セのDH制導入は反対
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ムサベン代表T.KATOH
2020年12月15日 14:33 visibility634
セパの格差が著しくなり、セリーグのDH制導入が叫ばれるようになった。
しかし、私はセリーグがDH制を導入してしまうと、どうしても2004年の球界再編問題以来の1リーグへの議論からの球団数削減の議論も出てきてしまうのでは?という危惧を覚えます。
第一、制度的に同様のレギュレーションで行ってしまってはリーグの存在意義が消えてしまい、結局のところ1リーグ制で良いのでは無いか、12球団をディビジョンで分けた方が良いのでは?と、どんどん収斂していく方向に傾くのではないかと思ってしまう。
セリーグを改善するとしたら一つ。
予告先発投手の廃止
セリーグは2012年シーズンから予告先発投手制度をファンサービスの一環として導入したが、その2012年の讀賣が日本一になって以降、2013年から2020年に至るまでパの日本シリーズ出場チームが日本一になっています。
そもそも予告先発投手は必要なのだろうか?
私の答えは
「パリーグには絶対に必要だけれど、セリーグには不要」
です。
そもそも、セリーグは改革する必要性が全くなかった人気コンテンツでした。
「お茶の間でお父さんがビール片手に巨人戦を見る」
これはいわゆる昭和から平成初期までの一風景だったのではないでしょうか。
そんなセリーグの人気に抗うためにパリーグはDH制を導入します。その後、前後期制など、真新しいことをやって注目度を上げる努力をしてきています。
そんな中、こんな事件が起きてしまいます。
これは1982年8月12日の阪急対近鉄での阪急のスターティングラインナップです。
(中)福本
(左)吉沢
(右)簑田
(二)マルカーノ
(指)山沖
(一)高井
(三)島谷
(捕)中沢
(遊)弓岡
(投)永本
上田監督は5番に指名打者山沖投手を起用しました。
いわゆる「当て馬」「偵察要員」でした。
山沖投手は2日前に先発登板していたため、この日は登板機会が無かったのでしょう。
しかし、
野球規則〈6.10b〉の(2)
「試合開始前に交換された打順表に記載された指名打者は、相手チームの先発投手に対して、少なくとも1度は、打撃を完了しなければ交代できない。ただし、その先発投手が交代したときは、その必要はない。」
に抵触してしまい、上田監督は山沖投手に代打を送ろうとするも、認められず山沖投手はそのまま出場することになり、あえなく三振してしまったようです(私が生まれる前の出来事なのでw)。
そして私が生まれた1985年にパリーグはファンサービスの一環として日曜日の試合のみ予告先発投手を実施するという試みがあり、1994年からは毎試合実施するということになりました。
ファンサービスの一環として
なのですが、何故これがウマくハマったのでしょうか。
前述の山沖投手に代打を出せなかった野球規則〈6.10b〉の(2)ですが、予告先発投手とすることにより、指名打者に対して「偵察要員」を起用する必要性が全くなくなるのです。
はじめはファンサービスの一環として導入した制度ではあったものの、実は野球規則と絡めれば非常に理に適った制度だったのです。
つまり、予告先発投手というのはファンサービスの一環として導入した制度という認識のままセリーグに導入したところで不必要なものだということはご理解いただけるでしょうか。
パリーグは常にセリーグの人気に抗うために
「革新的にならざるを得なかった」
のです。
そして2004年の球界再編問題をきっかけにパリーグが一致団結し、パ・リーグTVなどいろいろな手段でファン獲得であったり、パリーグを見てもらう努力をし続けてきて、今や「実力のパ、人気もパ」と一部で言われるような状況になってしまっています。
セリーグを強くするためにパリーグが今まで試行錯誤して確立させてきた制度をセリーグが丸パクリして本当にセリーグがパリーグに追いつくのでしょうか?
セリーグはセリーグのやり方でパリーグとは一線を画した運営をしてもらいたいと思います。
そのためにもまずは原点回帰として予告先発投手の廃止を考えてもらいたいと思います。
パリーグはセリーグのために「革新的にならざるを得なかった」と言及しましたが、セリーグはセリーグで「保守的にならざるを得ない」状況にあると思います。
これでパリーグの制度を全面的に受け入れれば、セリーグの存在意義がなく、いわば自殺行為になります。
パリーグが次々に新しい野球をやる立場に行くのなら、セリーグは脈々と伝統的な野球をやる立場で行く。
私はそれこそ2つのリーグが存在する意義があると感じます。
- 事務局に通報しました。
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