省略。※

17位:ガイナーレ鳥取

GK:D→D→D(6→5→7)
DF:D→D→E(8→5→3)
MF:D→D→D(7→6→6)
FW:C→D→D(10→6→7)
監督:D→D→D(8→6→5)
総合:D→D→D(39→28→28)

注目選手:7可児 壮隆、1北野 貴之、9レオナルド
注目の新人:19小林 智光
注目ポイント:ホーム1勝という寂しい成績を脱却するために獲得した新助っ人の出来と、守護神獲得により、守備がどこまで安定させることができるか。

4、後書き

 既にJ1とJ2は、開幕していますが、混戦になりそうというのが、ここまでの感想です。さて、J3リーグを選手名鑑と選手(監督)知識と照らし合わせて、分析してみましたが、何点か気づいた事がありました。
 例えば若手主体のリーグというイメージがありましたが、J1とJ2と比べて、新人選手が居ないチームが多く、むしろJ1やJ2でプレーすることが難しくなった中堅選手やベテラン選手の受け皿という構図になっていました。結構知名度のある選手や実績のある選手が何人在籍しているチームもありました。
 また、違う特徴として、クラブ方針が強く出るリーグであるという事です。例えば、新人重視の補強し、即戦力の中堅選手やベテラン選手をほぼ取らないチームや、J1とJ2の実績を重視した補強をするチーム。また、一定の資金規模と実績があり、環境の良いチームは、新人と実績のある選手をバランスよく獲得出来るチームがあるという事です。
 この辺り、J1やJ2のチームでは、即戦力の選手を獲得する事に加えて、有望な新人獲得や下部組織から昇格することが出来るチームが多くあります。しかし、J3ではなかなかそういった環境の整ったチームは少なく、どこに補強ポイントや方針を絞る事になった結果、有望な新人の獲得が難しいチームが出てきたと言えると思います。
 そう考えるとJ1とJ2に比べて、バランスが悪くチームとしての安定感に欠ける事に繋がっています。つまり制約の多いチームが多く、その中で巧くやり切る事の出来たチームやJ2でも戦える戦力を持っているチームが上位に来やすい傾向にあります。その結果順位の偏りに繋がってしまう事や、実力差が大きくなり易い傾向になっています。
 つまりJ3を戦う上で大事なことは、どうやればJ2基準のチーム作りは出来るかどうかと言えると思います。目先を考えた補強ではなく、持続可能な成長に繋がる補強を出来なければ、J3のままであるし、J2基準のチーム作りが出来れば、J2昇格が近づくリーグと言えると思います。そういった視点でJ3を見て行けばまた違った楽しみがありそうですし、それが順位予想にも反映されていそうです。今季のJ3がどうなるか楽しみですし、どのチームがJ2に昇格するか注目したいです。

Jリーグから世界へ 
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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