山岡政志がいた夏(続編)

山岡政志がいた夏(続編)

 

「甲子園 入道雲に 蝉時雨」

 

日本海周りで秋田商業ナインは甲子園に乗り込んだ。

 

体調は皆すこぶる好調だ、三藤(武藤、佐藤、進藤)はじめエース山岡も好調を維持している。

 

秋田商業は組み合わせで、2回戦からの登場で対戦相手は兵庫県代表の洲本高校と決まった。

 

洲本高校は選抜大会優勝経験校で、しかも野球どころの兵庫県代表、また予選を甲子園で行って、場慣れしており侮れない相手である。

 

8月12日の第2試合。

プレーボールから秋田商業の打線が珍しく爆破した。

長短打で洲本高校山家を攻略、初回で勝負を決めてしまった。

 

エース山岡も浮き上がる得意の球で、洲本打線を手玉に取りとうとう完封してしまった。

 

終わってみたら9-0の大差だった。

 

宿に帰りその日はゆっくりとナインは疲れを癒した。

 

次の相手が組み合わせ抽選会で決まった。

 

相手は福島県の浜通りのコバルトブルー基調のユニフォームの

磐城高校である。

 

本音のところ、東北ダービーは回避したかったのが、策士今川敬三の心内であったろう。

 

秋田商業はその当時軟投派の左腕投手を苦手としていた。

相手には小磯克美と言う、いかにも捕らえづらい、左腕の軟投派のエースが居たので有る。

 

「山家は攻略したが、小磯は違うぞ!」

今川敬三は悪い予感が頭の中を過った。

 

(出典元:第57回アサヒグラフ甲子園大会、ベースボールマガジン社 秋季號甲子園賛歌)。

 

★文書構成上敬称は略しました。

 

 

 

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