勝負強い球団、勝負弱い球団 巨人編

 


 


 僕にはどうしても「伝統として阪神はここ一番という時に勝負弱く、逆に巨人は勝負強い」という印象があります。


 


 これは本当かを検証してみたくなって、ちょっと調べてみました。


 


 まず、本当に伝統として「巨人は勝負強い」のかを考えたいと思います。


 


 巨人が歴史上、初めての大一番に勝ったと言えるのは1936年の国内初の「職業野球リーグ」が開催された年、秋季大会の優勝決定戦でしょう。


 


 この大会、巨人は5節終了時まで首位を走りますが最終節で大阪タイガースに追いつかれ、優勝決定戦が開催されます。


 


 そこで巨人は息を吹き返し2勝1敗で優勝を手にします。


 


 ちなみにこの年、巨人は春季リーグをアメリカ遠征のため不参加。夏リーグから参戦しますがチームの整備が進まなかったためか2勝5敗と低迷。建て直しのために行ったミニキャンプが「茂林寺の千本ノック」として後世に語り継がれたのでした。


 


 戦後になってしばらくするとプロ野球団は2リーグに分かれ戦うようになります。


 


 1955年の日本シリーズに進出した巨人は、南海に1勝3敗の圧倒的不利な星勘定から逆転して日本一を手にします。


 


 1959年といえば「天覧試合」。長嶋選手のサヨナラホームランで阪神を下した場面はプロ野球史上屈指の名場面であることに異議を唱える人は皆無でしょう。この試合が「勝負強い巨人」「勝負強い長嶋」を広く国民に印象付けたのではないでしょうか・・・って、この試合のあげた効果について言われていることは僕があれこれ書くまでもなく既に定説ですね。そして最早、日本の伝説でしょう。


 


 1961年は就任1年目の川上哲治監督の指揮の下、中日を1ゲーム差で交わし優勝。日本シリーズも制すると、1963年も日本一。


 


 1965年から空前絶後のV9。


 


 V9中最後の優勝1973年は最後まで阪神との予断を許さないマッチレースとなります。


 


 「残り2試合で1勝すれば優勝」の阪神有利の状況で、阪神がナゴヤ球場での中日戦で不可解な投手起用で2-4の敗戦。


 


 移動中の新幹線からナゴヤ球場のスコアボードを見た巨人ナインは勇気百倍。


 


 甲子園での対阪神最終戦では9-0の完勝。


 


 この神懸り的な結果に「巨人は永遠にV逸しない」と思ったファンも多かったことでしょう。


 


 このあたりまでは、僕は生まれていないので実際に自分が見たり感じたりしたことではありません。


 


 自分が「巨人は勝負強い」と思い始めたのは・・・1989年日本シリーズでのミラクル(近鉄に3連敗後の4連勝)もありますが・・・何と言っても1994年の「10.8」です。


 


 あの試合、序盤は巨人が勝つとは思えなかった。


 


 それが、あれよ、あれよという間に試合が巨人ペースに飲み込まれて行き、桑田投手がマウンドで歓喜の雄叫びを上げる頃には「これが伝統ある巨人の底力か・・・」と感服する心境になりました。


 


 1996年は最大広島に11.5ゲーム差つけられていた位置から猛追撃を敢行。逆転優勝を果たします。


 


 2000年の「ONシリーズ」では0勝2敗から4連勝で日本シリーズ優勝。


 


 そして、阪神ファンの僕としてはファン人生最大の悲劇として生々しく記憶に刻まれている2008年のペナントレース。


 


 9月に巨人は12連勝。もちろん阪神3タテもその中に入っています。


 


 どんどん埋まる最大13あったゲーム差。


 


 10月8日の巨人阪神直接対決で勝利した巨人は単独首位に立ちそのまま優勝。


 


 もちろん最大13ゲーム差からの逆転優勝はセ・リーグで前代未聞の快挙でした。


 


 


 ここまで書くと、いかにも巨人が勝利への追い風を一方的に受けて栄光を築いてきたように見えますが・・・、実際に検証してみると必ずしもそうではないように思えるんですね。


 


 それはどういうことかと言いますと・・・。


 


 まず、一度も首位を譲らずに優勝を果たしたシーズンはたった1度だけ。


 


 それも1953年という58年前のことです。


 


 これは意外に思えました。


 


 1958年は日本シリーズで西鉄に3連勝しながらまさかの4連敗で優勝を逃します。


 


 翌1959年は南海に4連敗。


 


 実に日本シリーズの舞台で8連敗です。


 


 V9が輝かしいあまり、この辺りの歴史にスポットが当ることは少ないように思います。


 


 しかし、ここまでに限定してみると、決して日本シリーズの大舞台に強かったとは言えないでしょう。


 


 V9の後、再び日本一に返り咲くまでにも8年かかっています。


 


 その翌年1982年のペナントレースでは0.5差でV逸。


 


 1983年はリーグ優勝するも日本シリーズは新興勢力の西武に苦杯。


 


 1986年は優勝した広島を勝ち星で2つ上回りながらも2位に終わるなど、「勝負強い」とは決して言えない戦歴になっています。


 


 どの球団にも風は平等に吹いてきた。


 


 勝負の神の恩寵を一身に受け続けてきた球団などあり得ない。


 


 僕はそういう結論に落ち着こうとしています。


 


 しかし、それは本当か・・・?


 


 それは他球団についても検証しないと分かりません。


 


 もちろん、「阪神が勝負弱い」ということについても、です。


 


 ということで、今度、また検証してみたいと思います。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 





















































































































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