リモート観戦~古豪たちの夏・広島

  • 仲本
    2024年07月28日 22:03 visibility217

リモート観戦記をもう一つ予定していたのが、作成が遅れてしまって、すでに一週間前の話題になってしまった。7月21日に行われた全国のカードの中で、注目していたのが広島大会の4回戦だった。

 

その1:広島商-国泰寺

広島商業といえば広島野球の源流の一つであって、かつて中等学校・高校野球界を牽引した名門。対する国泰寺はユニフォームの左袖、校章の下に「since 1877」の文字が輝く。第1回の夏の選手権大会に出場、それ以来「全国大会から最も遠ざかっているチーム」の一つである。今年は夏のシード権を獲得、躍進が期待された。

 

国泰寺、1回の表は連打で一死1、3塁のチャンスをつかむと、犠牲フライでまず1点、続く打者がレフト線へはじき返す。クッションボールが転々とする間に一塁走者が生還、2点を奪った。広島商もすかさず1回裏1点を返したが、続くピンチは断ち切った。

 

その後は両チームよくしのいで試合は動かない。6回、広島商がようやく同点に追いついたが、国泰寺はこのピンチも継投でかわし、逆転を許さず。

 

緊迫したゲームは9回裏、広島商業が走者を得点圏に進める。ここで4番の一振りがレフト頭上を襲う。サヨナラの走者を還すどころか、お釣りの来る3ランホームランで試合を決めた。

 

その2:呉港-尾道商

呉港は旧制・呉港中学時代に夏の甲子園で優勝している。その時のエースピッチャーがのちのミスタータイガース・藤村富美男。コロナ流行以前、夏の優勝校の校旗は選手権大会期間中、甲子園球場正面近くに飾られていたが、「錨に鎖」の特徴ある校章は現在でも受け継がれているようだ。対する尾道商は春の選抜準優勝2回と、強豪ひしめく広島勢にあっては目立たないが、県東部随一の伝統校。しかし意外にも夏の選手権の出場は1度だけ。夏の復活出場は60年以上の時を越える悲願である。

 

試合は2-0で尾道商業がリードして9回表。呉港は1点を返し、二死ながらなおも1,3塁。

 

右中間への飛球。ライトがダイビングキャッチを試みるも及ばず、二者生還。尾道商はその裏二死から二人の走者を出して望みをつなぐが、最後の打球はサード正面のゴロ、三塁封殺でゲームセット。呉港が土壇場の逆転劇を見せた。

 

試合開始予定は広島商-国泰寺戦が11:30、呉港-尾道商が14:00。ただし試合会場は尾道と三好で全く違う。リモートならではのはしご観戦だった。

 

その後、呉港は準決勝で、広島商は決勝で敗れた。2校に勝った広陵が4季連続の甲子園出場を決めた。終わってみれば前評判どおり…、という結果だが、古豪たちの挑戦はこれからも続くだろう。地方大会バカはやはりやめられない。

 

 

(呉港中学時代の校旗。歴代優勝校の栄光をたたえ、夏の甲子園期間中、球場前に飾られる)

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