野球が会いに来る季節

新学期。今年の大阪には桜前線がややゆっくりやってきたおかげで、満開と始業式のタイミングがぴったり合った。桜は毎年咲くけれど、こどもたちの目にはどう映るだろう。

この前の日曜日は選挙の投票日。朝のうちに近所の小学校に行ってみた。わたしが小学生のころは１学年５クラスだったが、今はどの学年も２クラスのようだ。空き教室には多目的室とか談話室とかよくわからない名前がついている。
校庭のほうに目をやると、ボールがひとつ転がっている。

天気のよい春の日にこいつが目の前に転がってくる。小さな少年が何気なく拾い上げた。おや、この子はよく見ると…、当時はもちろんまだ何者でもなかったナガシマくんやスズキくんやタナカくんもそうやって野球に出会ったのかもしれない、と想像してみるとなんだか愉快だ。あるいは今年の春だって、日本中でそうした出会いがあるだろう。野球には春がよく似合う。