宇賀神の構築記事-13

お疲れ様です。宇賀神翔です。

今回は構築記事を唄っているものの、構築の紹介はしません。今回語るのはこのポケモン、ぺリッパーです。

 

 

 

・雨は晴れトリックルームの天敵

 

 僕はXYの頃から10年(2年くらい空白期間がありますが)、トリックルームを中心とした構築(以下TRと表現)を使用しています。そのとき、構築の核となるのは毎回ヒードランやコータスといったポケモンでした。2匹とも炎タイプなので、自動天候塗り替えで天気を雨にしてくるぺリッパーやニョロトノは天敵であり、相手するのがかなり面倒臭いです。炎タイプの技が雨により半減されてしまうので、手動天候塗り替えでもしない限りは噴火や熱風といった純粋な火力の押し付けや、晴れ天候によるソーラービームや草Zといった相手にとって想定外の変化球が使えなくなります。

 

そりゃ雨はキツイですよね。やりたいことがやれません。でもどうにかして嫌いな相手でもきっちり倒せないとPJCSの予選は戦えないのです。

 

 

・ポケモンSV(9世代)にてぺリッパーが爆増

 

 ポケモンSV(9世代)に入り、いつからかニョロトノに代わってぺリッパーが増えました。いつ頃からぺリッパーが増えたのかわかりません。8世代の頃から多かったのかもわかりません。知らない間にかなり数を増やしていました。しかもレギュレーションFになってからはブリジュラスと徒党を組んで登場するぺリッパーがかなり多くて悶絶していました。

 

 それもそのはずです。コータスで噴火してEZ WINがしづらくなっていましたので(このときからガオガエンの存在や、手動雨トルネロス、タケルライコ、テラスタル炎のゴリランダーが多く、炎技の刺さりが悪かった)ブリムオンを酷使していました。

 

 ぺリッパーなんかが相手の手持ちにいたらまずコータスは出せません。雨構築相手にコータスを出すのは敗退行為ですからね?炎技しか強くないのに、その炎技が通らないのでコータスはどんどん選出機会が減っていました(下手くそなTR使いは雨構築を相手にコータスを選出して自爆していた)。世界権利を取った構築にもコータスはいましたが、やはりあまり選出はしませんでした。コータスがあの有り様なのでブリムオンが過労死しそうになっていました。勿論出した試合はちゃんと活躍してくれましたが、本当にコータスは選出しづらく、炎単タイプなのとHP管理をしないといけないので受け出しも大変難しいです。

 

 

・レギュレーションGでもぺリッパーは強い

 

 禁止伝説を手持ちに1体だけ入れられる対戦方式、レギュレーションGでもぺリッパーは数を減らすことなく猛威を振るっていました。コータスの炎技の通りが悪くなるのと、こちらの高火力の全体技をワイドガードで妨害してくるのでTRの天敵として立ちはだかりました。

 

 第1次レギュレーションG末期では、ぺリッパーブリジュラスと5戦連続で戦わされた後に別の構築を挟んでまた6連続でぺリッパーブリジュラスと戦わされて脳みそがぶっ壊れました。本当にぺリッパー、多すぎます。第1次レギュレーションG最後のシーズンは最終27位でしたが、あれだけぺリッパーに苦しめられてしまうと、PJCS予選がレギュレーションGだった場合、全く通用しないだろうなと思いました。その前のシーズンでは久々に最終4桁で終わる惨敗ぶりで、やはりしっくりきませんでした。

 レギュレーションGは構築を組むのが本当に難しいと痛感しました。禁止伝説が軒並みモロバレルに弱いポンコツぶりなので、禁止伝説を介護するのが難しいです。

 

ぺリッパーは面倒臭くて、それでいて強い。TR構築を使いながらPJCSの予選を抜けるならば、絶対に軽視してはいけないポケモンです。

 

 

・ぺリッパー、何故強いんだ?

 

 僕のTwitterのフォロワーに安部くんがいます。彼もTR構築を10年くらい使っているのではないでしょうか?彼もまた、ぺリッパーに脳みそを破壊された被害者の1人です。

 

「こいつ情報面で踏み倒しすぎやねん!マジで頭おかしいやろ」

 

 禁止伝説、準伝説が使えない対戦方式、レギュレーションHの配信にて、安部くんがぺリッパーに悉く連敗して漏れ出た悲痛の叫びでした。

 

 TR使いにとってぺリッパーは憎むべき敵なのです。最も憎むべきはモロバレルですが、恐らく次点でぺリッパーであると思います。レギュレーションFでもレギュレーションGでもTR構築はぺリッパーに苦戦していましたが、遂に初見殺しのオンパレードであるレギュレーションHにて安部くんが発狂してしまいました。ぺリッパー、恐ろしすぎます。

 

 レギュレーションHが2025年1/6に終了し、1/7より第2次レギュレーションGが始まりました。第1次レギュレーションGで使っていた構築をそのまま使っていました。瞬間1位をとったりしましたが、プレイングが噛み合っているだけで、ゴリランダーガオガエンがキツイのとか、ザマゼンタの択ゲーを仕掛けられて悶絶したりと、本来ならカモにしないといけない相手が非常に重かったりと、課題が解決できていませんでした。かといって他に有用そうなのもいなくて困りました。このときに、安部くんの悲痛な叫びを思い出しました。

 

「実際安部くんの叫びはその通りだし、おれ自身もぺリッパーやゴリランダーガオガエンのサイクルはキツい。ぺリッパーやザマゼンタに択ゲーを仕掛けられるのもキツイし、ガオガエンやゴリランダーにサイクルされるのもキツイ、結構何とかなってないなあ、やばいぞ」

 

レギュレーションHと違ってテツノカイナがいますので、ガオガエンゴリランダーを処理する為には格闘技がほしくても、ガオガエンゴリランダーに中々技を当てにいけないという悩みもありました。

 

「なんでぺリッパーこんなに鬱陶しいんだろうなあ、ちょっと自分で使ってみようかな」

 

まずは自分で使ってみるのが早いと考え、早速厳選して育成し、40戦ほど試運転しました。すると、恐ろしいことがわかりました。

 

「こいつは、強力すぎる…!」

 

勝敗は30勝9敗、PJCS予選ならばレート次第で十分予選抜けが狙えます。ただの噛み合いでなく、ちゃんと納得のいく勝ち方ができました。ガンダムF91でヴェズバーを使用したシーブックの心の声ですが、ぺリッパーを使ったとき、まさしくそんな気分になりました。こいつは、やばいです。

 

まず、技の範囲が狂っています。ウェザーボール水と暴風で現環境の殆どの相手に等倍で技を当てられます。TR構築が苦手とするゴリランダーガオガエンはぺリッパー単体で見ることができます。等倍でダメージが入れられないのはブリジュラスとタケルライコくらいだと思います。技範囲がもう、おかしい。

 

火力も中々にえげつないです。命の珠を持たせれば雨天候下のウェザーボール水で殆どの相手が飛んでいきます。暴風もザマゼンタに強いのでテラスタイプによっては致命傷にできると思います。C実数値は161しかありませんが、先述のように、相手できる範囲の広さと天候により、数字以上のパフォーマンスを発揮します。でもぺリッパーが1番やばいのはここではありません。

 

ぺリッパーが1番やばいのは、このコマンド力を持ちながら、コノヨザル以上の火力を持ち、グレンアルマより広い攻撃範囲があり、型に秘匿性があるところです。

 

予選は相手の手持ちしかわからないクローズドチームシート(以下CTSと表現)で行われるのですが、ぺリッパーは持ち物や技構成が多種多様で型の判別が困難を極めます。

 

持ち物は気合の襷、隠密マント、命の珠、防塵ゴーグルと分散しており、テラスタイプも地面、草、霊と分散しています。技構成も暴風、ウェザーボール、ワイドガード、守る、手助け、追い風から選択になるのでしょうが、この中から技を4つ判別するのは難しいです。

 

 ぺリッパーと対戦すると、「ワイドガードしてくるだろうけどここで全体技を撃ってしまえ!」という動きをするとそのまま通ってしまうことがあると思います。ワイドガードをしない個体なのかなと思っても、本当にワイドガードを切っているかどうかわかりません。ワイドガードをしたから守るがないのかと思いきや両方してくる、なんてこともありました。ザマゼンタにも似た性質がありますが、この辺がぺリッパーの型の秘匿性という強さがあると思います。このポケモンに対しては安定択を取ることは不可能に近いと思います。

 

 OTSであの強さなので、CTSのぺリッパーなんか手がつけられません。そりゃあ皆使うよな、と納得できる強さでした。ハバタクカミは僕がTRを使う関係上、「構築に入れないことに理由が必要」と言われていても理解ができませんでしたが、ぺリッパーの強さはわかりやすかったです。バカでも勝たせてくれる強さですねこれは…。数字以上のパフォーマンスを見せてくれる。本当の意味での踏み倒しです。

 

 あらゆる可能性を想定しないといけなくて、見えない択に縛られてしまって、やりたいことができないのは対戦をする上でかなりのストレスになる訳です。それでいてあの範囲とコマンド力なので、弱いわけがありません。攻撃に参加してしまえばタイプ一致のウェザーボール水や暴風がそのまま通りやすいなんてこともありました。

 

 僕はTR構築を愛用していますが、これがスタンダード構築だったらぺリッパーが拘りスカーフを持っている可能性とかも考えないといけませんよね?頭おかしいです、狂っています、こんなの一々やってられないと思いました。

 

 もう1度言いますが、あの範囲とコマンド力なので、ぺリッパーが弱いわけがありません。これが安部くんが吐き捨てた「踏み倒し」です。あまりにも凶悪なので、ぺリッパーには越界(日本語で踏み倒しの意味)というNNをつけました。

 

 

・終わりに

 

 今回はぺリッパーの凶悪さについて語りました。ぺリッパーがあまりにも狂っているので、心苦しいですがコータスは第2次レギュレーションGにて構築から外れることとなりました。恐らく次回作まで使うことはないと思います。

 

 本当に心苦しい。こんなことになってしまいましたが、2年連続で予選を抜けたりここまでやってきましたので…、でもレギュレーションGの構築にはランクマッチでコータスを使う相手がいないので、グレンアルマも入れていませんし、グレンアルマを使う意味も薄いです。そうなるとますますコータスは居場所を失くしてしまう訳です。

 

 ぺリッパーは今回まで全く使ったことがありませんでした。実際に使ってみても、自分でも情報面で踏み倒しているのを実感しましたし、TRが苦手とする相手を見ることができるのが良いと思ったので、今後も使うと思います。TRを愛用する人は1回でいいのでぺリッパーを使ってみてほしいです。自信をもってお勧めできる凶悪なポケモンです。

 

ありがとうコータス。お疲れ様コータス。

本当はもっとお前と一緒に戦いたかった。

3年連続の予選抜けを目指したかった。

でももうそれができなくなってしまった。

おれを許してくれ。

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