”短夜の髪” 澤田ふじ子著 光文社
舞台は江戸時代後期の京。
古道具屋「柊屋」に持ち込まれる品々を通し、
京の市井の人々の人生模様を描く短編集。
時代とともに変わっていく骨董鑑定の世界を始め、
本当に細かなことまで調べた上で書かれており、
蛤御門の変で焼ける前の京の街、
人々の暮らしが見えてくる。
”危ない橋”は柊屋が藩士の危機を救う話で、商人に救われた武士が
江戸時代には結構いたのではないかと思った。
それにしても現在このような良心的な骨董屋、美術商は少なく
顧客を欺いて儲ける者も多いと思われる。
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