「タッチ」の舞台? (府中市民球場)
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Mr.black
2016年07月16日 09:56 visibility5609
明大球場に続いて今回は府中市民球場のレポートを。
この球場の特徴は何と言っても「利便性」だと思います。
最寄駅はJR「北府中駅」で徒歩5分程度。それ以外にもJR「府中本町駅」や京王「府中駅」から徒歩圏内です。そして私は地元民ではないのでよく知りませんが、球場のそばまで行くバス路線があるようです。(今回私は京王の「府中駅」を利用。)
駅からの道中、コンビニや飲食店が比較的見つけやすく「街中にある使い勝手の良い球場」というのが第一印象でした。
↑ 街中ですが、このように緑も豊か。
球場の規模はそれほど大きくは無いのですが、正面外観は重厚な感じがします。
ところでこの球場は、あだち充氏の代表作「タッチ」で主人公・上杉兄弟が試合する球場のモデルになったと言われています。
(他に「作者の故郷・群馬の球場がモデルになった」という説などもありましたが、マイヤキューさんからの情報によるとヤクルトの広報誌にあだち氏自身が「府中球場をモチーフにして描いた」というコメントをしていたそうです。なので府中で確定です。)
なお、この件については後述。
内野クレー、外野天然芝。バックネット裏近辺は人工芝。
バッターボックス周辺からダッグアウトまで陸上のトラックのような敷物(これも人工芝?)があり、「FUCHU」と地名入り。このスタイルはかつての中日球場(ナゴヤ球場)を思い起こさせます。
両翼95m、センター120m。
照明は6基ありますが、規模が小さく照度は弱いかもしれません。
座席はバックネット裏が背もたれ付きの個別席。1・3塁側と外野は長イス。
全体の収容数は5,000人。
バックネット裏には結構大きな屋根があり、夏は助かりますね。
敷地の関係で外野スタンドは非常に小さいです。長イス2列分しか奥行きがありません。この近辺は設計上少々無理している感じでポール際が見づらい場所がありました。
外は歩道でそのすぐ向こうは道路。なのでこれ以上のグランド拡張は厳しいです。するとしたら外野スタンド全撤去しか方法は無いでしょう。
スコアボードはこんな様子。目が悪いので磁気反転式か電光式かは分かりませんでした。
選手表示が上、得点表示が下、というのは珍しいスタイルです。とっさに思い出せるのは愛知の豊橋市民球場くらいでしょうか。
全般的にはまとまった良い球場ですが、唯一欠点と思えるのはバックネット。ゴルフネットと同等なネットですが、実はこれ網目が細かく案外視界が悪くなります。
特にここのスコアボードはボードそのものと表示がどちらもグリーンなのでグリーンのネットと重なるとかなり見づらかったです。このケースでは白文字がベストでしょう。
散水の様子。近年はこのように一人で簡単に散水出来る球場が増えてきましたね。
でも、もし機械が故障した時はどうするのでしょうね?これが気になります。
すぐ隣は陸上競技場もあり。便利な場所ですね。
最後に「タッチ」の球場との検証。
外観はよく似ていると思いました。
バックネット裏に大きな屋根がある点はマンガと同じ。内野スタンドの雰囲気も似ています。
ハッキリ違う点は外野スタンドと照明の小ささ。
スコアボードの形状も全然違います。マンガではスコアボードは凸形。そして表示はパネル式でした。
ただしスコアボードはどこの球場でもよく改修されるので、マンガが描かれた当時にここがどんな形状だったのかはあいにく分かりません。なにぶん連載時期から相当な年月が経っているので他県民の私にこの点は検証不可能です。
そしてあだち充氏は甲子園以外の球場は実在する球場をそのまま描くということはあまりしないので、同氏のマンガに出てくる球場はあちこちの球場の景観を断片的に切り取ってオリジナルで描いているものが多いと思われます。
ですので全国各地に「部分的にタッチの球場に似ている球場」は複数あると考えられます。
それぞれの地域のファンが「ここ、タッチのモデルになった球場なんだ!」、と楽しむのもいいのではないかと個人的には思っています。
同氏が実在の球場をあまり描かないのはそういう気持ちがあるのではないか?とも勝手に想像しています。
(甲子園以外では他の野球マンガで神宮を描いていたような気がしますが・・・この点はちょっと記憶が曖昧です。)
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