地方大会バカは行く~東兵庫・決勝

  • 仲本
    2018年07月28日 22:53 visibility581

豪雨に酷暑ときて逆走台風と天候に悩まされた今年の7月にあっても、地方大会通いは続く。やはり最後は一つぐらい、甲子園をかけた決勝戦を観戦したい。東兵庫大会決勝は報徳学園-市立尼崎、オールドファンも安心の甲子園常連校と復活しつつある公立の雄との組み合わせとなった。

 

今年の決勝はおなじみの明石公園野球場ではなく、神戸総合運動公園野球場で行われる。阪神電車で三宮まで、尼崎・西宮と両校の地元を走り抜ける。どうも同じ電車には球場へ向かう人もいる様子。さらに神戸市地下鉄に乗って約30分の道のりになる。開始時間の30分以上前に到着できたが、さすがに決勝戦とあってチケット売り場には列ができていた。球場に入るとすでに一塁側に報徳応援団の緑のメガホン、三塁側に市立尼崎応援団のオレンジのメガホンが揺れていた。今日はどちらの応援というわけでもないので、ほぼネット裏に一つ空いている席を見つけて腰を据えることにした。心配された天気は薄曇り、予報では夕方までは持つ。おまけに連日の猛暑も和らいだようだ。

 

両チームはエース左腕を先発させた。先攻・市立尼崎は1番東野がストレートの四球を選ぶと、2番中田が初球で送りバントを決める。3番松田がレフト前ヒットで一死1,3塁といい展開。4番・名田の当たりはピッチャー返しのライナー、投手・渡邊はグラブをはじかれるが、足元の球を拾い直して一塁アウトにする。三塁走者はもちろん動けない。

 

5番白石もレフトフライに退けて、報徳はここを無失点で切り抜けた。

 

市立尼崎は2回も一死2塁とするが、捕手からのけん制で二塁走者が刺される。走者を出せているうちに点をとっておかないと、と思って見ていると、報徳・渡邊投手のマウンドさばきに落ち着きが出てきた。一方、市立尼崎の竹中投手はこの日変化球の制球よく、カウントを整えることができた。報徳打線に連打を許さない。

 

0-0で前半を折り返すかとも思われた試合は5回の裏に動いた。9番・大崎がライト線を破る二塁打を放って上位につなぐ。四球とヒットで一死満塁。3番長尾の引っ張った打球は高いバウンドの一塁ゴロ。しかし打球は一塁手のグラブの下を潜り抜け、ライト前へと転がった。走者に気を取られて一瞬目を切ってしまったか、あるいは最後のバウンドが少し沈んだかもしれない。

 

二塁走者も猛然とホームへ。報徳が2点を先制した。

 

市立尼崎もこれ以上離されるわけにはいかない。7回は痛烈なピッチャーライナーを竹中投手がのけぞってつかみ、一走と併殺。8回はショートの頭上を襲ったライナーを森田選手がジャンプして好捕。

 

好守で流れを呼び戻して攻撃につなげたい市立尼崎はイニングごとに大きくなる声援の後押しも受けるが、走者を置いてあと一本が出ない。

 

9回、市立尼崎は二死からセカンド後方、センター前にポトリと落とすヒットで粘りを見せるが、最後の打者がレフトフライに倒れて試合終了。投げ合いを制した報徳・渡邊投手は6安打2四球で完封した。市立尼崎は結局2回以降三塁を踏めなかった。試合時間は球場の時計で1時間36分。

 

 

市尼崎 000 000 000/0

報_徳 000 020 00x/2

 

勝った学校のOBたちがそこここでおめでとうを言い合い、休暇の算段を始める。決勝戦ならではのスタンド風景だ。新旧強豪が入り乱れる兵庫にあって、報徳学園が夏を制したのは意外にも8年ぶりとのこと。

 

(市立尼崎、あと一歩及ばず)

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