野球読書日記 特別篇 もう今は本棚にないけど覚えてる本

 もう今は本棚にないけど思い出に残っている本があります。

 

まずは山際淳司さんの「スローカーブをもう一球」。川端俊介投手を擁する高崎高校の春の甲子園出場をかけた関東大会での戦いぶりを中心に描かれたノンフィクションです。一見ゆるい感じの野球部があれよあれよと勝ち進む過程が面白いです。同じ一冊に収録されていた「江夏の21球」も忘れがたい。最後の江夏豊投手が一人で咽び泣く描写なんて、実際自分は見たわけじゃないのに頭に浮かんできます。

 

それから高橋三千綱さんの「カムバック」。いくつかの野球短編小説集ですが、ラストを飾った八百長事件の罪を一人で被ることになったドラゴンズのエースがメジャーリーグで復活する話は痛快だった。登場人物が一癖ある人ばかりでかなり面白い本でした。

 

そして村上龍さんの「走れタカハシ」。広島カープのスピードスター高橋慶彦さんを軸にした爽やかな青春野球小説・・・と思って買ったら全然違った。オムニバスの最初の一篇を読み唖然としました。無茶苦茶だ。しかしこれが実に面白い。たちまち虜になりました。村上龍さんが本当に高橋慶彦さんのプレーや人柄に惹かれていたことが伝わってきます。プロ野球選手って、本当に市井の我々の憧れであり希望であり、時にはその選手が知るよしもない所で誰かの人生を動かしていることがあるのですね。

 

以上、今日は少し趣向を変えて書いてみました。また胸のすくような野球小説に出会いたいものです。

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