辰巳八景
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まこと@古希ジョッパークライマー
2020年01月28日 06:51 visibility173
”辰巳八景” 山本一力著 新潮社
江戸・深川の人々の人生を描いた8短編集。
本作品集で印象深かったのは「やぐら下の夕照」
飛脚宿・遠藤屋の主・良三には十五の時、
父・亮吉に問われて以前考え出した1つのアイディアがあった。
先細りな飛脚への依頼件数を取り戻す方策だった。
くじ引きで選ばれた六十名の若者が五年間、
月に2度までくじで定められた相手に手紙を無料で届けてもらえる、
という顧客開拓のためのアイディアである。
このくじに、良三自身も応募し、当選した。
手紙の相手は弘衛という、男のような名前を持つ娘だった。
月に2度、見たこともない相手に手紙を書くことは、
当時の若者にはどれほどの緊張と喜びを与えたのだろうか?
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