野球読書日記「にっぽんの高校野球 No.16総集編」

  今年最初の野球読書日記です。

 この本は2010年発刊なので、本棚の中でも古い本になってきました。全16巻のシリーズだったと思うのですが、全巻買うと他の本が買えなくなりそうなので総集編だけ買いました。しかしさすがベースボールマガジン社。読み物も写真も資料も素晴らしい。 

 

 この本には忘れ得ぬ思い出があります。私が高齢者施設のケアマネージャーをしている時、担当のご利用者が「僕は甲子園に出たんだ」と仰ったのでこの本で調べたらお名前がありました。「歴代春夏甲子園大会出場5210チーム全メンバー表」のおかげです。そのご利用者の甲子園出場時の写真や地方大会のスコアもインターネットで探し出しました。そしてご退所の時に写真とスコアを贈呈したら大変喜んで頂けました。ご家族からお礼状を頂き、「本当にこの仕事をしていて良かった。そして野球好きで良かった」と思いました。

 

この本から拾ったびっくり秘話は戦前の台湾からの出場校、嘉義農林の選手についての次の記述です。

「とにかくこのチームには高砂族の酋長の息子などもいたし、当時は戸籍が明確でなかっ たため、年齢もはっきりしない選手がいた。 35年のエース・東公久は1年生で20歳、さ らに、そのときのショート・ 吉川武揚は25歳であると話 題に。本人もはっきり年齢が 分からなかったようだが、甲 子園史上最高齢選手としてお こう。前述の"酋長の息子 上松耕一選手はのちに24歳だったという証人も現れた」(65頁)

 困難な時代。常に戦争の陰を感じながらの野球だったかと思いますが、この辺りはあの頃の社会のおおらかな部分とも言えますね。

 

 正月にYouTubeを見ていると1980年代の芸能人野球大会の映像があって、志村けんさん、仲本工事さん、ビートたけしさん、青空球児さん、野々村真さんらの上手さにびっくりしました。昭和時代、みんな少年時代の遊びと言えば野球。本当に「野球の動作が体に染み付いている」という感じがしました。野球って本当に良いですね。

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