いざ、甲子園~お百度参り・特別編

  • 仲本
    2019年03月24日 20:51 visibility561

子供のころは今とは比較にならないくらいに高校野球の中継を見ていた。

変わったユニフォームの学校があった。胸のマークは緑色。夏の光に照らされると、目がチカチカするような鮮やかさだった。また見たいなあと思っていたが、いつしかその学校は甲子園にやってこなくなった。

 

鳥取県・米子東高校。地元ではむしろ進学校として有名で、それでいて春の選抜では準優勝の経験もある。夏の大会では第1回の予選から欠かさず参加する数少ない学校だ。それもこれも、みな後で知る話である。

 

その学校が去年の秋の大会で勝ち進み、中国大会で準優勝した。堂々の一般枠での選出で、23年ぶりの春である。

 

この日は日曜日ということもあり、アルプススタンド周辺には入れ替えを待つ人垣ができていた。チケット売り場にも行列ができていたが、アナウンスによれば次の試合のチケットを売り出すかどうかは第二試合が終わってどれくらい抜けるかで決めるという。幸い、春の選抜大会では今年も変わらず外野席が無料。迷わずそちらへ向かった。

 

対戦カードは米子東-札幌大谷。選抜大会にはよくあることだがこの日は風が冷たく曇り空。私はほぼ冬の装備で球場にやってきた。もともと寒い地域の学校同士だからこのあたりはむしろ好都合だったかもしれない。

 

札幌大谷は初出場ながら、秋の北海道大会に加えて神宮大会でも優勝という実績をひっさげてやってきた。投手陣が豊富だという評判で、この日は右サイドスローの太田投手を先発させてきた。フライボール革命がなんだ、上げれるものなら上げてみろ、というわけである。伝統の六大学スタイルの応援に乗って、先攻の米子東は1回、ヒットの走者を3塁まで進めるが、決め手がなく無得点。その裏の札幌大谷は先頭打者がレフトスタンドに打ち込んであっという間に先制する。その後のピンチは二塁手が飛球を背走しながら好捕して事なきを得たが、どうやら札幌大谷が押し込みそうな雰囲気だ。

 

米子東は3回、1死2,3塁から内野ゴロ間に1点返して同点。ショートがよく追いついて1つアウトを取った。抜けていれば二者還って逆転、または最低でもなお1,3塁となっていただけに、米子東としては惜しまれるところ。札幌大谷は1点を勝ち越すとさらにセンター頭上をライナーで襲う長打、さらにタイムリーが続いて4-1とした。

 

点差をこれ以上つけられるわけにはいかない。米子東の先発・森下投手はさほど球速があるわけではないが、粘り強く投げ続けた。

 

米子東はセンター中心にゴロを打ち返した。これも一つのセオリーではある。しかし打球はことごとく投手と二遊間にからめとられた。太田投手は四死球で走者をためることもあり、つけ入るすきがまったくないわけでもなかったが、5回以降はヒットが出なくなった。札幌大谷の外野手は暇だったろう。

 

結局4-1のまま試合は終わった。米子東にはもう一つくらい得点機を作ってほしかったが、神宮大会優勝校を相手に善戦した、というべきか。

ところで、甲子園球場はスコアボードが改修となり、ご覧の通り数字の特徴が消えてしまった。寂しいことである。まあ、手書き時代の明石球場的な雰囲気になったと思えばよいのかもしれない(だれがそんなこと覚えてるもんか)。

 

(ポジションにつく前にグラウンドに一礼)

敗れはしたが久しぶりの甲子園出場で、一部マニア以外にも米子東の印象度が上がってくれれば何よりである。

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