宇賀神の構築記事-11

・はじめに

 

 今回は「僕は実数値に漬け込むこと以外で初見殺しはしない」という内容の記事を書きました。ランクマッチでどういうポケモンを使えばいいか迷ったことって誰もがあると思います。その中で、Twitterのフォロワーとやり取りをしていると、「読まれないのが強い」と言っている人とか、見たことありませんか?僕は見たことあります。昔フォロワーが3000人とかいたことがありましたので。

 

 基本的にPokémon VGCにおいて僕は実数値に漬け込むこと以外では初見殺しをしません。自分で意図して初見殺しはしないということです。結論から言ってしまえば理由は「技や持ち物がわからない前提でポケモン使っても上位では通用しないから」です。それでは初見殺しが何故通用しないのでしょうか?

 

 

・上位に行くほど同じ相手との再戦が増える

 

 ランクマッチの性質上、上に行くほど同じ相手との対戦数が増えます。そうなると初見殺しは1回通用した戦術が再戦では通用しない可能性が高いです。1回目はそれで勝てても、2回目以降に戦うとその戦術はバレているので、相手に読まれない前提で動かしたポケモンは不利になります。

 2回目以降に不利に働くのに初見殺しに走っても勝てるようにはなりませんね?技や持ち物が割れている状態で戦う機会が増えれば、後述するオープンチームシートの練習にもなりますのでこの機会は上手く利用したいです。

 

 また、道具ですが、隠密マントのように相手の行動を誘導できるものや、拘りスカーフや黒い鉄球のように素早さ関係を変えて、持ち物が割れていてもどうしようもない状態にできるものという使い方にすれば、再戦になっても対応できていいと思います。

 

 

・読まれたときどうするのか答えられない人がいた

 

 「読まれないのが強い」と言われたときに、僕は「それ読まれたらどう動くの?」と聞き返すようにしています。そこでそのポケモンの汎用性を確認できるからです。答えられれば汎用性を犠牲にすることなく次の動きをしっかり決めた上で使っているんだなと分かる訳です。答えられないと相手の動きに順応できないのでポケモンが弱すぎるんだな、プレイヤーとしてのスキルが低いんだな、そのポケモンで2桁順位に入っても恐らく実力ではないんだな、或いはその全てに当てはまると分かります。

 

 初見殺しでしか勝てない人は一生上位帯で戦うことはできないと断言します。

 

 

・僕も初見殺しをしていた

 

 僕はPJCSを初めて予選抜けしたのは2023年のときです。当時のレギュレーションCの環境には、パオジアン・イーユイ・ディンルー・チオンジェンがいてその4体全てに弱点がつけるという理由でPJCS開催直前にフォレトスを採用していました。

 

 フォレトスのロックブラスト、ミサイル針などのウェポンを相手は一切考慮しないで動くので恐ろしい程にメインウェポンが刺さっていました。しかし、このフォレトスは強いのか?フォレトスの技が読まれたらどうするのか聞かれたときに僕は答えることができないので正直弱いと思います。

 

 相手の動きに順応できる強さをこういうマイナーポケモンは兼ね備えていないことが多いです。技が読まれないからということでフォレトスを使って予選抜けを目指そうとしていたときでした。喰い断というダブルバトル配信者がフォレトスをピックアップしてしまいました。フォレトスの強みがバレてしまったのです。これではPJCSは戦えません。仕方がないので僕はドドゲザンを使いました。

 

 フォレトスに限らずマイナーポケモンはバレると弱いのです。このことがあってから、「読まれないのが強い」とTwitterのフォロワーに言われても僕は一切信用しなくなりました。こんなことをしても絶対に上位では通用しないのがわかってしまったからです。やることがわかった上での強さを、プレイヤースキルとして僕自身が身に付けないといけないとPJCS開催1週間前に知らされました。

 

 フォレトスをやたらと持ち上げていましたが、正直みっともないです。恥ずかしいです。

 

 

・結果的に初見殺しになってしまったのはいいのか?

 

 いいと思います。初見殺しのつもりで使わなければ、「相手に読まれない前提で動く」ということを自然としなくなります。ランクマッチでも上位に行くほど同じ相手との再戦が増えるので自然と読まれない前提でポケモンを動かさなくなっていきます。

 

 技構成や持ち物、テラスタルまでが割れている状態での対戦方式であるオープンチームシートというものがありますが、実数値まではわからないので、そういう「どうしても見えない部分」に漬け込もうとする姿勢はいいと思います。PJCS2024本戦を勝ち上がり、世界権利を初めて掴んだときにオープンチームシートを初めて意識しましたが、技構成や持ち物やテラスタルが割れている状態で無理矢理勝つならば「実数値までは見えない」という対戦方式の穴を突くしかありません。

 

 言い方を変えれば僕が使う初見殺し要素は本当にここだけです。これだけしか使いません。結果として初見殺しになることはクローズドBO1という対戦方式の性質上どうしてもあるのですが、自分が意図して技構成と持ち物は読まれない前提で使うということはフォレトス以降は本当にしなくなりました。

 

 

・最後に

 

 僕はHard Trick Roomを好んで使います。イエッサン♂オオニューラの並びに、トリックルームを封印されてしまうので、その対策としてガチグマに吠えるを仕込んで相手のイエッサンに封印されても強制退場させていますが、オオニューラが地獄突きをしてきてガチグマが吠えることができずに終戦するというのが何度かありました。

 

 イエッサン♂とオオニューラを憎みすぎてて思いついたのがエアームドでした。エアームドはオオニューラのフェイタルクローが無効であることと、自身が吹き飛ばしを覚えるので封印にも強いです。それでいてイエッサン♂のメインウェポン2種を半減以下にできますので、封印されなくてもこちらが損することはないと考えました。とはいえ、エアームドは攻撃種族値が80しかありません。如何せん火力が足りなすぎるので結局採用できていませんが、どうしようもなくなったら採用を決めると思います。

 

 火力は足りなすぎますが、レギュレーションHでは封印してくるポケモンがエスパータイプしかいませんので、封印対策はほぼほぼ完璧であると思います。唯一防げないのは特性がマジックミラーのエーフィくらいでしょう。しかし、エーフィは当たったら事故であると過言ではないくらいに環境にいないので、そんなポケモンまで対策する必要はありません。仕事と同じで物事に優先順位をつけましょう。

 

 こういう感じの提案をされると僕も使うかどうかものすごく悩みます。お互いに知見も拡がりますので良いこと尽くしだなと思いますし、そういうものを目指していきたいです。

 

 とりあえず、ポケモンを読まれない前提で使うのだけは基本的に良くないです。特定の相手を憎んでいてそのポケモンへの回答として出てくるマイナーポケモンは説得力があるのでちゃんと戦えると思いますし、そういう提案ができるといいなと思います。

 

 

 

   「読まれないのが強い」は、弱いです!

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