勝負強い球団、勝負弱い球団 阪神編

 


 


 では、次に僕が「勝負弱い」と思ってきた阪神タイガースについて検証してみたいと思います。


 


 阪神は本当に「勝負弱い」、つまり「大一番」に弱いのでしょうか?


 


 残念ながら、近年の結果を見ればそれは明白でしょう。


 


 2005年の日本シリーズストレート負け。


 


 シーズン中の「大一番」に勝って首位を守れなかったこと(remember 2007、2008!)。


 


 クライマックスシリーズ導入後は一度も日本シリーズに進出していないこと。


 


 その他毎年のように繰り返される数多の悔しい場面を挙げれば「勝負弱さ」は否定できません。


 


 もっと遡って見れば1992年9月11日の八木選手の幻のサヨナラホームラン。


 


 1973年の巨人戦での池田選手の「世紀の落球」。


 


 1962年はせっかく最終戦でリーグ優勝したのに翌日から日本シリーズが始まって1分4敗・・・。


 


 まるで勝負の神に見放されたかのような有様です。


 


 しかし、ファン心理としてはそこでは終わりません。


 


 「なぜこんなに不運がついて回るのか?原因があるんじゃないか?あるなら厄払いをしなければならない」


 


 と思うのが人情でしょう。


 


 そして、ファンはその原因についてある程度は共通の思いがあると僕は思います。


 


 それを一言でいうことは至難です。


 


 自分でも、そのすっきりしない思いをどう表現したらいいのか分かりませんでした。


 


 でも、この機会に改めて考えてみたら、こういうことじゃないかな・・・。


 


 その思いとは、歴代選手の「グランド外での無念」だと思うのです。


 


 つまり、試合以外のことで納得できない思いを持ったままチームを去っていった往年の選手の思いが、阪神タイガースの球運に影響している。


 


 そう考えている人が阪神ファンには少なからずおられるんじゃないかな・・・僕の他にも。


 


 具体的に書きたいと思います。


 


 まず1949年のレギュラー大量引き抜き事件・・・いや「引き抜かれ」事件ですね。


 


 発端は新球団加入問題だったそうです。


 


 ここで詳細を書かせて頂くことは避けますが、阪神球団の新球団加入の是非に関する態度が毎日球団などの反発をかい、阪神選手の引き抜きに発展したそうです。


 


 別当、若林、土井垣、呉、門前・・・人気・実力を兼ね備えた多くの選手が阪神をあとにし、チームは弱体化します。


 


 この頃の球団は巨人に対抗するため様々な強化を模索し、1955年には思い切った改革が断行されます。


 


 それはプロ経験がなく、指導者としても大学野球監督の経験しかない岸一郎氏の監督招聘でした。


 


 しかし、そんなことでチームが上手く行くはずもなく、シーズン途中のまだ早い段階で指揮権は初代ミスタータイガース藤村富美男選手に託されます。


 


 しかし、藤村選手を以ってもチームをまとめ上げることは難しかったようです。


 


 1957年は巨人に1ゲーム差で優勝争いに敗れ、1959年は天覧試合で敗れるなど巨人との実力さも顕著になって行きます。


 


 前述の通り1962年はリーグ優勝を果たしますが、連覇を逃した翌年オフには大黒柱の小山正明投手がトレードに(世紀のトレード)。


 


 2代目ミスタータイガース村山実投手は1970年から監督兼任で巨人に立ち向かいますが1972年に指揮権返上。監督を引き継いだのは、監督経験者ながら前回就任時チームを統率できなかったとされる金田正泰氏。


 


 これではチームが優勝できるはずもなく巨人の黄金時代を許します。


 


 希望の光はホームランの田淵幸一捕手と、奪三振の江夏豊投手。


 


 しかし、球団フロントはまず1975年オフに江夏投手を南海に放出。


 


 そして1978年には田淵捕手を西武に放出。


 


 なぜ功労者でありチームのスターがこのように処遇され続けるのか、誰もが首を傾げました。


 


 1978年のドラフト1位江川卓投手との「トレード」でやってきた小林繁投手も十分な実力を残したまま血行障害で1983年を最後に引退。


 


 昭和50年代のミスタータイガース掛布雅之選手も33歳の若さで現役を去ります。


 


 平成に入り、久々に現れたスーパースター新庄剛志選手が「やっと本当に開花した」と思った途端にニューヨーク・メッツに去って行きます。


 


 どうも、阪神のスターは「阪神で完全燃焼」できないケースが多いようです。


 


 無念の涙、やり切れない思いを甲子園のグランドに落としていくことが多いようです・・・口にできない言葉を胸に秘めながら。


 


 今の阪神の選手は、本当に一生懸命にプレーしてくれていると思います。


 


 しかし、紙一重の差しかない実力の持ち主が命を懸けて勝負するグランドで「ファン!、家族!、仲間!、そして世話になっているこの球団のために!!!・・・」と思えるのと「ファン、家族、仲間・・・この球団はのためには・・・別にええわ」となるのとでは大きな違いがありそうに思います。


 


 阪神が「勝負弱い」とは、こういうことだと僕は思います。


 


 どうか阪神球団のフロントの皆様には苦い過去を忘れずに、ファンと選手を裏切るようなことは二度としないで下さいといいたいのであります。


 


 そうすればきっと阪神は「大一番」で勝てるようになります。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 




















































































































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