青森放浪記~追いかけて、追いかけて!

  • 仲本
    2016年07月25日 22:48 visibility702
3日目も宿泊は青森にしていたが、北海道新幹線が開通したこともあり、あわよくば函館日帰りということも考えていた。しかし新幹線の切符が思ったより高く(片道7,460円)、狙っていた青函航路も天気が悪くて眺望があまりよくなさそう。


というわけで…、準々決勝2日目である(観光をまるで考えていない)。
天気予報は曇り時々雨。とはいえ朝のうちは少し雲が切れていて、球場外の遠景に昨日見えなかった山並みが見えた。帰ってから調べてみると岩木山でも八甲田山でもないようだ。昨日と同じバスに乗り、試合開始30分前に到着したのだがスタンドはなかなかの入り。バックネットの支柱が2本あり、これが意外に視界の邪魔になる。昨日と逆の一塁側にようやく空いているところを見つけて落ち着いた。

この日の第一試合は弘前学院聖愛-弘前工。聖愛は例によってもともと女子校だったのが共学化され、野球部を強化している真っ最中。3年前に甲子園初出場を果たしたときは、「選手を青森県内でそろえた」ことがなぜか話題になった。付属中学と硬式(シニア)チームを持っているのだそうで、いわば中高一貫教育である。対する弘前工は夏の甲子園に3度出場経験がある。もちろん光星・山田2強時代より前の話だ。

第二シードでもある聖愛ペースで進むのだろうと予想していたが、6回を終わって2-2の同点。聖愛は投手を先発の右サイドの山口大成から左サイドの須崎へ、さらに7回からショートを守っていた小西へとつないだ。投手のやりくりに苦労しているようだ。


弘前工業は7回、4番鎌田の左中間二塁打で勝ち越すと、その後も得点を重ねた。
7-2とリードした8回裏、二死2,3塁。二者還れば7点差でコールドゲームが成立する。
三遊間をゴロが破る。レフトからの中継プレーで三塁を回ってホームをついた二塁走者を刺し、聖愛が辛くもコールド負けは免れた。

9回表、聖愛は8番からの攻撃で代打を送る。一塁強襲ヒットで出塁すると、9番がセンター前へ。さすがに簡単には引き下がらない。打順は1番にかえり、ストレートの四球。これで無死満塁。

三振で一死を取られた後、打順はクリーンアップへ。
3番渡邊はライト前へクリーンヒット、2者還って4-8。バックホームの間に打者走者二塁へ。1死2,3塁。
4番葛西はこの試合センターに一発放り込んでいた。この打席の当たりは上がりすぎたかと思ったが、長打警戒で外野はやや深かった。懸命に前進するセンター手前にポトリ。5点目が入って2,3塁(打者走者は三塁送球間に二塁へ)。
5番横山もセンター前にライナー性のヒット。ここはさすがに外野はやや前、二塁走者は三塁ストップ。6-8、なおも2,3塁。自慢の打線が土壇場でつながって、これでいよいよわからなくなった。

2ボール2ストライクから6番・市川が引っ張った打球がレフトを襲う。レフトは一直線に背走。これは抜かれる、同点だ。
背走していたレフトが足を緩めた。打球は芝生席に飛び込んだ。逆転スリーランだった。


弘前工のエース石村投手は8回まで散発3安打に抑えてきたが、この回6安打を集中されてここで無念の降板となった。代わってマウンドにはここまで伝令で登場していた背番号10のキャプテン・永沢投手が上がった。聖愛は走者なしから再びチャンスを作り、この回さらに1点を追加した。


反撃に転じたい弘前工。しかしここでアクシデントがあった。聖愛の9回の攻撃中、リリーフも務めていた小西選手の足がつり、治療にしばらく時間がかかってしまった。チェンジとなった後、聖愛の選手がなかなかグラウンドに現れない。なにか勢いをそがれてしまった感じで、弘前工は9回、結局走者を一人出すものの、無得点に終わった。

聖_愛 000 101 008/10
弘前工 000 020 420/8

同じ弘前勢ということもあるが、実はこの両校、去年の夏・秋そして春と公式戦で3度対戦し、3度とも聖愛が勝っている(4-3、3-1、6-5)。「先輩たちのかたき討ちができなかった」とは翌日の地元紙に載っていた弘前工・石村投手の談。あとは後輩たちに託すことになる。

【弘前学院聖愛、その後の戦い】
準決勝 4-8 大湊

これ以上ない劇的な大逆転劇で波に乗るかに見えた聖愛。準決勝も結果的に山口-須崎-小西とつないだが、前半のリードを守れず。打線も大湊のロングリリーフ・高塚投手に要所を締められ、準決勝で姿を消した。甲子園常連校への道を開くか、聖愛の挑戦も道半ばだ。

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