勝者には劇的、敗者には残酷な結末

  • Mr.black
    2014年07月23日 11:10 visibility1130

刈谷球場で観戦後、その夜は名古屋市内で宿泊。翌朝も高校野球愛知大会観戦に向かいました。

まだ2回戦なので試合会場は多数あり、迷った挙句「小牧市民球場」を選択。これが劇的なドラマとの出会いを招きました。



小牧球場はアクセスが悪く、移動に手間取りました。その影響で到着時には既に試合が始まっており、1回裏攻撃中で1-1の状況でした。

この日の第一試合は「小牧南ー木曽川戦」。



1塁側: 小牧南(以下、小牧と表示)。県立校。

野球部員の数は多く、公立の中では結構強い様子。


白無地ユニに濃紺基調のシンプルデザイン。

胸マークは二段で「KOMAKI MINAMI」。





小牧のエース、鈴木投手は写真のように野茂英雄ばりのトルネード投法。こういう投法を高校野球で見るのは久しぶりでした。




3塁側: 木曽川高校。「岐阜県?」と思うような校名ですね。一宮市にある県立校です。

こちらのエース、中間投手はオーソドックスな右オーバースロー。(スリークォーター気味)


白無地ユニに濃紺基調という小牧と良く似たデザイン。胸マークは「KISOGAWA」。

両校の違いはストッキング。小牧は濃紺一色、木曽川は白でくるぶし辺りに細い濃紺ライン2本入り。これで見分けていました。




到着間もなくの2回表、木曽川は1点勝ち越し。

更に5回表には2点を取って4-1と優勢に。一方の小牧はランナーは出すもののいまひとつ攻めきれず、9回表まで4-1のまま。

8回裏に小牧はせっかく出たランナーがまずい走塁で刺され、敗色が濃厚になりました。私の近くには小牧の関係者(OB?)らしき人たちがたくさんおり、ため息が出ていました。



ドラマが訪れたのは9回裏。追い詰められた小牧ですが、ランナーが2人出塁。ピンチで集まる木曽川ナイン。

この後、走者一掃の3塁打が飛び出し、3-4と1点差に詰め寄る小牧。劣勢から一気に押せ押せの雰囲気になります。



これで力んだか木曽川の投手が次打者にワンバウンドの投球。キャッチャーが止められず後逸。3塁ランナーが生還し、あっけなく同点に。

1塁側スタンドからバックネット裏までが大騒ぎになり、球場の雰囲気は完全に小牧を後押ししました。地元の球場なのでこういう展開になると有利ですね。



なおもランナーが1人出塁。

ここで次打者が思いっきり振りぬいた打球は一気にレフトスタンドに飛び込んでいきました。

大逆転勝利を決めるサヨナラ2ランHR。(スコアは6-4)

躍り上がってベンチから飛び出す小牧南の選手達。

私も数多く高校野球の試合を観戦し逆転サヨナラは何度も見ましたが、HRによる決着は初めてでした。




歓喜の小牧南に対し、その場に崩れ落ちる木曽川バッテリー。

木曽川の中間投手はそのまましばらく立ち上ることが出来ませんでした。



ようやく立ち上がり、支えられながらマウンドを降りる同投手。

しかし応援団への挨拶後も涙は止まりませんでした。



挨拶後、健闘を称えて抱き合う両校選手達。

勝者にとっては劇的な、そして敗者にとってはあまりにも残酷な結末でした。

球場は騒然としていました。




劇的な結末を物語るスコアボード。

マンガ・小説・ドラマなどでこんなストーリーをやったら「そんなに都合良くいかないよ。嘘っぽい展開」と思われるかもしれません。

しかし現実にはこんなドラマチックなことが起こるのですね。


「勝ちたい」、「ここで終わりたくない」、そういう球児達の思いや気力が時にこんな奇跡を呼び込むのでしょう。

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