決して「奇策」に終わるなかれ 同志社‐近大 3回戦観戦記

 平成26年5月12日 関西学生野球連盟 春季リーグ戦 皇子山球場

 同志社大学 対 近畿大学 3回戦

 


 同大 0 0 1 0 0 0 2 0 0 =3

 近大 2 0 1 0 0 0 0 1 X =4

(8回裏 近大の決勝点が入った瞬間)

 


 両大学とも1勝1敗、勝ち点をかけた同志社大と近大の一戦。

 同志社大学の先発を託されたのは1回生の平尾拓投手。

 昨夏、彦根東高校の甲子園出場の原動力となった期待の左腕である。

 昨日の2回戦で大学初登板を飾り、戦いの空気に触れた上での先発となった。

 しかし、平尾拓投手は立ち上がり先頭打者に内野安打を許した後、自らの一塁悪送球でたちまちピンチを迎えてしまう。

 こうなると近大がこの機を逃すはずもない。

 この回きっちり2点をもぎ取る。

 早くも追う展開となった同志社は早くも3回の好機に平尾拓投手に代打を送り総力戦の構えを見せる。

 3回に1点を返し追い上げムードになったのもつかの間、その回の裏には近大が交代した同志社隠岐投手から1点を奪い突き放す。これで3-1。

 しかし7回に同志社は、ここまで良く投げた近大の左腕越智投手(松山商)から1点を奪うと、救援した速球派の宝利投手(近大付)からさらに1点をあげ3-3の同点に追いつく。

 両大学の意地がぶつかり合う好ゲームに球場は沸く。

 同志社は延長戦も見据えたのか、百戦錬磨の大家投手(大阪桐蔭)を投入。近大打線を抑えにかかる。

 しかし、交代して2イニング目の8回裏。

 2死二塁から迎えた打者は主将の峰下(佐賀学園)。

 峰下の鋭い打球は三塁ベースに当たって外野に転がる。

 やや不運なタイムリーヒットで入った1点が決勝点になった。

 同志社は期待の新人左腕を先発させたが結果論ながら「奇策」に終わった格好だ。

 今後、この経験を活かし平尾拓投手が同志社だけでなくリーグを背負って立つ投手になれば今日の起用は大局を見すえた良策に変わるだろう。



 

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