インサイドワークの再定義

出身高校の同窓会の常任幹事というものになってしまって、
土曜の活動に制約がでてしまって頭を抱えている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。


インサイドワークというと、キャッチャーの配球についてのことというのが一般的な定義なのではないかと思います。
しかし、私はその定義の仕方に疑問を持ちます。


キャッチャーの配球、ということに焦点を当てても、
現在、いわゆる「配球パターン」であったり、「配球の定石」というのが出回っているので、
その顕在化してしまっている配球をインサイド、つまり潜在化しているワークといっていいものだろうか、ということに疑問を感じてしまいます。


逆に、どこにボールが飛んでくるのかを状況から判断して、
打球が飛ぶ前に予測するのは、これもまた、インサイドワークといえるのではないのだろうか?
と思うのです。


インサイドワークの優れているという選手を定義すると、
瞬時の状況判断ができる、その状況に応じた「配球パターン」であったり、「配球の定石」を使いこなせたり、「守備陣形」であったり、「守備のシフト」を敷けるプレイヤーと定義できると思うのです。もちろん、打撃面でも、キャッチャーの配球を読んで待ち球を切り替えるというのもまた、インサイドワークの一つだといえると思います。


私は、そう考えていくと、
ピッチャーを除く8名の野手をどのように振り分けるか、というのを考えると、
やはり、インサイドワークの優れている選手が全員いるのであればいいのですが、
少なくとも、4人は必要であると思います。

そのポジションがキャッチャー、セカンド、ショート、センターの4つのポジションだと思います。

キャッチャーはもちろんのことで、
現在、私が思うにインサイドワークがボロボロなキャッチャーが結構います。
逆に、インサイドワークに長けているキャッチャーが打撃面が弱い、逆に強すぎるなどの理由でキャッチャーとして使われないというのもまた多くいます。

具体例を出すと、その選手を応援している方々への失礼にもあたりますので、言及を避けたいと思います。


セカンドやショート、センターはなぜそのインサイドワークが優れていなければならないのか、
ということですが、
この3つのポジションはバッテリーを除く他のポジションに比べると、圧倒的にカバーリングが多いのです。

特に、二遊間に関しては、打者によってシフトの敷き方を変えて、さらにそれによってベースカバーの仕方も変わってきます。それゆえ、内野の中でも非常にインサイドワークに優れている選手が起用されなければならないポジションであると思います。


そして、センターは、俊足強肩のイメージがありますけれど、
それは、あくまでも、
「レフトやライトがどんなに頑張っても取れない(取れなかった)ボールをセンターがとる」
というのが本来のあるべき姿なのかな、と思うのです。


たとえば、フェンス直撃か?という大飛球がレフトに飛んだとします。
レフトの守備は二通り考えられるのですが、
一つは、ダイレクトキャッチを敢行する、
もう一つは、確実にランナーを進塁させないようにクッションボールの処理を心がける、
という二通りです。
打球の場所にもよりますが、私は、少しでも可能性があるのであれば、
そのレフトはダイレクトキャッチを敢行して行くのがいいかなぁ、と。
そして、センターはそのカバーリングをするために、レフトが捕球できなかった場合の状況を想定しながら打球を追う、というのが理想的かな、と。

そのためには、センターは少しでも一歩目を早くするために、
ボールとバットのミートする角度などの情報から落下地点を推測するというインサイドワークが必要になってくるのです。


つまり、センターラインこそ、他のどんなことよりもインサイドワークに優れている選手を優先的に使わなければならない大事なポジションであると思うのです。


逆に、センターライン以外のポジション、
ファースト、サード、レフト、ライトの4つのポジションをサイドラインと定義いたしますが、
サイドラインに関しては、インサイドワークよりもフィジカルやスキルを優先してもいいのかな、と思います。
身体能力が抜群であれば、思い切ったプレーをやれます。
乱暴な言い方をすれば、守備範囲が広い選手にサイドラインを守らせた方が、あとはセンターラインの選手が尻拭いできる、と。そんな風にも思います。


野球は、集団のスポーツですが、対人ゲームでもあります。
将棋の糸谷哲郎竜王が、
「最終的に対人ゲームは相手をミスに追い込む」
と言及していたことに、なるほどな、と思いました。

個人同士の対人ゲームであれば、相手をミスに追い込んだらそれで対人ゲームは勝利できますが、
集団のスポーツになると、一人がミスを冒しても、ほかのプレイヤーがそのミスを帳消しにすれば負けないのです。
つまり、リカバリーができればミスはミスにはならないのです。
そうすると、ミス覚悟でも、相手を脅かすフィールディングをするプレイヤーは、
比較的カバーリングを考えなくてもよいポジションであればいいわけで、
逆に、カバーリングを考えるポジションこそ、そのミスを帳消しにするプレイヤーでなければならないわけです。
ここが、集団のスポーツの楽しさ、面白さだと思うのです。


では、センターラインがインサイドワークよりもフィジカルに優れた選手であると、どうなってしまうでしょうか。
第一に、フライを追いかけてのプレイヤー同士の衝突が考えられます。
二遊間とセンターがカバーリング第一のポジションであるということを考えていれば、
サイドラインの選手が「我こそは」とフライキャッチを試みるときに譲ることができるのです。
しかし、どちらもフライキャッチを試みたら、衝突が想定できますね。
そうすると、ボールを正確にキャッチできる確率が下がり、ミスを誘発してしまいます。
第二に、サイドラインの選手が難しい打球をダイレクトキャッチしようと試みた時に、
「この打球はさすがに俺じゃとれないや」
と我関せずの姿勢でいると、万が一捕球できなかった場合に、あとのプレーが遅れ、
走者をより深い塁に進めてしまう可能性が高くなります。

そのほかにも、想定できうる悪い状況はあると思います。
それを考えると、どうしても、センターラインは、何をしてもインサイドワークが優れたプレイヤーを優先的に使うことがより負けないチームを作るには必要なのかな、と思います。


今日のところはこんなところで。

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