3のつく日は三なんとかの日

  • 仲本
    2017年08月13日 22:35 visibility326

夏の全国高校野球選手権大会は第6日。お盆休みに入り甲子園球場は連日盛況の様子。8時開始の第一試合のTV中継をみると外野席上段までかなり埋まっているようだ。

 

阪神電車の駅には9時過ぎの時点ですでに満員通知が出ているが、構わず三宮方面への電車に乗る。第一試合は地元・近畿勢の天理高校が登場する。そのあとの組み合わせを見れば、おそらく若干の観客の入れ替わりがあるだろうから、そこで一人ぐらいもぐり込めるのではなかろうか。

 

球場到着は第一試合の8回だった。入場券売り場は長蛇の列だった。一応外野スタンドをのぞいてみたが、確かに割り込める場所は少なそう。通路に引っ込んでモニターを見ながらやり過ごしているとおなじみのファンファーレが聞こえてきた。天理高校、6-0で大垣日大高校を降した一戦だった。例により右中間スタンド上段あたり、通路から少し入ったところにわずかに並びで空席があったのでそこに座ることにする。はい、ごめんなさいよ。

 

 

第二試合は香川・三本松高校と山口・下関国際高校の試合。こういう、前評判にあまり上がってこないチーム同士の対戦のほうが競った試合になるかもしれないという見立てだ。昔に比べれば、近年の高校球界では中国・四国勢とも全体的にやや元気がないのも似ている(※個人的な感想です)。

 

ところで、三本松ってどこだっけ。学校所在地は東かがわ市という。市町村合併で旧町名のほうが分かりやすいかもしれないと思って調べてみると、引田町・白鳥町・大内町が合併してできたという。なるほどわからん。三本松駅にはちゃんと特急も止まるそうだ。

 

 

しかし学校創立は明治33年にさかのぼり、夏の第一回大会の四国予選にも旧制・大川中学として参加している。中等學校マニアとしてはうかつだった。見逃してはいけない学校なのだ。春の香川県大会に優勝して卒業生には期待感があっただろうが、夏の地方大会を勝ち抜けるかというとそれはまた別の話。実に24年ぶりの復活出場に、一塁側のアルプススタンドはほぼ埋まった。

 

「なんせ卒業生は多いからね~」2,3列後ろから声がする。アルプス席からあふれてきたのか、たまたま今は近所に住んでいるのか。話を聞いているとOGさんとその子供たち世代のようだった。よほどの常連校でない限り、母ちゃんの高校が甲子園に出てくるなんてそうそうあるものではない。

 

先攻・三本松。1番打者がライト線にライナー性の当たり、これをライトがやや処理を誤って打者走者は一気に三塁へ。2番打者の内野ゴロ間にホームイン、あっという間に先制した。2回には大きな当たり。左中間を真っ二つか、と思って打球の行方を眺めているとそのままスタンド前列に入ってしまった。

 

「もうこれで負けてもいいわ~」そもそも甲子園常連校ではないので後ろのOGさんはなんとなく弱気だが、5回までに4点のリードを奪い、先発の佐藤投手も最速140km/hの真っすぐと低めのスライダーを交えて好投する。反撃したい下関国際は5回に目の覚めるようなライナー性の二塁打、これがチーム初ヒット。この走者は還したがつづくチャンスは生かせずに1点止まり。ここでもう1点あげておけば、追う下関に勢いがついたかもしれない。

 

ピンチをしのいだ三本松は6回、7回にも追加点。7回までに9安打で8点というやたらと効率のいい攻めになった。下関国際も小刻みに点を返すと8回には一発スタンドに叩き込み、簡単には引き下がらないところを見せた。点を取り合った割に、試合時間は1時間39分。早め早めの継投が目立つ今大会には珍しく、両チームの先発投手が完投した。

 

三 本 松  110 203 101/9

下関国際 000 011 110/4

 

 

三本松は春夏通算4度目の甲子園で初勝利をつかんだ。勝利の校歌を聞きながらなんかおかしいなと思ったら、3拍子の曲なのにスタンドの手拍子はいつのまにか2拍子に収束しているのだった。そういえば試合途中の校歌演奏の際にOGさんは「うちの校歌はあんまり甲子園に合わないね~」とも言っていたような。そういうことか。

 

 

(アルプススタンド上段に翻る三本松の応援団旗。どこかの大学のラグビー部がこんな色のジャージだったような気がする。香川では旧制高松中・丸亀中に次ぐ歴史を持つ学校ということだ)

 

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